2020年12月20日日曜日

エクアドルのCOVID-19と学校の状況

 エクアドルのCOVID19感染者数は増減を繰り返しながらも、日本でもニュースになったピーク時の30%程度になっているようです(12月18日754人coronavirus en Ecuador)。一番多いのがSANEの活動地でもあるピチンチャ県です。人々の間にはまだ強いコロナウイルスへの恐怖心があります。

政府は現在のところ来年1月から通常の学校での授業に戻る準備をするようにと伝えたようですが、そのためには定められた基準をクリアしなくてはなりません。生徒はマスクの着用はもちろん、各自が消毒液を持参すること、学校も手洗い場の設置や消毒など細かく条件が決められ、その上で保護者が子どもを学校にやることに同意する署名が必要です。スタッフのダーウィンはカヤンベ市の中心部にある大きな高校の教師をしていますが、24名ほどのクラスの中で子どもを学校にやることに同意しているのは3人だけだと話しています。山間部の学校でも実の事業校6校のうち3校は教師と保護者は子どもをできるだけ早く学校にやる事で一致していますが、残りの3校は保護者が反対しているそうです。背景には保護者と学校との信頼関係や、保護者にかかってくる経済的負担(マスクや消毒液を買うためのお金)の問題があると推察されます。

それでも、先日6校に肥料が運び込まれ(写真上)、保護者や先生方が学校菜園で仕事をしました。子ども達が学校にくる日のために、菜園での活動が始まっています。

この間、大和証券福祉財団の助成、彩の国さいたま国際協力基金による耕運機の導入(写真下)、ビニールハウスの改修、水道管の設置など学校の先生方も保護者も学校菜園の充実のために休まず仕事をしてきました。1月には学校に子ども達が戻ってこられるようにと願っています。

SANEはここ数ヶ月、コロナ追加事業についてJICAとの交渉を重ねてきました。やっと最終段階を迎え、来年早々には衛生講習会、調理講習会、手洗い場の設置などの事業が実現しそうです。事業の正式決定がされたらお知らせします。

2020年12月19日土曜日

SANEとSOJAEの奨学生事業(3)ー奨学生の選考

 現在の奨学生数は36名、キトとカヤンベにそれぞれ18名ずつです。この奨学生達をどのように選ぶのかについてご紹介します。
基本的に奨学生の選考は現地のそれぞれの支部に任されます。共通している選考条件は、①経済的に困っている家庭の子どもであること、②学業に一生懸命取り組み成績も良いこと、③親でなくても良いので保護者がいることです。
①の経済的に困窮しているという、収入の基準は数字で決まっているわけではありませんが、毎年選ばれてくる奨学生の経済状況を見ると大きな困難を抱えた家庭の子どもであることがわかります。10月13日のブログに今年選考された奨学生の紹介が載っていますが、それによると、ベレン14歳の母はシングルマザーでコロナの影響で仕事を失い、収入は不安定です。メラニー12歳は大家族ですが、収入はコロナで失業した母が始めた商売で得150ドルのみ。アンドレス14歳は両親がいますが、タクシー運転手である父の収入は安定せず、母の収入200ドルが頼り。ベンジャミン14歳の母は現在無職で、祖父母の家に身を寄せており、別居している父の収入は300ドル/月。ブリタニ13歳は花卉農園で働く父の収入はコロナの影響で減っているジェニファー14歳は大家族で、建築の仕事をする父と、牛乳の販売をする母収 入は、大家族の生活には足りない。マガリー13歳の運転手の父はコロナで仕事を失い、母も給料が半分になった。という状況です。現在のエクアドルの最低賃金は394ドル。ここからみても大変さがお分かりいただけるでしょう。
②は学校での成績が基準となっていて、学校からの報告で判断されます。奨学生になった後で成績が下がるとスタッフや先輩(元奨学生)が学習支援を行ったり、家庭的な問題が背景にある場合は相談に乗ったり細やかな支援があります。それでも学習意欲を失ってしまう子どもも時には出てしまい、最終的には奨学生をやめてもらうということになる時もあります。大抵は生活状態の乱れと直結することも多く、現地スタッフも日本側も大きなショックを受ける結果となってしまいます。それでも、限られた予算の中から奨学金も出ており、多くのボランティアが無償で仕事をしているので、どこまでフォローするのかを判断する責任もあります。
③は子どもの成長には保護者が必要であり、SANE /SOJAEの支援では家庭の代わりをすることはできないと自覚しているからです。たとえ貧しくてもその子のために頑張っている保護者が一緒に見守っている中で私たちの奨学生支援はあるのです。
選考のプロセスは、学校のカウンセラーからの推薦書(時には直接親からの申し込みもありますが)を各支部のスタッフやボランティアメンバーで読んで、その中から上記の三つの基準で候補者(定員の2倍くらい)を選びます。その後、手分けをして家庭訪問をし、本人と保護者に会って話を聞き、環境を観察します。この結果を元に再び会議を開き、最終選考をするのです。ここでは熱い議論が展開され、現地メンバーは苦渋の決断をします。
こうして選ばれた奨学生は支部の新しいメンバーとして紹介され、活動に参加していくことになるのです。


