2023年6月11日日曜日

ヒメナさんのお料理教室

 本日、ヒメナさんのお料理教室は定員いっぱいの12人で開催され、美味しく楽しい時間を過ごすことができました。お料理も良かったのですが、エクアドルの季節の行事と料理の話も興味深いものがありました。ヒメナさんは、温かい雰囲気を喜んでくださり、公民館の窓から見える自然の美しい景色を楽しみ、飯能をとても気に入ってくださったようでした。ヒメナさんが書いたエクアドル料理の本もたくさん売れました。※お求めはサネ事務局まで。

サネのイベントは文化的な交流を通して人のつながりを作ります。






2023年6月7日水曜日

サネビジョン4月号掲載

 SANEVISION No.131(2023年4月号)を掲載しました。

ご覧ください。

サネが認定NPOに

SANEが認定NPOとして認められ、今月16日より登録されることになりました。エクアドルと日本の子ども達、両国の友好のためにも気を引き締めて頑張って行かねばとみんなで心新たにしております。

今後ともよろしくお願いいたします。



2023年6月4日日曜日

サネの文通事業ーたくさんの人々の協力の賜物!

サネは開設当初から34年間、一貫して現地の奨学生(中高校生)とサネ会員の間で毎月一回の手紙交換を行ってきました。現在奨学生事業を行っている国際協力組織がどのくらいあるのかわかりませんが、一時は奨学生事業が限られた人への特別な支援となっていることへの批判があったりして、数が減ったり、または、地域全体を対象に学校に行かせれば奨学金をあげるというように形を変えたり、変化があったのではないでしょうか。そのような中で、サネは一貫して、会員の会費の状況を見ながら一定数の中高校生への奨学金の授与と毎月の講座の開催をはじめとした支援、サネ会員との手紙交換の形を保ってきました。現在は36人の奨学生がいます(この内1名は現地ソハエの資金で奨学金を出しています)。

サネの会員は130名前後を継続しています。対象国がエクアドルと限られていることや、エクアドルが日本にとって注目度の高くない国だt路いうこともあって、大きな変化がありませんでしした。定期送金額は年間300万円程度で、国内活動費用もそう多くはありません。この額でやってこられたのはほとんどのメンバーがボランティアでやっているからです。特に奨学生事業で尽力くださっているのが、奨学生部会のスタッフと翻訳者です。

簡単に図にすると下記のようになります。


ソハエの奨学生担当には毎月280ドル程度(3万〜4万円弱。正規雇用の最低賃金が約450ドル)で仕事をしてもらっていますが、国内の方は全員がボランティア、無償で活動をしています。

奨学生担当者の仕事は下記のように非常にたくさんあります。

① 毎月の現地との会議で奨学生の様子を聞き、奨学生講座をはじめとした事業運営について相談

② 国内の文通希望者の募集と決定

③ 現地の新奨学生の決定(承認)と情報の受け取り、翻訳、文通相手や翻訳者との組み合わせの決定

④ 翻訳者や文通相手との日常のコミュニケーション

⑤ 毎月手紙を現地から受け取り、翻訳者や文通相手に転送、その逆に、文通相手からの手紙を現地に送付を始めとした文通に関する管理事業

⑥  文通関係者の交流会や現地奨学生と文通相手の方々の交流会の開催

⑦ 奨学生年間報告の翻訳を始めとした各種文書の翻訳

⑧ 卒業生の動向を把握し、報告

⑨ 広報活動

毎月の手紙の翻訳をしてくださる皆さんの地道な活動もそうですが、奨学生担当者の献身的な作業はまさにサネを支えているとも言えるでしょう。奨学生担当者、翻訳者、文通相手の皆さん、奨学生資金を出しているすべての会員の皆さんが、お互いに感謝の気持ちを持ってそれぞれの役割を果たしていってくださっていることに改めて感謝の意をお伝えしたいと思います。

上記の活動の中の一つでもお手伝いいただける方がおいででしたらぜひ、ご連絡ください。この活動は、一人一人の奨学生の成長を、高校を卒業し社会で活躍していけるように、みんなの協力で見守っていくという、夢のある活動です!

