2019年10月29日火曜日

新年度が始まる

新学年が始まり、学校に戻ってきた子ども達、先生達は保護者の応援も得て学校菜園に取り組みました。まずは土を耕し、畝を作りました。SOJAEより肥料や種子などは配給され、すでに種まきも始まっています。
10月始めに予定されていたすべての学校の先生方
による給食連絡協議会は、エクアドルでのストライキのために延期されていましたが、政治情勢が安定し学校も再開されたので、10月31日に行われることが決まっています。
水の問題などいくつか解決すべき課題はあるものの、JICA草の根支援事業は広く地域と学校に支持され、継続をしています。
今年度はすべての学校で給食が始まるようにしたいと、各学校の保護者、教師たちも意欲的です。

2019年10月19日土曜日

全ての日程を終えて帰途につく


訪日研修で飯能市を中心に日本を訪れていた3人は、17日に飯能市長さんと教育長さんをお訪ねし、18日にはJICA東京とエクアドル大使館をお訪ねしてお世話になった皆様に今回の研修の成果をご報告しました。当日はダーウィンが作ったパワーポイントを見ていただきながら、訪問先で見せていただいたこと、学んだことなどを報告し、今後エクアドルに帰国してからもこの経験を生かしていきたいと話しました。
無事に報告を終え、昨日はパオラが、今日はダーウィンとアンドレスが成田より帰国いたしました。来る時はエクアドルの政治情勢が悪く、本当に来られるのかと大変心配しました。滞在中も母国の情勢を心配していましたが、幸い事態は快方に向かい始めたようで、3人とも安心の笑顔が見られるようになりました。無事に帰国できると思います。
10月7日より今日まで、訪問先のみなさま、ホストファミリーをお願いしたみなさま、サネの会員や協力者のみなさま、本当に多くの方々にお世話になりました。心よりお礼申し上げます。これをきっかけに、日本とエクアドルがより近い関係になり、互いに良いところを学び合って、子ども達のために共に歩んでいけたらと願っています。
上の写真:左端が教育長さん、中央が市長さん。右端の東城事務局長が持っているのは、昨年の国交100周年の記念に飯能市長にあてたカヤンベ市長からの手紙
下の写真:サネ会員とのお別れ会

自由の森学園訪問

17日は最後の学校訪問先である、自由の森学園を訪ねました。この学校はSANEの創設者のぺぺさんがスペイン語教師を務めていた学校でもあり、多くの保護者や教員の皆さんの協力でSANEが生まれることになった地でもあります。この日は栄養士さんであり、調理師さんでもある泥谷さん(泥谷さんはツアーでエクアドルを訪ねたこともある方です)にご案内いただき、自由の森学園の長い歴史の中で、子どもに食べさせたい、美味しくて、安全で、心豊かになれる学食が、保護者、教職員、学食担当者の中で大事にされてきたことを伺いました。みんなでおいしい食事(伝統定食、ベジタブルカレー、ドライカレー、お蕎麦)をいただきました。
その後スペイン語の授業に参加して、生徒たちと交流しました。生徒たちは初めてネイティブとの交流ということもあって、緊張した面もありましたが、スペイン語が通じて嬉しい経験にもなったと思います。サッカーや音楽の話で盛り上がりました。


ひより農園訪問

11日のひより農園訪問では、広くない畑でたくさんの種類の作物を育てている様子や、耕運機の活躍する様子、保湿と防虫の役割を果たすネット、じゃがいもの耕作の話など、具体的な農業の話に花が咲きました。お話を聞かせてくださったひより農園さんありがとうございました。

アジア学院訪問ー自給自足の精神を学ぶ

アジア学院は、1973年の創立以来アジア、アフリカ、太平洋諸国の農村地域から、その土地に根を張り、その土地の人々と共に働く“草の根”の農村指導者(Rural Leader)を学生として招き、栃木県西那須野のキャンパスにて、国籍、宗教、民族、習慣、価値観等の違いを認めつつ、公正で平和な社会実現のために、実践的な学びを行っている学校です。(アジア学院ホームページより)
この学校では9ヶ月間の農村指導者養成の研修がありますが、SOJAEカヤンベ支部の元奨学生のアンドレアが2012年に、この研修を受けました。いのちを支える「たべもの」作りにこだわり、有機農業による自給自足を基本としている学園の学びは大きく彼女を変えました。ここの学生たちは座学、ディスカッション、見学研修、グループ単位での農場運営を通して、自国のコミュニティの自立を導くリーダーシップを養います。農業の技術ではなく、協力しあって自分たちの力で自分たちの地域のものを使って農業をやっていくものの考え方や行動の方法を学ぶのです。
訪日研修の一環としてこの学園を訪ね、改めて農業の大切さ、自給自足の原則に立ち返ることの大切さを学ぶことができました。