2020年12月1日火曜日

SANE /SOJAEの奨学生事業(2) 30年以上続く奨学生支援の形

 10人の奨学生を支援することで始まったSANEの活動は、奨学金の授与と奨学生への講座の開催、奨学生同士の交流や現地メンバーの細やかな支え、そして日本人会員との毎月の手書きの手紙の交換が主とした内容でした。

奨学金とこの事業にかかっている現地の経費

奨学金の授与は、月に日本円で2400円。会員の会費は月に3000円が基本でその8割が奨学金に、後の2割が経費にと最初は考えられていました。会員の会費3000円というのは奨学生事業の維持をするために最低必要な額として定められたのです。ただ、月に3000円は大変と感じる方でも参加しやすいように、1000円でも2000円でも何人かが集まって一人の子を支援すれば良いということで、会費は1000円、2000円、3000円と定められ、これは31年経った今でも変わっていません(ただ、開始当初は3000円会員がほとんどだったのですが、現在は1000円会員が半分以上になっています)。奨学金の額は、現在は30ドル(レートにもよりますが日本円にすると3200円ほど)と少しですが上昇しました。これが奨学生達にとってどのくらいの価値があるかというと、学校の授業料は現在無償になっていますが、通学のためのバス代、文具や学校にかかる経費の支払い、現在はコロナ禍でオンライン授業になっているためインターネットの支払いなどで足りない状態です。このため、SANEは支援をしてくださる皆さんに呼びかけて今年度1年間の奨学金の10ドル追加を決めて送金しています。下の写真はSOJAEの昨年度の予算書です。見づらいかと思いますが、SANEからの毎月の予算が2208.3ドルとなっています。今のレートで約23万円です。これ以外に現地の元奨学生からの寄付もあって、事業総額は月に2258.33ドルです。奨学金の他に直接奨学生にかかる費用と人件費や事務所賃貸経費(キトは日本人補修校に間借りをして無料、カヤンベは支部長のビルに安い価格で間借りするなど、多くの方々の厚意で成り立っています)などがかかっています。人件費も含めて破格の安さだと思います(ただし、政府の規定に従っており、ボーナスや退職手当の積み立ても含まれています)。SOJAEは政府に認められた組織なので会計士の雇用も必要です。破格の安さとはいえ、小規模NGOのSANEにとってこの事業がお金のかかる事業だということがお分かりかと思います。


奨学金の資金に対する考え方

会費を奨学金に、そのほかの経費はできるだけボランティアで、という考え方は長く変わらないままでしたが、現在はJICAの事業も行っており、より責任のある活動が増えています。活動を大きくしたいわけではないのですが、安定した会の活動は求められており、活動を支えていくためにはきちんと国内経費や現地スタッフの給与や経費を考えていく必要に迫られています。社会が変わった今、100%無償ボランティアだけで活動を継続していくことに無理が出てきています。会費を奨学金に、という考えで始まった活動ですが、現在は会費は会の土台を支える活動に、奨学金はSANEの青少年育成に期待する人々や団体の寄付で支えていけないだろうかと模索が始まっています。



2020年11月29日日曜日

SANE /SOJAEの奨学生事業(1) 始まり

嬉しいことに、SANEの奨学生事業に関心を持ってくださる方が増えているようです。

なぜ奨学生たちが卒業後もこの活動に協力するために残るのですか?どうすればそんな子たちが育つのでしょうか?

