2020年1月11日土曜日

JICS助成金の獲得(2020年3月より組織基盤強化のための事業開始)

JICS(ジックス:一般財団法人 日本国際協力システム)は、民間団体による国際協力活動の一層の発展に寄与することを目的として、開発途上国に対する援助活動を行う日本の中小規模のNGO・NPOを対象に、支援金による助成(JICSNGO支援)を行っています。
 この度SANEは、組織の基盤強化のための事業にこのJICSNGO助成金を受けることが決まりました。助成金は1年間で100万円(3年間継続の可能性もあります)で、事務局体制の確立のための事業に使われます。SANEが国内組織のために行う事業はこれが初めてですので、なぜこの事業を計画したのか少しご説明をします。

SANEは設立が1989年で、満30年を迎えます。設立時は会員20人足らずの小規模な会で誰もが長く続くことになるとは考えてはいませんでした。けれどもその後多くの人々の活動への参加、協力を得て、現地に信頼できるスタッフにも恵まれて奨学生事業と教育環境改善事業を継続してくることができました。その結果、現地では元奨学生たちが組織を支えて活躍しています。また、カヤンベでは学校給食の安定的継続を目指してJICA事業を行っています。
しかしながら、今後もこのような事業を継続していくには、SANEの組織自体を安定させなくてはなりません。開設初期からの、数少ないメンバーが無償で献身的に活動をする、個人が自分の資質を発揮して活動をするといったスタイルから脱皮し、交代可能な組織づくりが必要です。また現地事業をSOJAEの現地スタッフに任せてしまうのではなく一緒に仕事をする、現地行政や事業当事者を広く巻き込んでいく、専門家の参加でより深く取り組むといった、現地事業の質の向上も、現地のニーズに応え、教育環境を改善していくには欠かせません。
SANEはこのような課題について議論を重ねてきた結果、現地に資金を送るだけではなく、現地事業を支える国内組織を強化したいと考えるようになりました。
これに応える事業としてJICS事業があります。
具体的には、事務局長の有償化、事務局補佐の雇用、事務所設置(いずれも額は小さいものですが)によって、会員制度など組織の見直し、財政拡大に向けた広報や賛助金、寄付金の呼びかけなど種々の活動が計画されています。
エクアドルでの教育支援の活動がこれからもより良い形で続き、日本とエクアドルの繋がりが確かなものとなっていくように、安定した国内の活動を実現したいと願って、SANEは新たな一歩に踏み出します。
もちろん、こういった活動は助成金だけで実現することではありません。助成金は小さな一つのきっかけに過ぎません。ぜひ、エクアドルにつながりのある企業や個人、各分野の専門家の皆様をはじめとした多くの皆様が、私たちの活動に参加し、日本とエクアドルのためにご協力いただけますよう、心からお願いいたします。

2020年1月1日水曜日

新年のごあいさつ*                SANE 杉田優子 SOJAE パオラピジャホ

新年明けましておめでとうございます。
日本のSANE(サネ)設立から30年、エクアドルのSOJAE(ソハエ)設立から17年が経ちました(SOJAEもエクアドルSANEの時代から数えると同じ30年です)。SOJAEとSANEが、長年一緒にエクアドルの子どもたちの為に活動を続けることができ、大変嬉しく思います。日本とエクアドルは地球の反対側の国ですが、距離や文化の違いを乗り越えて、また、常に付きまとう資金不足の危機を乗り越えて、互いに信頼しあい、協力しあって一つ一つの仕事を積み上げ、エクアドルの子どもの教育や健康、家庭の生活向上に、直接的にも間接的にも確かな成果をもたらしてきました。そして日本においても、遠くの人々を共に想うことを通じて人々をつないでくることができました。     
このように活動できたのは、関わってくださった多くの皆さんの「コミットメント・団結力・忍耐強さ」があったからこそです。時には喜びを分かち合い、時には困難に立ち向かいながら、一丸となり同じ目的に向かって進み続けることができました。本当にありがとうございます。
 新しい年がスタートしました。希望にあふれる新年をお迎えの方々もおいでだと思いますが、一方で困難の中で新年をお迎えの方々もいらっしゃることでしょう。どのような時も希望を持って、粘り強く歩みを進め、日本とエクアドルの私たち、SANEとSOJAE、そして世界中の人々にとって幸多き1年にできますようにと心を新たにしています。
 何よりも、家族・同僚・友達など私たちの身近な人達~特に、困難な生活状況にありながらもまだ支援が受けられていない方々に寄り添いたいと思います。今年の終わりには「お互いに与え、与えられ、一緒に歩んできた」と充足の表情で振り返ることができますように。