悲しいお知らせです。昨日深夜に現地から知らせがあり、かねて集中治療室で治療を受けていたカヤンベ支部長のウイルソンさんが亡くなりました(4月28日)。
に読んでくれました。多くのかたがSANE SOJAEを通してエクアドルの子ども達の教育改善のために尽くした彼の功績についても語っていました。事業校の一つウンベルトフィエロ校のアントニオさんも参加されていました。
悲しいお知らせです。昨日深夜に現地から知らせがあり、かねて集中治療室で治療を受けていたカヤンベ支部長のウイルソンさんが亡くなりました(4月28日)。
奨学生に毎月支給されている奨学金は30ドル(コロナ禍の昨年度は40ドル)。日本円にすると3000円前後となります。この金額はどれほどの意味を持つものでしょうか。
まず、エクアドルの最低賃金は400ドル、最低必要家庭所得は山岳地域では$722,28(2020年)となっています。私たちの支援対象の子ども達の家庭では、所得が700ドルどころか、400ドルにも達していないことが多いです。エクアドルでは現在学費は基本的に無料になっていますので、単に学費が払えないという理由だけで学校に行けない子どもがいるわけではありません。けれども、学校までの交通費や学用品、コロナ禍の今ではスマホやwifiへのアクセスのための経費がかかり、ますます格差が大きくなっているというのが実感です。従って、40ドルの奨学金は子ども達の支えとなっていることは確かです。
お金をもらえることのインパクトは確かに大きいのですが、それ以上に大きいのは、数少ない奨学生として選ばれたことです。12月19日のブログでご紹介した通り、候補者はたくさんいて、選考に通らないと奨学生にはなれません。家庭の中でSANEの奨学生に選ばれたということはそれ自体が勉強を続けることへの大きな動機付けになっています。写真:出張者の黒岩と、留学中の貝森と一緒に話をする奨学生達。右側で立っているのは奨学生担当のダーウィン。彼自身も元奨学生(2019年3月)。
SANEは1年間JICA主催のオンリーワン研修に参加してきました。本日は最後の発表会で、他のNGO 8団体と一緒に1日のスケジュールで参加。1年間の研修成果を発表しあいました。
4月15日のブログに書いた通り、1年前の総会で確認されたSANEの課題は、次の通りでした。
<内的要因> <外的要因>
- 運営能力の不足 - 社会的な認知の不足
- 対外的なアピール力の不足 - 組織強化のための支援の不足
- 財政基盤の弱さ - 助成金獲得の困難さ
- 人材不足と個人の能力への依存
上記の4つの内的要因の中で、対外的なアピール力の不足に対応するたに今回の研修がありました。前半は、SANEとは何か、皆さんに分かりやすい説明をするために、自分たち自身が言葉にして話し合いました。
外に向かって発信するためにはまず自分たち自身が自分を知らなくてはなりません。ミッションとビジョンの言葉の確認から始まり、研修参加者間での話し合い、事務局や理事会などで話し合った結果、下記のようにまとめられました。
南米エクアドルの子どもたちに教育をーSANEー
SANEがめざすもの:ビジョン
SANEは、
市民の協力を通して、すべてのエクアドルの子どもたちが安心して学び、困難を乗り越え、自立して生きることのできる社会を目指します
SANEの活動の柱:ミッション
奨学生事業:学業の継続に困難を抱える子どもたちに経済的、精神的な支援を通して、学習を続ける機会を提供します。
教育環境改善事業:学校菜園や学校給食などを通して山間部の学校の教育環境改善をサポートします。
私たちの活動から、こんな成果を!