そんな声にどうお応えすれば良いのか、良い機会ですのでSANEの活動を振り返ってみることにしました。少しお付き合いください。

SANEの創始者であるホセ・アルメイダ(通称ぺぺ、現在72歳)は、貧しい家庭に育ちました。父親のカルロスは非常に賢い人で会社の仕事でパイロットまでやった人でしたが、小学校を2年生までしか行っておらず、どんなに優秀でも学歴がないと会社などで認められることはないと痛感していたそうです。そんなこともあって子ども達は大学まで出て欲しいと願っていました。ぺぺは子どもの頃から母親がアイスクリームを作って道で売るのを手伝ったり、カトリックの学校で奨学金を得ながら自分でも働きながら学校に通いました(カトリックの学校では持つものが持たないものを助けるのは普通のこととして実践されていたようです)。ぺぺも優秀でエクアドルでは一番難しい大学を出て繊維技術者になり先輩の経営する会社で活躍するようになりましたが、技術者になってからも奨学金を得て当時世界的に有名であった日本の繊維技術を2回も学びに来ています。

ぺぺは積極的に自分の可能性に挑戦する性格でした。本を買えずに街で拾った新聞を読んで学んだと言います。奨学金の可能性にも積極的に挑戦をして獲得し、日本以外にもメキシコやドイツにも行っています。貧しい家庭の子と見られていた自分が、優秀な大学を出て技術者となって世の中に認められるようになったこと、カトリックの学校で進歩的な教師からの影響も受けたことなどから、社会を見る目が養われ、教育の大切さを知ります。このことはSANEの奨学金事業の開始に大きなきっかけとなりました。

とはいえ、彼は最初からそのつもりでSANEを作ったわけではありません。1986年に、奥さんのマリリンが飯能市にある自由の森学園に職を得て来日するのについてきた形で(なにしろ仕事も両親も置いてくる形でしたから大変なことだったと思いますが)来日しました。その翌年にエクアドルで大地震が起き、ぺぺも自由の森で教えるようになっていましたので、ここの体育館で復興支援のチャリティーコンサートが開催されました。このコンサートの時に呼びかけた寄付が13万円になり、ぺぺは迷わず母国の父親のカルロスに送ったのです。カルロスは頑固で一直線な人。被災地に行き(実際は元々教室がなかったのですが)地域の人々とともに教室を作ったのでした。この活動が評判を呼び、他の村からの声に応えて翌年もチャリティーコンサートを行い、学校の支援をします。これがきっかけとなり、2年後にSANEは設立されるのですが、SANEは学校建設のための会ではなく、奨学生支援のための会として発足します。

なぜ奨学生事業を行う会としてSANEが始まったのか。それは、無理せず、できることを、確実に、そして息ながく、というぺぺに協力する日本人の思いとぺぺの考えが一致したことが大きかったと思います。一人の子どもを時間をかけて育てていく活動なら、一回の支援で終わるのではなく継続して関わってもらえるということ、ぺぺ自身が奨学金で学んできたこと、そして日本人の教育への信頼感があったのだと私は考えています(私、杉田はSANE創設に関わってはいません。後でインタビューで聞いた話です)。ちなみに、奨学生事業に反対する日本人も何人かいました。その理由は、奨学生事業は一握りの子どもに特権を与えてリーダーを育てることになり、育った子ども達は自分のことしか考えなくなるのではないかという懸念からです。この意見は一理あることに間違いはありません。奨学生事業に反対した人々はSANEに参加することはありませんでしたが、この警告は今も生きています。