2019年10月15日火曜日

20年ぶりの再会ーSANE の奨学生事業

サネの奨学生事業は、毎月エクアドルの奨学生と日本のパドリーノス(男性はパドリーノ、女性はマドリーナと呼んでいます)と文通を行なっています。パドリーノスとは、サネの会員で文通を希望された方のことで、よく知られている表現としては、フォスターペアレントという言い方もあります。ちなみにサネの場合、奨学生に渡す奨学金はサネの会員全員の会費から支給されているので、直接の金銭関係はなく、文通による交流がパドリーノスの活動になっています。長い方は一人の奨学生と、中学校入学時から高校卒業までの六年間の成長過程を文通を通して交流していくことになります。
今回は大変印象的な再会が果たされました。写真の方はダーウィンが奨学生だった頃に文通相手だった酒井さんです。ダーウィンが高校を卒業後は酒井さんもご自分の役目は終わったとサネを退会されていたのですが、今回来日することをお知らせしたところ、大変喜んで遠いところから昨日の会場においでいただきました。ダーウィンが高校を卒業してからですから20年近くになります。お互いの健康を喜び合い、再会の感激に浸っていらっしゃいました。酒井さんはこれを機会に再びサネに戻ってこられ、新たに奨学生のマドリーナを希望されています。同じ会場に、現在エクアドルで活躍しているご自分の文通相手だった元奨学生を写真を通して見守る、他の元マドリーナの方もおいででした。
このように、サネの文通事業は長い年月をかけて一人一人の子ども達を見守り、たとえその期間が終わっても縁を結んでいく事業です。教育は短期間には成果が見えてこない場合もありますが、それでも私たちはこうして信頼の糸をつないでいきます。昨日の会でパオラは、私たちを信じてくださってありがとうございますと感謝の気持ちを述べていました。まさに、信頼の糸が人を育ているのだと私たちは考えています。

JICA地球ひろばでの活動報告会

台風の影響で急遽日程変更になったJICA地球ひろばでのSANE活動報告会は、ウェブサイトから申込をされた方々を含め、30人ほどの参加で14日に開催されました。JICA東京からは市民参加協力第二課の小貫課長さんがおいでくださいました。
受田理事からのユニークで温かいSANE紹介は会場の笑顔を誘いました。受田さんは大学の先生で、メキシコの先住民地域をフィールドとして研究をしていることもあって、先住民地域の困難をよく知っています。エクアドルにおいてもSANEのような小回りのきく組織がカヤンベの山間部で行う支援が重要だと感じているとの話がありました。
また、奨学生担当の後藤理事は、毎月の文通など独特のシステムを持ち、多くのボランティアが参加している奨学生事業について説明をしました。元奨学生のパオラが自分の経験を話し、奨学生事業の息の長い活動とその成果を知っていただけたかと思います。
JICA事業ではプロジェクトマネージャーの杉田、栄養専門家の黒岩、農業専門家の大塚よりODMに従って具体的な事業内容の説明をし、ダーウィンから事業についてのエクアドル政府の承認と政府登録を取るまでの説明と、2003年から始まっていた教育的視点が中心だった学校菜園事業が、2011年から政策が変わり手作り給食がなくなったとこによって事業のスキームも栄養改善に変わったという話がありました。
この事業は究極的には栄養改善や健康改善をめざすものではなく、地域の皆さんが自らの手で学校給食の実現に向かえるような、持続可能な制度やシステムの構築のお手伝いをさせていただくという事業であることが、JICA東京の小貫さんからも強調されました。

