2011年8月28日日曜日

SANEの学校菜園事業(1)
















カヤンベは赤道直下にありますが、アンデス山中の標高2500m位から5000mを超す高地のため、1年を通して冷涼な気候です。


歴史的に農業地域として、ここに住む先住民たちを中心に農業を営んできました。そんな生活が大きく変わったのは1990年代。そのひとつの原因は、コロンビアからバラの生産農場が移転してきたためです。バラ農園に土地を売ってしまった、農園に勤めれば現金収入が簡単に得られる、農業では子どもを教育できない・・などといったことから、人々は少しずつ外に出て働くようになりました。


以前はどこのうちでも自給に近い暮らしをしていたのですが、現金収入を得て、食べるものを買うようになっていったのです。ある女性は語ります。「お金をもらって、何を買っていたのか・・・コーラ、パスタ・・考えてみたら体に良いものを売って悪いものを買っていた」そしてそれに気付いたのは教育を受けたからだと言います。彼女は結婚して子どもを持ってから、自分に教育がないことがやりたいことができない原因だったと気づき、奨学金を得て高校に行ったのでした。


私たちの会は、こうして失われて行った伝統農業を取り戻そうと、地元の教育委員と協力して、小中学校での農業教育に取り組んできました。写真はロッテドスとピタナアルトの学校菜園です。子どもたちは学校で野菜作りを学び、採れた種子を持ち帰り、家でも栽培しています。保護者も協力して学校の土地をつかって野菜を育て、学校給食を豊かにしています。

2011年8月24日水曜日

飯能でエクアドルのコーヒーが飲める



飯能市民活動センターでエクアドルのインタグコーヒーが飲めます。



このコーヒーは、SANEが活動している地域のすぐ近くにある、インタグという地域の森の中で栽培されているコーヒーです。インタグは雲霧林と呼ばれる原始林のある地域。ここには豊富な鉱物資源が眠っています。この資源を開発することによって公害のリスクを負うよりも、自然と共生していく道を選択した地域の人々は、森の中でコーヒーを栽培し、農園組合を作り共同出荷することで経済的な自立を果たしました。(写真はインタグ地方)



このコーヒーの質は国際評価でA+、最高級です。そしてほとんどが日本にフェアトレードで輸入されています。このコーヒーを飯能で売り続けて10年余。毎月買って下さっているファンもたくさんいます。売り上げはSANEに寄付されエクアドルの子どもたちへの教育支援となります。



活動センターにある喫茶店モナミは障害者の方たちの社会参加のための喫茶店です。おいしいカレーやちょっとしたデザートが売り。そこで、このインタグコーヒーが好評です。



みなさん、モナミでちょっと一息いれませんか。

2011年8月18日木曜日

カヤンベ奨学生の活動



SANEの奨学生たちは、社会的な活動を行っています。カヤンベ支部の奨学生の活動テーマは、セクシュアリティ。奨学生たちが同じ年代の村の若者たちと共に、愛の表現や男女の関係、社会での性に関する問題などについて考えていきます。



写真は6月11日にロッテドスという村で行った活動の様子です。ここは標高が3400mくらいあるので、赤道直下とは思えない寒さ。12歳から16歳の先住民青年たちに話しかけている奨学生たちです。



お分かりのように、エクアドルには、混血の人たちや先住民族の人たち、あるいは黒人や白人がいます。こういった色々なルーツを持つ人たちが、一緒に活動することは、差別のない社会を作るためにもとても大切なことです。

2011年8月6日土曜日

原爆の日に思う

今日は66年目の広島への原爆投下の日です。そして、3月11日の東日本大震災とその後の原発の問題によって、日本は再び放射能の災禍に見舞われました。

3月以来、私たちはどう生きていったらよいのか、そしてSANEとしては、なぜエクアドルに関わって仕事をしているのか、といったことを考えてきました。中には、こういう時だからこそエクアドルの子どもたちへの支援を休まずに続けてほしいと応援して下さる声もありました。思い返してみると、阪神淡路大震災の時に、西宮に住んでおられる会員の方にお見舞いの電話をした時、その方は仮設住宅にいながらも、私たちは大丈夫、エクアドルの子どもたちへの寄付を今年もしたい、と言ってくださったのでした。今回は、エクアドルの奨学生やメンバーたちが、日本のためにバザーをやってくれました。石巻の中学生の作った紙芝居をスペイン語訳をしてエクアドルに届けました。日本ではエクアドルを思い、エクアドルでは日本を思う・・そういった絆があるのです。