また、奇跡のようなことですが、当時自由の森学園にはエクアドル育ちの二人の姉妹がいたのです。彼女達のエクアドルに住んでいるご両親が、ぺぺを応援する日本人の思いに応えるためにエクアドルでの組織づくりと活動に、影となり日向となって協力してくださったことも大きかったのです。

2020年11月26日木曜日

田辺農園バナナは2月に延期になりました

コロナ感染症が第3波で猛威を奮っています。残念ですが、少し落ち着くまで楽しいバナナバザールは延期になりました。

『世界のみんなと手をつなぐ店ふやふや』よりお知らせ

12月6日はバナナ祭りはありませんが、クリスマスを前に、飯能の手仕事作家さんのクリスマスグッズは予定通り販売します。例年エクアドルのクリスマスグッズ(オタバロの方の作品)が評判でしたが、今年はアクセサリーを少し出そうと思っています。コロナ対策に気を配りつつゆったりと見ていただけるようにしたいと準備をしておりますので、お出かけください。午前中は店長がエクアドルコーヒーをいれさせていただきますので、この機会にお試しください。






2020年11月18日水曜日

恒例エクアドルバザールに田辺農園バナナがやってくる!

 

エクアドルバザールは、SANEとふやふや (SANEの教育支援を支え、エクアドル発のコーヒーやチョコレートをはじめとする、オーガニック製品やフェアトレード品を中心とした製品を販売している小さなお店)が、手作りの品々を販売している周りの方々の協力も得て、2ヶ月に一度の割合で開催している小さなバザールです。これまでも会員さんの農園の美味しいぶどうや、さつま芋なども好評販売してきましたが、今回はエクアドルからバナナがなーんと4箱もやってきます。SANEは、エクアドルでもコロナ禍が続いており、仕事を失ったり、家庭での番協を強いられたりしている子どもたち、青年たちへの支援、再び子ども達を迎えられるように準備を進めている村の学校の支援を行っています。こうした活動にご寄付をいただいた皆さんにバナナを差し上げたいと思います。12月6日はパンフェスタと100円市が銀座通り商店街などで行われますが、ぜひブックマークにもお立ち寄りください! チラシの写真は田辺農園の田辺さんです。田辺さんはエクアドルで大変質の良いバナナを作り、地域のの発展にも貢献をしていらっしゃいます。飯能でもベルクなどで売られていますのでご存知の方も多いかと思います。また、飯能市長とカヤンベ市長が友情の手紙交換をしたときにはエクアドルからカヤンベの苗木を遥々運んでくださいました。今回はコロナ禍のエクアドルの子ども達のためにたくさんのバナナをSANE に寄付してくださいました。バナナが届くのは前日です。このバナナが皆さんのもとに届きますように! 

12月6日(日)午前10時〜午後2時半  
                        
              

2020年11月17日火曜日

彩の国さいたま国際協力基金の助成が決まりました

 SANEはJICA草の根技術協力事業(2019年3月〜2022年2月)で、子ども達の栄養状態を向上させるために給食の安定的な提供を目指して、学校菜園を充実させ自分たちで給食を出せるようなシステムを作っていくための事業を行なっています。けれども、この事業の実施のなかで、水の不足や学校菜園の耕作上の問題、調理室の環境の悪さなど様々な問題に直面しています。こうした、JICA事業ではカバーできない課題に対しての助成を模索していますが、今回はさいたま国際協力基金から助成いただけることになりました。学校菜園と調理室の充実のための事業で、現在コロナ禍で長く休校が続き、わずかな人数で学校菜園を維持してきた村の学校に大きな励ましをいただいています。

本事業の対象校は子ども達が学校に来て授業ができるように、安全の確保のために教師と保護者が現在大きな努力を続けており、政府の規定を満たし、その許可を得て学校の再開をできる日が日程に上がってきています。