10年にわたってSANEを支援してくださっているamifaアミファ株式会社の社長さんである藤井さんも参加してくださり、SANEより感謝状を送らせていただきました。https://www.amifa.fun/contents/csr/

会場からも、「エクアドルの政治が不安定なのはなぜか」という難しい質問や、「人間はもらうともっと欲しくなり、結局エゴを促進するのではないか」という高校生からの興味深い質問もありました。ダーウィンから、この事業は人間の基本的な必要を満たす事業であり、これは途上国とか先進国とかという区別などのない、すべての人々にとって必要なことを解決しようとするものだという意見、パオラの「私たち元奨学生の多くが与えてもらったものは、自分たちの後輩を助けようとするボランティア活動としてお返しする気落ちでSOJAEに参加している」という回答も大変的確で良かったと思います。
(写真はパオラと通訳の受田理事)






2019年10月12日土曜日

JICA草の根支援事業+奨学生事業活動報告会は14日

 SANEがエクアドルで行っている学校菜園と学校給食の事業についてお話をします。
エクアドルの山間部では遠くから子ども達が山道を歩いて学校に通ってきます。授業が始まるのは朝7時半。家を朝とっても早く出るので子ども達はお腹を空かせています。ところが、学校で出るのは毎日牛乳とクラッカーのようなものだけ。温かい給食はありません。
そこで、自分たちの力でなんとかしようと、子どもと先生と保護者で学校菜園を行っています。SANEとSOJAEはこれを応援し、2003年からずっと学校菜園とこのための施設などの整備を行ってきています。現在標高3300mから3600mほどの山間部の学校6校で行っている菜園は、水の問題などがありますが、みんなの努力のおかげでたくさんの野菜が育っています。
子ども達や保護者の皆さんの頑張っている姿がいつも送られてきます。

そして、その収穫物を使った給食も出せるようになっています。給食がない時は空腹に耐えなくてはならなかった子どもや家からお金を握りしめて学校の購買でパン屋お菓子を買っていた子ども達も、給食があるとみんなで楽しくお腹いっぱい食べることができます。
学校菜園を充実させ、学校給食を自分たちの力で安定的に実現するにはどうしたら良いのか話し合ったり、農業や栄養の知識を得るために講習会を行ったりして、少しずつみんなで進んでいきます。下の写真は話し合いをしているところです。
そんな様子をお話しします。エクアドルに行ってこの事業を担当してみたい、日本で事業に関わってみたい、何か自分にできることがあったら、えくアドルについて知りたいなどなど、ぜひそんなみなさんのご来場をお待ちしています。
私たちは小規模な、市民ボランティアで支えられている会ですが、新しい一歩を踏み出そうとしています。私たちに必要なのは、いずれ職業として関わってみたいという方から、日常生活の傍らボランティアとしてやってみたいという方、インターンをやってみたいという学生さん、元協力隊やエクアドルを好きな方、初めてだけど興味がある方などなど多様な方々です。
エクアドルや中南米と関わる企業の皆さんにも、ぜひ社会貢献として関わっていただきたいと願っています。
私たちは小さな会ですが、これから伸びていきます。ぜひ、私たちの会の話を聞きにおいでください。






すぎのこ保育園訪問

11日はすぎのこ保育園を訪問しました。すぎのこ保育園は0歳児から5歳児までの子ども達を保育している保育園です。0歳児クラスから5歳児クラスまで6つのクラスがあり、職員数16人で保育士さん15人です。0歳児は子ども8人に保育士さんが3人、1歳児は12人に3人、2歳児は12人に2人、3歳児は15人で1人、4歳時クラスは12人に1人、5歳児クラスは15人に1人という配置で国の基準よりも良い状況で保育しています。エクアドルでは、3歳児未満の子ども達が保育園の対象ですが、10人に1人の保育士の数が基準とのこと、3歳児以上は学校教育の範疇となり、小学校の基準となります。羨ましい数ですねとアンドレスさん。私立の保育園に対しても国の補助があることなどはエクアドルでは考えられないとのことでした。
まず調理室での準備の様子を見学し、0歳から5歳まで保育室を見学しました。3人は年長のクラスで子ども達自身が配膳しているのをみて、こんな小さな頃から配膳や片付けもできる様子に、こういた経験の積み重ねが小学校につながっているのですねと感心していました。
その後、事務室でこの日の食事(鶏の唐揚げやじゃがいもの煮付けなど)をいただきました。食事の後は管理栄養士の話を聞き、食材はできるだけ地産地消にしていること、季節の食材を使っていることなどの話や、嫌いな食べ物も友達と一緒に食べると食べられるようになるとの話を聞きました。
理事長さんを始め、園長先生、栄養士さんや保育士さんに大変丁寧に対応をしていただきました。ありがとうございました。また、英語通訳の水澤さんにもご協力いただきました、ありがとうございました。

