今回の12月の出張の前にインターンで調査に入ってくれた大川さんの詳細な報告、現地から毎日のように寄せられたリーダー育成担当の東城さんと農業専門家の大塚さんの出張報告、現地事業補助員のジョセリン・コヤゴの報告を受けて見えてきた、JICA事業の現状、成果、課題についてプロジェクトマネージャーの杉田が簡単にまとめてみます。
6校の事業校によって地域の実情も菜園や給食実施の現状も大きな差があります。けれどもそれは最初からわかっていたことで、それぞれの学校が実情に合わせて、それぞれの良さや強みを生かしてどこまで課題を自分たちで克服し、前進していけるのかが最も重要な点です。この事業は、何かものを提供する事業ではなく、人々の意識を変えることで、自分たちで子ども達の健康をよくしていくために、学校菜園を充実させ、学校給食実施の方法を模索していくというものです。これは厳しい目標ともいえます。
けれども、今回の出張で昨年度給食実施ができなかった学校でも、講座でリーダー達の働きかけで、保護者や教師が真剣に話し合い子ども達の健康を心配し、学校菜園や給食実施に向けて努力しようという姿勢を見せてくれたことは大きな成果でした。今回の講座は大きな意味を持っていたと思います。各学校の校長先生、担当教師の皆さん、参加した保護者の皆さん、そして出張者の東城さん、大塚さん、大川さん、現地補助員のヘルマン・リコ、ジョセリン・コヤゴ、彼らの言葉であるキチュア語で語りかけてくださった現地アドバイザーのセグンドさん、ありがとうございました。(上の写真、左の写真は訪問した事業校で)
<この9ヶ月の成果>
*学校菜園と学校給食を実施のために努力し、3年後には安定的に実施をして成功事例を作るという意識が共有されたこと
*保健省、教育省と一緒に参加できたこと
*6校中4校の定期的な給食の実施、1校の不定期な実施ができたこと
*栄養の知識が少しずつ知られるようになってきたこと
<課題>
*水の問題の解決
貯水池の設置を各事業校ごとに考えていく必要がある。自らのちからで(共同作業)できるかどうか、業者に頼む必要があるとしたら、資金をどのように調達するのか
これについては、ピサンビージャでは大和証券の助成金が決定し、この助成金で1月〜2月に建設予定がある。他の学校でも条件などを調査中。
(写真は教育省を訪ねた一行)。
*農業的な課題
学校菜園の農業技術的な問題が出てきている。現在大塚専門家が滞在中なので、この期間にできるだけ課題の明確化と今後の方針を出していきたい。
出張中に種子を播くよりも苗を植えた方が良いという話になった。その他にもいくつか具体的な課題が出てきている。一つあげられるのは耕運機の使用である。上記の大和証券の助成金で耕運機を購入予定であるが、ピサンビージャでどのように耕運機が生かされるのかをみて、他の学校でも使えるところでは使っていけるように、必要に応じて購入の可能性を探ってみたい。
もっと身近な、農機具の整備も行えたらと考える。
*給食実施の問題
ウンべルトフィエロ校では 給食実施と運営のために教師と保護者の話し合いが持たれて大きく前進しているようであるが、ここに現地事業補助員の参加が可能になるような働きかけが必要であろう。
また、他校でもそのような普段の努力ができるように支援していきたい。
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