以下、さいたま国際協力基金の今年度の助成対象一覧をご紹介します。

番号団体名所在地事業名対象国申請額
1特定非営利活動法人 街のひろば入間郡子どもの日本語教材作成日本¥200,000
¥200,000
 海外協力事業
番号団体名所在地事業名対象国申請額
1一般社団法人 シェア・ザ・プラネット川越市バングラデシュ北東部大湿地帯軽減農業の普及バングラデシュ¥500,000
2特定非営利活動法人 エクアドルの子どものための友人の会(SANE)飯能市エクアドル共和国ピチンチャ県カヤンベ市の学校給食実施のための学校菜園と調理室の設備改善事業エクアドル¥119,000
3特定非営利活動法人 NGOクワトロさいたま市ラオス南部パクセにおける高校進学援助の為の寄宿舎(坂雲寮)運営事業の件(2020年度新入生の受入にかかる備品等予算援助申請)ラオス¥500,000
4TCP チベタン・チルドレンズ・プロジェクトさいたま市ネパール国におけるコロナウイルスによる経済的困窮家庭の子供の新規引取りおよび在籍児童の養育事業ネパール¥500,000
5埼玉・タイ王国友好協会川越市タイ王国北部 山岳民族学校への保健室建設事業タイ¥500,000
¥2,119,000
 

6団体6事業 ¥2,319,000  

「埼玉県国際協力情報交換会」のご報告

11月 11日にJICA東京と埼玉NGOネットワークの主催で、オンラインで行われた情報交換会は『グローバルな社会課題に取り組む埼玉県の国際協力に関わる途上国支援と多文化共生の関係者が集い、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて、互いの経験を学び合い、課題を共有し、SDGsゴールに向けたパートナーシップを強化する』という目的を掲げて行われた情報交換会でしたが、オンラインならではで全国から、またミャンマーからも、100人を超える参加者があり、埼玉県下で行われている国際協力の活動がよくわかる会になり、大変励まされる思いでした。筒井哲朗さん(NPO法人埼玉NGOネットワーク副代表理事)と坂口和隆さん(NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会代表理事「くらしにツナガルHātWork」共同代表)のテーマに関するお話の後、以下のような事例報告がありました。

事例報告「世界と私たちが繋がる国内外の社会課題への実践」    

自治体実践事例「タイ・ラオスへの国際技術指導の取り組み」    

埼玉県企業局水道部  (JICA草の根技術協力事業)

国際協力NGO実践事例「エクアドルの学校菜園と学校給食の実施を通した子ども達の学校生活改善プロジェクト」(JICA草の根技術協力事業)   

  杉田優子NPO法人エクアドルの子どものための友人の会代表理事

自治体実践事例「さいたま市のSDGsによるまちづくり」       

  林勇希さいたま市都市経営戦略部企画・地方創生推進担当主任

多文化共生NPO実践事例「外国にルーツを持つ住民の支援と人材活用による

多文化共生社会づくり」                     

石井ナナエ認定NPO法人ふじみの国際交流センター理事長

私も自分の会の活動を発表させていただきました。私の発表の時に、チャットでTAAA(アジアアフリカと共に歩む会)の方が、『子ども達が幸せになる教育とは何か、素敵な言葉ですね』とコメントをしてくださり、嬉しかったです。また、他の参加者の活動から多くのことを知ることができました。中でも、埼玉県がその技術を活かした優れた国際支援を行っていることを知り、一県民としてとても嬉しいことでした。また、その後のパネルディスカッション「世界と私たちが繋がる社会課題解決のために何ができるか、どう連携をするか」もファシリテーターの筒井さんのおかげで、坂口さんのお話などを参考に、ステークホルダー間の連携の現状、両分野間のパートナーシップの可能性に関して、良い意見交換ができたと思います。私たちの会も地元でどのように繋がっていくのか考える良いきっかけになりました。 

全体として、参加者の熱意が感じられる大変質の良い充実した会になりました。埼玉NGOネットワークとJICA東京が丁寧に準備をされてきたおかげだと思います。参加させていただき、感謝しています。ありがとうございました。


