エクアドルは、2020年3月以来対面授業ができなくなって以来、ほとんどの学校で、生徒が来られない状態で今年度も終わってしまいました(7月に年度が終わります)。新年度は9月に始まりますが、政府は並行授業(週に何回か学校で授業を行う)を始めたいと考えているようです。
私たちがJICAの委託で、学校菜園と学校給食の実施を通した子どもたちの学校生活改善事業を行なっているのは、アンデスの山間部にあるカンガウア地区の5校とオルメド地区の1校の合計6校です。この地域はエクアドルの中でも貧困率(2010年の国際調査ではカンガウアの貧困率は92%でした)が高く、栄養不足の子どもが多い地域です。学校が始まったら栄養不足の子ども達が登校してくると予想されます。こうした子ども達に学校菜園の野菜と給食をできるだけ早く提供したいと私たちは願っています。6校中の3校は先生方も熱心で休業中も活動を途切らせることはなかったのですが、残りの3校は先生方がやっと学校に戻ってきた状態です。そこで、私たちは現在コロナ対応追加事業をこの3校を対象にしてJICAに申請をしています。追加事業は消毒剤の提供、子ども達への衛生教育、そして全ての保護者に向けた給食実施のための講習会です。
その前に、まず、衛生的で効果的に使える手洗い場を設置したいと彩の国さいたま国際交流基金に申請をしました。これは、上記の事業が遅れている3校(カルロスアンドラーデビセンテ校、ルイスウンベルトサルガド校、グスタボアドルフォベッケル校。いずれも生徒数が200人〜250人)に各校3ヶ所ずつ5つの蛇口がついた手洗い場を設置するというもの。今の手洗い場は、あっても蛇口が盗まれてなくなっている、清潔でない、蛇口の位置が高すぎたり遠すぎて小さな子ども達は使えない、場所が悪い、などの理由で使い物にならないものが多いのです。右上の写真はカルロスビセンテアンドラーデ校の現在の手洗い場です。下の学校の図の青で示されているのが現在ある蛇口の位置です。図の右上、トイレの裏に設置されています。蛇口の位置が高くて使いづらく、また、トイレの裏の不便な場所にあることがわかります。注:bañosとあるのがトイレ
赤い印が新しくつけようとしている場所です。矢印は生徒が登校してくるところです。学校に来たら手を洗い、教室の近くで食事の際に手を洗えるように考えられています。
上の写真が設置予定の手洗い場と同じタイプのものです。
この事業の予算は約40万円。この内、埼玉県には約20万円を申請しています(半額申請が決まりとなっています)。ご覧のようにほとんどが手洗い場そのものにかかる金額です。
事業予算合計 393,400円
(内 訳)
(1)派遣諸費 JICA負担のため計上せず
(2)事業費(原材料費) 339,900円
(3)事業費(通信運搬費) 31,500円
(4) 人件費 22,000円
国際協力基金申請額 196,700円(半額)
残りの20万円をSANEが用意しなくてはなりません。ぜひ、皆さんのご寄付をよろしくお願いいたします。