・エクアドルの子どもたちが学んだことを活かしてよりよい生活を送り、公平で公正な社会を考え行動することができるようになる。
・私たちがエクアドルを知ることで、自分の社会を知り、これからの日本の社会を考えられるようになる。
こうした研修成果を生かして、今SANEの新しいパンフレットを作っています。
今日の発表会では他のNGOさんも同じように悩んだり、迷ったりしたこともわかり、大変興味深く、共通点も相違点もあって、今後も繋がっていきたいなと思いました。若い担い手も多かったです。
1年間、JICA、筒井さん、ジャングルコアの吉川さん、小島さんをはじめ、専門家の皆様にも大変お世話になりました。
昨日、4月17日午後に、監査役の小杉さん、佐々木さんを始め、会計担当スタッフ(南林、鈴木、東城、小谷野)、事務局長の参加でSANEの会計監査が行われ、問題なく無事終了できました。本日18日の午後の事務局会議、夜の理事会で議案書と共に承認されれば2020年度の総括と報告書作成は終わり、全会員の皆さんに配布されて、5月の総会で正式に承認をお願いすることになります。
昨年度はJICS助成金もいただき、SANE の基盤強化に取り組んできましたが、国内、現地の財務会計のシステムの明瞭化と、現地事業担当者との共有ができるようになったという、大きな進歩がありました。一言で言うならば、個人に依拠するのではなく、グループで仕事ができるようになったのです。もちろん、ここに至るには事務局長をはじめ関わっている個人の努力が大きいものでしたし、これからもSANEに関わってくださる一人一人のお力に依拠する活動であることは変わりませんが、組織として動いていけるようになったことは本当に心強いです。 写真左から:東城、小杉、小谷野、鈴木、南林会議や作業にはにこにこハウスを使わせていただくことが多いのですが、いつも会場を貸してくださりありがとうございます。
「ふやふや」のエクアドルバザールが4月11日に、飯能市銀座通り商店街にある「bookmark」で晴天の中、開催されました。
今回は、田辺農園のエクアドルバナナ、エクアドルのチョコレートなども出品されました。
SANEに関係のある方はもちろん、商店街の方々も立ち寄ってくださいました。また、エクアドルバザールにはエクアドルにつながる方々が訪ねてくださり、エクアドル交流広場のような役割を果たしています。
バナナ、フリマ、個人出店者から合計40030円の寄付となりました。
また、協力者の方が別のフリマで商品を売ってくださり、23,000円寄付してくださいました。
ご協力くださった方々、購入してくださった方々、ありがとうございました。
ーコロナ禍の活動ー
フリマやメルカリで販売し、寄付してくださる方がいます。感謝!
今後の販売予定は下記の通りです。お近くの方はお立ち寄りください。
・5月2日イルパライソ(埼玉県入間市春日町1-11-18)のフリマ
・6月6日のエクアドルバザール(飯能市bookmark)
・7月に飯能市駅前のバー「パドックパス」の前庭でフリマ開催予定
*詳細が決まり次第、またご連絡します。
SANEへの支援は、直接の寄付だけではありません。
・古本を「きしゃぽん」に送る
・フリマを手伝う、売れそうなものを寄付する
・ふやふやの商品を買う
・フリマやメルカリに出品して売り上げを寄付する
・パンフレットや機関紙を置いてもらえる場所をみつける
・バザーを手伝う
・事業を手伝う
・翻訳ボランティア
など、さまざまな形があり、コロナ禍でも遠方でもできることがあります。
なにかできることはないかな?と思った方は、お気軽にinfo@sanejapan.orgにご連絡ください。
ふやふや&SANE事務局
100%ボランティアを理想として1989年に始まった私たちの活動は、当初思ってもいなかった長い期間の活動を重ね、日本とエクアドルとの協働の場を作り、人の輪を少しずつ広げて来ました。小さな取り組みではあっても、次の新しい世代に引き継ぐことができたらと、その可能性を追求しようという動きが始まったのは5年近く前のことです。その一歩として、現地事業としてはJICA草の根技術支援への事業提案に向けた活動を開始し、2018年に採択が決まり(事業が始まったのは2019年)、事業担当に専門家を雇うことができるようになりました(額はわずかですが)。