2020年10月25日日曜日

オンライン交流会開催される

いつもご支援いただきありがとうございます。

10月17日に無事にパドリーノス交流会が無事に終了しました。

現地からは、スタッフのダーウィン、新しい秘書のヘナシスさん、そして奨学生4名、日本からはパドリーノス、会員のみなさん、スタッフなど13名、計19名の方が参加しました。

全体で自己紹介をした後、パドリーノと奨学生のペアに分かれ個々のグループで話をしました。最初はそれぞれ緊張していましたが、通訳の方、スタッフもグループに参加させていただき、ゆっくり話をすることができました。
終了後の感想では、奨学生もパドリーノスの方からも、とても有意義な時間だった、また顔をみて直接話たい、とうれしいコメントをいただきました。
文通ではあまり話が進まず、言葉の壁など不安を感じて参加を迷ってたパドリーノの方も、顔をみて話せたことで一気に距離が縮まり、お互いの好きな猫の話や食事の話で笑いの耐えない時間を過ごした方もいました。
ただ、声を聞くだけ、顔を見るだけの参加でも構いません。ご興味ある方はぜひ、次回ご参加ください。

上の写真は当日のものです。参加者の笑顔が印象的です。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

SANE事務局

2020年10月20日火曜日

参加者募集「埼玉県国際協力情報交換会~国際協力と多文化共生の学び・経験交流・連携~」

 1111日(水)13時~16時30分、オンライン、無料

 世界と私たちが繋がるグローバルな社会課題に取り組む埼玉県を中心とした幅広い国際協力ステークホルダー(途上国支援と多文化共生の関係者)が集い、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて、国際協力と多文化共生の国内外実践の経験を学び合い、課題を共有し、SDGsゴールに向けたパートナーシップを強化するという目的で情報交換会を行います。SANE代表理事の杉田優子も登壇させていただきます。

ご関心のある方はぜひご参加ください。


主催:特定非営利活動法人埼玉NGOネットワーク 独立行政法人国際協力機構JICA東京 後援:埼玉県 





参加申込:参加者氏名・所属団体・連絡先メールアドレスを明記して、下記のe-mailFAXQRコードにてお申し込み下さい。開催前日にURLをご連絡いたします。JICA埼玉デスク矢田部建佑 

e-mailjicadpd-desk-saitamaken@jica.go.jp FAX048-833-3291

詳しくは参加申込のQRコードを含めて下記のURLをご参照ください。

http://www.saitama-ngonet.org/?p=2547

埼玉NGOネットワーク事務局(加藤)

Saitamangonet21@gmail.com

 

 界と私たちが繋がる社会課題への目標の共有」13:1014:15 

 ファシリテーター:筒井哲朗NPO法人埼玉NGOネットワーク副代表理事

基調報告「SDGsを共通目標に国際協力と多文化共生を共有する」    30

坂口和隆NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会代表理事「くらしにツナガルHātWork」共同代表

JICA連携事業の説明  講師:JICA東京               15 

埼玉県における多文化共生の地域づくり 桑原武蔵埼玉県国際課主幹  15

SDGs達成に向けて、埼玉県のステークホルダーの実践と連携の促進」14:2516:15

ファシリテーター:筒井哲朗NPO法人埼玉NGOネットワーク副代表理事

実践報告「世界と私たちが繋がる社会課題への実践」  各15分  

①自治体国際協力実践例「埼玉県企業局の国際技術協力の歩み~タイ・ラオスの安全な水道水を目指して~」 

  藤原悠希 埼玉県企業局総務課主任   

②国際協力NGO実践例SANEが歩んできた奨学生事業と学校菜園・給食安定化事業、そしてコロナ禍の今強く願うこと」                杉田優子 NPO法人エクアドルの子どものための友人の会代表理事