放課後の子ども達ー学童保育所を訪ねて

10日は原市場小学校訪問の後、校長先生のご案内で学校のすぐ近くにある原市場学童保育所かたくりクラブを訪ねました。右写真は学童保育所で撮影しました。真ん中が校長先生です。校長先生は大変気さくな方で、学童保育所の指導員の方々とも懇意にお話をされていました。日頃からよく訪問されている様子が伺われました。

 子ども達が帰ってくる前に指導員の河野さんにお話を伺いました。写真の右から二人目が河野さんです。
学童保育所に通ってくる子ども達は70人を超えています(通常は40人が定員だそうですが、できる限り希望を受け入れるために、これだけの数の子ども達を受け入れているそうです)。小学校に通う子ども達の半数近くです。ここは学校とは違い、教育の場ではなく家庭に代わる場所、何よりも子ども達が安心して心地よくいることができる場であることを一番大切にしていると河野さん。メンバーは、70人以上いる子ども達をどの様に受け入れているのか、決まりがあったり入所の条件があるのかと質問がありました。ここには決まりも入所のための条件もありません。では、例えばいじめが起きた時はどうするのかとさらに質問が。そのために指導員は常に子ども達の様子を観察し、必要な話かけをして、問題が起きたときや起きそうな時は話し合いをしているそうです。いじめをする側にも必ず理由や原因があり、色々なストレスを抱えていることもあります。そういった一人一人の子どもの抱えている問題を理解し、どの様に解決していけるのか一緒に考えていますという話がありました。
メンバー達は、学童保育所のになっている役割の幅広さや、この様な場がほとんどの小学校校区にあること、こうした場の提供に行政が責任を持っていることに驚いていました。
やがて学童お保育所に帰ってきた子ども達は、先ほど会った人たちがいることに大喜び。3人は子ども達に囲まれていました。

2019年10月11日金曜日

飯能市立原市場小学校訪問

 3校目の訪問は、少し山間部にある原市場小学校でした。この日はいつものメンバーに加えて、JICA東京のSANE担当者の矢嶋さんも同行しました。
まず、学校全体のお話を校長先生から色々伺いました。その中で、学校応援団という組織があって、保護者や地域の皆さんが学校のために学校菜園や学習塾などいろいろな取り組みをしていることを知りました。特に学校菜園は、エクアドルで私たちがやっているのと同じような取り組みで、メンバーは驚くとともに大変共感したようでした。


また、授業をやっている様子を見せていただき、先生方が子どもに丁寧に教えている様子や、障害児学級で一人ひとりの子どもにあった指導をしている様子などを見せていただきました。1年生の算数の授業では足し算を丁寧に、そして楽しく、子ども同士の助け合いも促しながら、理解を自分の手元で可視化する算数セットを使いながら進めている様子が大変興味深く、JICAエクアドル職員のアンドレスさんは、エクアドルでもいかせたらと感想を述べていました。また、エクアドルでは障害を持っている子ども達は他の子ども達と同じ様に教室にいるけれども充分に障害に対応はできておらず、手厚い教育ができている原市場小学校の様子に大きな感銘を受けた様子で、これこそがインクルーシブな教育だと感じていた様子でした。
また、教室で一緒に給食を食べ、直接子ども達と話ができ、これも素晴らしい経験となりました。メンバーも言葉の違いを超えてすっかり子ども達と仲良くなりました。
また、朝食を食べてこなかった子ども達がいることもわかり、日本でもエクアドルと同じ様に給食が重要な役割を果たしていることがわかりました。栄養教諭が給食準備の時間や片付け時に教室を回り、子ども達と直接触れ合っている様子や、毎日食材についての情報や献立のレシピを欲しい人は持っていける様に準備していて、その細やかな配慮に感銘を受けました。
学校は調理室を持っていて自校給食を行っていますが、お隣にも規模の小さな学校があるため、2校分の給食を作っています。けれどもその質を落とさないために、温かいまま運べるようにしたり、食器を先に運び、調理したものは直前に運ぶなど工夫をされていました。
学校の温かさを感じる訪問となりました。校長先生をはじめ、原市場小学校の皆さん、大変ありがとうございました。



