JICS(ジックス:一般財団法人 日本国際協力システム)は、民間団体による国際協力活動の一層の発展に寄与することを目的として、開発途上国に対する援助活動を行う日本の中小規模のNGO・NPOを対象に、支援金による助成(JICSNGO支援)を行っています。
この度SANEは、組織の基盤強化のための事業にこのJICSNGO助成金を受けることが決まりました。助成金は1年間で100万円(3年間継続の可能性もあります)で、事務局体制の確立のための事業に使われます。SANEが国内組織のために行う事業はこれが初めてですので、なぜこの事業を計画したのか少しご説明をします。
SANEは設立が1989年で、満30年を迎えます。設立時は会員20人足らずの小規模な会で誰もが長く続くことになるとは考えてはいませんでした。けれどもその後多くの人々の活動への参加、協力を得て、現地に信頼できるスタッフにも恵まれて奨学生事業と教育環境改善事業を継続してくることができました。その結果、現地では元奨学生たちが組織を支えて活躍しています。また、カヤンベでは学校給食の安定的継続を目指してJICA事業を行っています。
しかしながら、今後もこのような事業を継続していくには、SANEの組織自体を安定させなくてはなりません。開設初期からの、数少ないメンバーが無償で献身的に活動をする、個人が自分の資質を発揮して活動をするといったスタイルから脱皮し、交代可能な組織づくりが必要です。また現地事業をSOJAEの現地スタッフに任せてしまうのではなく一緒に仕事をする、現地行政や事業当事者を広く巻き込んでいく、専門家の参加でより深く取り組むといった、現地事業の質の向上も、現地のニーズに応え、教育環境を改善していくには欠かせません。
SANEはこのような課題について議論を重ねてきた結果、現地に資金を送るだけではなく、現地事業を支える国内組織を強化したいと考えるようになりました。
これに応える事業としてJICS事業があります。
具体的には、事務局長の有償化、事務局補佐の雇用、事務所設置(いずれも額は小さいものですが)によって、会員制度など組織の見直し、財政拡大に向けた広報や賛助金、寄付金の呼びかけなど種々の活動が計画されています。
エクアドルでの教育支援の活動がこれからもより良い形で続き、日本とエクアドルの繋がりが確かなものとなっていくように、安定した国内の活動を実現したいと願って、SANEは新たな一歩に踏み出します。
もちろん、こういった活動は助成金だけで実現することではありません。助成金は小さな一つのきっかけに過ぎません。ぜひ、エクアドルにつながりのある企業や個人、各分野の専門家の皆様をはじめとした多くの皆様が、私たちの活動に参加し、日本とエクアドルのためにご協力いただけますよう、心からお願いいたします。