エクアドルは自然の豊かな農業の国です。この国と関わる中で、この国の貧しさが、実は裏側に住む日本の『豊かさ』につながっていたことに気付かされます。エビの養殖で伐採されたマングローブの木と汚れた海、石油の開発で公害に苦しむ人々・・。あるいは、日本の地方の問題を探っていくと実にエクアドルの抱える問題と同じ根を持つことにも気づかされるのです。地域の過疎化や都市との格差、地域文化の喪失、農業の困難さなどなど枚挙にいとまがありません。

SANEは小さな会です。少しずつできることを探りながら進んできました。そして、今だからこそなお思います。世界はつながっている。違う人々がこうやってつながって、信頼関係を築いていくことが、平和で本当の意味で豊かな社会に近付けるのだと。

明日に向かって、よりよい社会を築いていくために、どうぞご一緒に。

リーダーを育てる

エクアドルの子どものための友人の会では、中高校生のための奨学生プログラムを実施していますが、じっくり時間をかけて育ってきた子どもたちは、やがて高校卒業期を迎えると、当然のように専門教育を希望するようになります。
今現在も多くの卒業生が、困難を乗り越えて医学、経済、情報、機械工学、警察学校など多様な分野で学んでいます。エクアドルでは国立大学の授業料は無償になりましたが、それでも学業に必要な経費は重くのしかかってきますし、多くの人に開かれたということでむしろ入学が難しくなってしまったという現実もあります。また、高校卒業前から家計を支えて働いている奨学生もいます。当然大学に行きながら多くの子どもたちは働いているのです。
エクアドルの子どものための友人の会(SANE)では、こうした大学や専門校で学ぶ青年たちを応援するために、専門家育成事業を行っています。この事業は『大学は基礎教育ではないのになぜ支援するのか』『どんな青年を対象にするのか』といった議論を呼んできました。そして現在、SANEはこの事業を無利子の貸与を行う奨学金として、広く多様な分野で学ぶ元奨学生に支給しています。同時に、医学など緊急の必要性には独自に対処しています。広い教育支援と同様に、地域社会を支えていく良きリーダーを育てることが大きな課題だと考えているからです。

SANEは、この事業への支援を広く呼び掛けています。ご寄付、ボランティアとしてこれに関わる活動をしたい・・という方、ご連絡をお待ちしています。

2011年8月4日木曜日

子どもたちの文通相手を募集しています!

エクアドルの子どものための友人の会は、中・高校生への奨学生プログラムと、カヤンベというアンデス農村地域での学校を中心とした教育環境改善プログラムを中心に行っています。

奨学生プログラムでは、経済的に困難を抱えたエクアドルの中・高校生に毎月奨学金を支給し、学習、生活支援や社会的な視野を育てていくための様々な活動を行っています。彼ら自身がボランティア活動も行います。
また、日本の会員の中の希望者が『パドリーノ(男性)、マドリーナ(女性)』となって、一人の奨学生と文通による交流を行います。パドリーノ、マドリーナになると、相手の奨学生から毎月手紙が届きます。手紙はスペイン語なので、希望者には翻訳ボランティアが翻訳をしてから届けられます。そして、パドリーノ、マドリーナからも時間がある時に返事を書いていただきます。
このようにして、高校卒業まで一人の子どもの成長を見守ります。文通を通して深い交流が育っていきます。

今、エクアドルでは新学年が始まろうとしています。今年の新しい奨学生は9人。この子どもたちのパドリーノ、マドリーナになって、一緒に成長を見守っていただけませんか。ご連絡をお待ちしています。