③自治体SDGs実践例「さいたま市のSDGsによるまちづくり」    

 林勇希 さいたま市都市経営戦略部企画・地方創生推進担当主任

④多文化共生NPO実践例「外国にルーツを持つ住民の支援と多文化共生社会づくり」 

石井ナナエ 認定NPO法人ふじみの国際交流センター理事長 

パネルディスカッション「世界と私たちが繋がる社会課題解決のために何ができるか、どう連携をするか」   45

ファシリテーター:筒井哲朗

パネリスト:坂口和隆、杉田優子、林勇希、石井ナナエ、桑原武蔵、JICA東京

2020年10月16日金曜日

SANEが行う奨学生事業

 SANEは現在35人(現地支援の1人を加えて合計36人)の中高校生に、月30ドル(2020年8月より1年間の予定で、コロナ対策の一環で10ドル増額し40ドル)の奨学金を支給しています。SANEの奨学生支援事業は、将来エクアドルの社会を支えていけるような青年が育っていくように、奨学金支給に加えて下記のような活動も行っています。

*教育支援・・・毎月1回参加型講習会を開催し、青年期の問題(自己肯定感を育てる、自分を知る、家庭内のコミュニケーション、薬物、ジェンダー問題、避妊など)、社会について(エクアドルの現状、貧困の解決、環境、日本について)、救急処置や健康、進路相談といった多様なテーマで学んでいます。

*生活支援・・・家庭に問題を抱えている奨学生が多いため、家庭へのサポート(面談やカウンセリング)などを行っています。

*文通支援・・・日本のSANE会員で希望する方(男性ならパドリーノ、女性ならマドリーナと呼ばれます)との間で毎月の手紙交換を行っています。使用言語はスペイン語なので、スペイン語翻訳ボランティアの皆さんが活躍してくださっています。奨学生部会(ボランティアの皆さん)では、毎月届く奨学生からの手紙と文通相手のパドリーノ、マドリーナの皆さんの手紙を受領し、メールで翻訳者やSOJAEに送る作業をします。

*学業支援・・・元奨学生が必要に応じて学習支援を行っています。また、事務所にはパソコンが置いてあり(このパソコンも寄付されたものです)、宿題などを事務所でできるように配慮されています。

*その他個別支援・・キト支部は広い地域に暮らす奨学生の状況を把握し、必要な支援をするために各メンバーが奨学生を1人ずつ担当し、家庭訪問や連絡を取るなどしています。

こうした活動を支えているのは、SANE奨学生部会と、SOJAE奨学生担当スタッフです。

SANE奨学生部会:

責任理事 後藤響子さん フルタイムの会社員で勤務が忙しい中を粘り強く活動しています。元JICA青年海外協力隊員。織物の腕はプロ並みで、高級素材を使ったショールをふやふやに寄付してくださり、皆さんにご購入いただいています。

文通担当スタッフ 瀬田尚美さん SANE設立当初の会員で、子育ての後復帰。しっかりしたお母さん的存在でパドリーノやマドリーナ、翻訳者の皆さんから信頼されています。

若手スタッフ 貝森紗羽さん まだ大学4年生。スペイン語科の学生でエクアドル に留学した時にSOJAEでもボランティアをやりました。現地担当者との会議にも出席しています。

奨学生部会は現地と月に一回の会議を持って事業の進め方や奨学生の様子を話し合い、毎月の手紙交換のためのパドリーノ、マドリーナ、翻訳者の皆さんとの連絡を中心に活動をしています。現在は(6月に終わった)昨年度の各奨学生の年間報告が送られてきており、この翻訳、送付に追われています。

SANEの奨学生事業の特徴

一人一人の子どもに向き合い、十分な時間と愛情をかけて一緒に問題を解決しながら進んでいくこと。信頼できる大人と分かり合える仲間を得て、貧困の中で自信を持てないでいる子どもたちがたくましく伸び伸びと育っていきます。彼らを支えるのは、奨学生担当スタッフだけではなく、多くのボランティアであり、その多くが元奨学生です。彼らは身近な目標として元奨学生に接することができます。また、毎月の手紙の交換もペアによっては深まっていき、一生の宝物になることもあります。こうした家庭的な雰囲気の中で育った彼らは、やがて学ぶ姿勢を持った大学生となったり、よき家庭人、社会人としてエクアドル社会で活躍していきます。

明日は奨学生交流会です。初めての方でも大歓迎です。カメラもマイクもオフにして聞くだけでも大丈夫。関心がある方はぜひ事務局にご連絡をください。



2020年10月15日木曜日

エクアドルの子ども達とSANEを支えてください!