台風到来に伴い、JICA地球ひろばにおける活動報告会は14日に変更です!

JICA地球ひろば活動報告会は下記の通り変更しました。
10月14日午後3時半〜5時半


問い合わせ先:info@sanejapan.org
JICA地球ひろば:https://www.jica.go.jp/hiroba/



2019年10月10日木曜日

飯能で活動報告会開催される

9日は午後6時から飯能市民会館においてSANEの活動報告会が開催されました。30人を超える人達が集まり、大変熱心に3人の話を聞いてくださいました。
初めて現地の話を聞く方も多く、会場には熱気がありました。
鈴木理事よりSANE(サネ)の紹介があり、その後ダーウィンが現地から見た会のあゆみ、創設当初からの奨学生の活動の様子、SOJAE(ソハエ)で活躍している卒業生の奨学生(中高校生)時代の様子など多くの写真を見ながら紹介がありました。そこに写っているメンバーも含めてみんな若かった!と会場の皆さんの笑顔が見られました。ダーウィン自身の成長の写真も新鮮でした。また、現地経理を担当しているダーウィンのJICA事業紹介もありました。
その後、JICAエクアドルのアンドレスさんから子供の栄養不足という問題を抱えているエクアドルにおけるSANE /SOJAEの活動の重要性についてのお話をしていただきました。
パオラは『もし奨学生になっていなかったら、もし皆さんのご支援がなかったら、今の私はありません』
という言葉で話を始めました。彼女の家は貧しく学校に行く交通費や教材のお金を払うのが困難でした。そのような彼女がこの支援を受けたことで、経済的に助かったというだけではなく、大きな支えを得たこと、そして学業を頑張って、1番の生徒だけがなれる旗手を務めることができたことは大きな自信につながったと話しました。高校卒業後、ドイツの奨学金を得て大学を卒業し、今はその奨学金を出しているNGOの職員として仕事をしています。家族や親戚の中で大学を卒業したのは彼女が初めてでした。卒業式の時のたくさんの親戚も集まって喜ぶ姿が写っている写真は印象的でした。
『今、多くの卒業生がボランティアとして仕事をしています。この一人ひとりの後ろにはそれぞれの歩んできた人生があり、家族がいます。みんなが日本の皆さんの支援に深く感謝をしています。』と彼女は話しました。
彼らの話の後、交流の時間を持ちましたが、多くの人たちが彼らと親しく話をしていました。二人はカヤンベと帰途の奨学生担当もしているので、いつも文通をしてくださっている会員の皆さんは相手の子どもの様子を聞くこともできたようでした。