JICA事業の開始は、新しい可能性への道を開きました。その一つが、国内事業の基盤強化です。このためのJICS(一般財団法人 日本国際協力システム)への助成金申請でした。SANEはこの年間100万円の助成金で昨年3月から、今年3月まで基盤強化を行ってきました。事業の中身は、事務所の設置、事務局長や事務局補佐の有給化、事務局の充実です。JICA事業は現地事業の充実と発展を呼びましたが、国内の基盤事業が同時に行えたことは、色々な意味でSANEに大変大きな力をもたらしています。
2020年度の総会で示されたSANEの課題は次のようなものでした。
<内的要因> <外的要因>
- 運営能力の不足 - 社会的な認知の不足
- 対外的なアピール力の不足 - 組織強化のための支援の不足
- 財政基盤の弱さ - 助成金獲得の困難さ
- 人材不足と個人の能力への依存
SANEはこの課題の克服のために次の二つに重点的に取り組みました。
(1) 人から組織へー個人の仕事を組織レベルに落とし込む
(2) 新しい人が参加しやすい環境づくり
JICSの助成金に大きく後押しをいただき、事務局長を中心とした努力の結果、事務所を持ち事務所で実務を行う、会議で協議し複数で仕事をしていく、わかりやすい仕事のシステムを作るといった体制が整って来ています。特に、経理の分野で有能なメンバーの協力があり、非常に制度が整いました。また、集団での意思決定のプロセスの明確化・透明化が進みました。
幅広い世代の人々が小規模NGOの良さを活かして、それぞれの条件、おもい、能力を活かして活動に参加できるようになって来ています。
資金獲得の課題については、コロナ禍の中、厳しいものがありますが、2年目の助成金も決定し、引き続き基盤強化を継続し、資金獲得にまで繋がっていくように取り組んでいきます。
*写真は、コワーキングスペースのデスクの一つに設置されたSANE事務所。飯能駅北口、飯能市銀座通り商店街にあるBookmarkに構えています。ここには『世界のみんなと手をつなぐ店ふやふや』も商品を置いてあり、エクアドルの森林栽培オーガニックコーヒー、チョコレートや民芸品、東ティモールのハーブティーやセイロン紅茶など生産者とつながる商品が購入できます。
日本では新しい年度が始まりました。長くオンラインで授業を行なってきた大学などでも、対面授業に戻っているところが多いようです。小中学校や高校では昨年度早期に対面に戻り、時には問題も起こりましたがなんとか安全に行われています。今また感染者が増加していて不安は大きいですが、子ども達の安全を確保しつつ学校での授業が継続するようにと誰もが願っていると思います。改めて、教育とは何か、学校に行くことの意味は何かと考えさせられる昨年からの経験です。
エクアドルでは、2019年3月に休校になって以来、長く学校での授業が行われないままになっています。政府は緊急事態委員会を設けて、コロナ感染の状況を見ながら学校の対面授業(家庭での学習と並行に行うセミ対面授業)への復帰を何度も試みては感染者数が増えて頓挫してきたのですが、現在は3月末までに626校が対面授業になっています(内566校が公立校)。ユネスコや国連の教育科学文化機関は、1年以上にわたって世界中で対面授業が行われていない状況に、大きな懸念を表明しています。しかし一方で、専門家は子ども達が学校に行くことへのリスクの大きさに警告を出しています。子ども達の安全を確保しながら学校での教育をどのように可能にできるのかと考えさせられます。3月に3つの事業校で行われたJICAコロナ対応追加事業はこのような思いの一つの表現でした。このプログラムには衛生備品の設置と衛生講習会の実施、そして栄養的な調理講習会と食料セットの配布の二つの内容がありました。このうち衛生分野の事業では、学校に来た子ども達が手を洗えるようにと手洗い場の設置と、手の洗い方の講習会を行い、教室の消毒のための衛生薬品などを提供しました。コロナに恐怖を抱いている人々がちゃんと集まってくれるのか不安でしたが、しっかりとソーシャルディスタンスをとって、大規模校は4回に分けて集まってもらって実施し、大変喜ばれました。元々衛生的な意識や習慣が行き届いていない地域であり、どれだけの効果があるのかはわかりませんが、日本からのメッセージが伝わり、学校での授業の開始の力に少しでもなれば良いと願っています。
*この投稿の後で、大統領令が発令され、感染者数の増加によってピチンチャ県を含む8県が対面授業を9日まで再び取りやめたとのこと、現地スタッフによるとこれは延期される可能性が高いようです。