2023年6月2日金曜日

ジョセリンとの交流に思う、サネの奨学生事業の価値

 27日は総会の後で現在日本に留学中の元奨学生でJICA事業でスタッフとして活躍したジョセリン・コヤゴとの交流がありました。

ジョセリンは今の自分があるのは、まず母のおかげですとお母さんとの写真を示しながら話しました。お父さんも兄弟もいないため、母一人子一人の生活で母娘のつながりには強いものがありました。けれども、農業を学びたいと国の奨学金を得てホンジュラスに留学し、母娘は離れて生活をするようになりました。厳しいホンジュラスでの大学生活を経て農業技師となって帰国。その後JICA事業の現地スタッフとなってサネの活動に参加することになりました。この時の学びもベースとなってアジア学院への留学を考えるようになったのでした。

彼女がサネの奨学生だった頃の文通相手(マドリーナ)は雛形さんという女性でした。雛形さんは手紙の交換を通していつもジョセリンのことを思いやり、彼女の成長を願ってきました。彼女が自分の好きな道を歩めるように、そしてその中で少しでも社会貢献ができる仕事に就けるようにと手紙の中で語りかけてきました。一方で彼女がお母さんから精神的に自立していけるようにということも常に願っていました。卒業後も間隔は開いたものの手紙交換は続き、雛形さんは常に彼女の成長を見守っていました。そしてとうとうこの日二人は直接会うことができたのです。

*私(杉田)は偶然にもこの二人の手紙交換を、翻訳者としてやり取りの全てを見守ってくることができました。サネの翻訳ボランティアは表に出ることはない黒子でありながらもこうした人生の立会人になれるのです。幸せなことです。

アジア学院での学びについても彼女は語りました。3年間のJICAの事業を通して、一つのことを成し遂げるのは一人の力ではなく、みんなの協力が大事なんだと学んだこと。だからこそアジア学院で学びたいと思うようになったことーアジア学院は何よりもチームワークを大事にし、一人一人が農村で活躍するためのリーダーシップを育てることを目標としていますー、4月からの日々の研修(朝起きてから夜寝るまでの全ての生活が研修なのです)ですでに多くのことを学んだそうです。彼女の顔は生き生きと輝いていました。将来はエクアドルに帰って地域の発展のためにいろいろなことに挑戦していきたいと夢を抱いています。

写真は雛形さんとジョセリン。中央は当日通訳を務めてくださった受田理事です。


ジョセリンは最後に右の写真をみんなに見せました。今年の春アジア学院で撮った写真だそうです。そして『日本の桜を見ることは、私の長い長い間の夢でした』と語った途端に溢れる涙。『桜が見られてとても嬉しかったです。でも、今日ここにきて、私が本当に見たかった、会いたかったのは桜よりも、ここにいらっしゃる皆さんだったとわかりました。私を長い間支援してくださったこと、私を信じてくださってありがとうございます』会場全体がとても温かな感情に包まれ、涙、涙の瞬間でした。サネの奨学生事業の良さをみんなが感じることができた日でした。
サネの奨学生事業は気の遠くなるような時間と手間をかけて一対一のお付き合いを積み重ねていきます。翻訳者の翻訳作業、奨学生事業担当スタッフの現地との打ち合わせや文通作業、文通相手の皆さんの毎月の手紙を通した交流といった地味な作業が長い場合には6年間継続するわけです。それが一人の子どもにどれほどの影響を与えられるのか、それはわからないのですが、これからもこの努力が続くのでしょう。私たちがこの活動を通して得られるものもまた大きいと感じた1日でした。

サネ総会のご報告

5月27日のサネ総会は、24名の参加でサネの総会が開催され、昨年の活動報告と今年の方針が承認されました。

サネは今認定NPO取得を目指して努力中です。認定NPOは行政が高い水準で認める非営利の組織で、寄付して下さる方には税金の還元があります。サネは会員制度がしっかりしており、自己資金で現地事業の継続ができる組織ですが、大変多くのボランティアの貢献で支えられています。この良さを維持しつつも、より厳しい社会を生きる若い世代に無理なく参加してもらえるように、専門家に頼れるところは頼り、継続的に活動しているスタッフには報酬を出せるようにしたいと考えています。そのためにも認定NPO取得を実現したいと考えています。

その上で今年度の3つの活動方針を設定しました。

1. 現地組織の主体性を大切にして、二つの現地事業を共に行っていく

2. SDGsワークショップを始めとした飯能市での活動を通して国際協力組織としての役割を果たしていく

3. 来年の35周年をひとつの節目としてこれまでの活動の成果を明らかにしてみんなで共有していく

これからもどうぞよろしくお願いします。

現在アジア学院に留学のため日本に滞在している元奨学生のジョセリン・コヤゴ(写真中央)と一緒に。