小島農園を訪問

農業はどうあるべきなのか、これはエクアドルだけではなく私たちにとって大変大きな、大事なテーマだと思います。
エクアドルでは農業といえば大変だ、農民は貧しいという認識が定着していて、子どもを持つ農家の親達は、子どもにはできれば違う職業を持って欲しいと考えています。私たちが活動しているカヤンベの村の学校の子ども達は、その多くの家庭が農家、または元農家(今は街に出て賃金労働をしている)です。カヤンベは元々農業と牧畜の盛んなところで。かつては自給自足に近い状況でしたが、農業は縮小しているのが現実です。『農業の大事さ、良さ、可能性を子ども達に知って欲しい』というのはSANEの願いですが、厳しい現実を暮らしている子ども達にそれをどのように伝えるのかは大変難しい現状です。それは日本の経験を重なるものがあります。
今回のツアーでは、ぜひエクアドルの3人に新しい農業の一つの例を知って欲しいと、飯能市で頑張っている小島さんをお尋ねしました。そしてどんな農業をされているのか、どのように成功されているのかを伺いました。
実際に畑を見せていただきながら、小島さんにお話を伺い、色々な質問をさせていただきました。元々はIT産業にいた小島さんご夫妻が、必ずしも幸せを感じてはいなかったこと、病気がちであったこと、農業に関心があったことなどから転職を決意したお話、農薬も肥料も使わない農業、自然の力を信じ、そこから学び、常に研究と努力を重ねてきたこと、今の暮らしぶりなどのお話は私たちにとって大変インパクトの強いものでした。そして生産者と消費者が直接繋がることが、色々なハードルを乗り越えることができる強い力となることがよく理解できました。小島さんからいただいたメッセージの一部を紹介します。
〜農業を始めて変わりました。まず、たくさんのお客様と直接つながりました。地域のレストランとつながり、納豆屋さんとつながり、商店街で頑張っている人たちとつながり、地元の農家さんたちともつながり、地縁が増えて、飯能で頑張っている人たちのことをいっぱい知るようになりました。〜
質素に暮らせば、そんなにいっぱいお金を稼がなくても、家族で仲良く幸せに暮らせることを知りました。こどもたちがお母さんと一緒にいたいと思うとき、一緒にいることができます。農業を始めて、小さな幸せがあちこちにあります。赤ちゃんを背負って畑仕事をすると、冬はとってもあったかいです。こどもとずっと一緒にいれるのが大変なときもありますが、とても幸せです。3番目の子が始めて立ったとき、みんなですごいね!って喜びました。寒いときに、火を焚いてさつまいもを焼いて食べる幸せ。暖かくて甘くて、火は暗闇で美しく、幸せになります。 エクアドルでも、小さな幸せがいっぱいの暮らしが、これからも長く続きますように。日本では失われてしまったものを、今私たちは発信して、氣がついた人が幸せな暮らしに戻ってきたらいいなと思っています。〜

飯能第一中学校を訪問

9日は飯能市立飯能第一中学校を訪問させていただきました。最初に栄養教諭の斎藤先生から給食のプロセスについてのビデオを見せていただき、お話を伺いました。昨日はガラス越しに見せていただきましたが、通常中に入ることはできません。ビデオでは食材を納入する業者さん達の姿や、調理の様子が描かれていて大変興味深く見せていただきました。このビデオをエクアドルで見て欲しいのでいただけないかとお願いしたほどでした。メンバーからは栄養教諭が担当している栄養教育とはどのような内容なのかという質問が出されました。これに対して、家庭科や体育の授業の中で通常の先生と一緒に栄養素について、あるいは健康と栄養について授業をするという答えがありました。例えば、家庭科の授業の中に、献立を考えるという内容があり、その時に栄養教諭が授業に参加して話をされるといった活動をします。メンバーは、家庭科という教科があることや、栄養教育の中身にとても関心があるようでした。
その後、全クラスにお邪魔して給食の様子を見学しましたが、全学年を見せていただいたことで1年の成長が非常に大きいことがよくわかりました。教室の掲示物などにも関心を持って見ていました。また、理科室、被服室、調理室などの特別教室なども見せていただきました。
校内では生徒の皆さんが集まって、近づく合唱コンクールの練習をしていたり、給食の片付けをしていたり、元気な生徒達の様子を見ることができました。
上の写真は、校長先生と一緒に校長室の前で撮影したものです。下の写真は先生と一緒に食べる給食の様子。メニューはみんな大好きなカレーでした。
今回の訪問も大変興味深く、新しい発見があるものとなり、メンバーにとって大きな学びになりました。校長先生を始め、飯能第一中学校の皆さん、大変お世話になりありがとうございました。


2019年10月9日水曜日

飯能市立飯能第一小学校を訪問

10月8日はエクアドルから来た3人と、JICA事業チームメンバーや理事が、飯能第一小学校を訪問し、給食の様子を視察しました。市教育委員会、校長先生や栄養士さん達が温かく迎えてくださいました。玄関には素敵な看板が立てられていて感激しました。

 はじめに給食室を見学させていただきましたが、この学校の給食室は、正面の全面がガラス張りになっていて、中で調理師さんたちが仕事をしている様子がよくわかります。
作っている給食の数は760食。これだけの給食を時間通りに作り上げるために朝7時ごろから働き始め、テキパキと役割分担をして動いています。
私たちは中の様子を見せていただきながらいろいろ質問をし、栄養士さん達が答えてくださいました。
その後、1年生の教室で準備している様子、食事、片付けまでを見せていただき、最後に給食室で食器洗浄の様子も見学させていただきました。
まだ入学して半年しか経っていない子ども達がそれぞれ役割分担を理解して動いている様子に日本人の私たちも驚きました。高校の教師をしているダーウィンは「日本というと、清潔で、秩序立っているというイメージがあって、自分も日頃生徒にそうしなさいと言ってきたけれど、言葉だけではそうならない、日頃の行動の積み重ねですね」と感想を言っていました。
校長室では、食材はどこから買うのか、メニューはいつ、どのように、決めるのか、経費はどのくらいかかるのか、誰が出すのか、給食費を払えない家庭もあるのかなど多岐にわたる質問が出され、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。
飯能第一小学校の児童の皆さん、校長先生、教頭先生、栄養士さん、調理師さん、担任の先生方、教育委員会の担当の先生方、私たちを温かく、迎えてくださり、訪問の目的をかなえるために努力してくださった全ての皆さん、ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。






2019年10月8日火曜日

ダーウィンとパオラ日本での研修始まる!

 予定通り到着した二人はそれぞれのステイ先での生活を始めました。
7日、パオラは埋蔵文化センターにて縄文土器の復元体験をし、生け花を教えていただきました。

ダーウィンは飯能市のにこにこハウスを訪問し、みなさんに温かく迎えていただきました。にこにこハウスは精神的な病気を抱える人たちが社会参加をするためのレストラン。まちの皆さんの集まる暖かな場所となっています。そしていつもエクアドルの子どもたちの応援をしてくださっています。皆さん「ダーウィンがきた!」と大喜びしてくださいました。

二人とも長旅の疲れも見せず元気です。

8日から学校訪問が始まります。訪問の目的は、日本の学校給食を学ぶことです。
8日は飯能第一小学校、9日は飯能第一中学校、10日は原市場小学校と学童保育所、11日はすぎのこ保育園を訪ねます。17日には自由の森学園も訪問します。

また、小島農園、ひより農園を訪ねます。カヤンベ市では学校菜園と学校給食事業を行なっているので、参考になるような学びを期待しています。

彼らの話を聞く会
10月9日 午後6時より  飯能市市民会館
10月12日 午前10時より JICA


2019年10月5日土曜日

ダーウィン、パオラ、日本に向けて無事に出発

いよいよソハエのスタッフで元奨学生のダーウィンとパオラがやってきます。

昨日はエクアドルで燃料費の値上げに反対するストライキが大規模に行われ、交通ストップしてしまったため、二人の出発が懸念されましたが、無事にエクアドルを出発し経由国に到着したようです(二人は別の便できています)。月曜日には飯能市に到着し、火曜日から学校訪問を行います。そして、2回の会を予定していますのでみなさん、どうぞ彼らに会いにお出かけください。

9日18時より 飯能市民会館会議室 
12日10時より JICA地球ひろば(市ヶ谷)

両日とも奨学生の様子やJICA事業の様子を二人から聞いていただけます。身近に現地の状況をお聞きいただけたらと願っています。

2019年10月4日金曜日

エクアドルでストライキ

6日、7日にエクアドルのメンバーが日本に到着する予定になっていますが、エクアドルが今大変なことになっています。以下、情報を共有したいと思います。

103日(水)未明より、103日本日から施行される揮発油・軽油価格の値上げ(補助金削除)に反対する交通機関(タクシー、バス)や各団体等によるストライキが、エクアドル全土で発生しています。
キトやグアヤキル等の都市部では、ストライキ実施側の団体等により主要道路が封鎖され、一部の地域では公共の場所に群衆が集まりタイヤが燃やされるなどの状況が発生しています。キト国際空港については閉鎖されていませんが、空港までの道路が閉鎖されており、空港にアクセスできない状況です。

到着が遅れてしまうと学校訪問などに影響があります。メンバーの無事の出発と到着を祈りたいと思います。