NPO法人エクアドルの子どものための友人の会SANE

 

   新型コロナウイルス感染症は現在も世界中に感染拡大を続けており、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。このような中を、私たちの活動の関心を寄せてくださりありがとうございます。

今年3月テレビや新聞でも大きく報道されたエクアドルの海岸地方を中心に広がったコロナ感染症は、現在キト市にその中心的な被害の地域を移し、当初のような悲惨さは逃れていますが、まだ収まっていません。新年度が始まった学校でもまだ対面授業が始まっていないところが多いのが現状です。SANEは新しい奨学生を迎えましたが、保護者が仕事を失って厳しい生活を強いられている様子です(13日のブログを参照)。

 

日本からの支援とスタッフの粘り強い活動で続く現地の事業

 

このような中、現地スタッフは奨学生と連絡を取り、学校の先生や教育委員会と協力して学校菜園を守る活動をしています。私たちは状況の厳しい中を頑張って勉強している奨学生のために1年間奨学金の10ドル増額を決めて寄付を呼びかけました。これに多くの方々が応えてくださり、8月から支給が始まっています。また、特に農村部の食糧確保は以前にもまして重要になっており、学校菜園の継続のために貯水タンクの設置やビニールハウスの補修などの事業をやりつつ、コロナ対応支援の準備をしています。コロナ対応支援は、学校に戻ってくる子ども達の家庭への食糧セットの配布と調理講習会の実施、感染症対策のための衛生講習会の実施です。学校が始まり政府が許可をしたらできるだけ早く開催したいと準備を進めています。


皆様のいっそうのご支援を!

私たちSANEは、多くの皆さんのご支援を受けて、事務局員、事業担当者を中心に、こうした現地の活動を支えるために現地と連絡を取り合い、ネットを通して活動しています。

 活動報告会や多くのイベントが中止となり、商品の販売や寄付集めができない状況は続いており、他のNGOと同様にサネも収入を大幅に減らす危機に直面しています。活動を支えていくために、無理のない範囲でご協力をいただけますようお願い申し上げます。
 なお、寄付金以外にも、きしゃぽんへの古本やDVDの寄付、飯能市にあるマルトクカフェブックマークの協力で行っている大人のフリマへの商品(新品)の寄付にもご協力ください。
 また、世界のみんなと手を繋ぐ店ふやふやが販売するエクアドルの美味しいオーガニックコーヒーや東ティモールのハーブティー、エクアドルの純粋なチョコレート(近日販売開始)、地元パン屋さんの石窯パンととってもおいしいと評判のケーキの予約注文を通した寄付活動(お店の協力で購入額の20%が寄付!)もしております。飯能は全国一といわれるほどのエクアドル コーヒー消費地です。ぜひご連絡ください。
 励ましの声をいただいたり、フリマ(次回は12月6日予定)で皆様にお会いできることが私たちの励みになっています。

皆さまくれぐれも気をつけてお過ごしください。


(写真)上:学校菜園を守る保護者と下:子ども達

2020年10月13日火曜日

新奨学生をご紹介します!ー大きな愛を届けたいー

 コロナ感染症で大変な中、新しい学年が出発し、SANE・SOJAEも新しい奨学生を迎えました。彼らは経済的に厳しい状況の中、強い気持ちで学業を続けていきたいと願っています。SANEはこの奨学生たちの文通相手を募集中です。文通を通して彼らを支える活動に関心を持っていただける方はどうぞ事務局までご連絡ください。使用言語はスペイン語ですが、翻訳ボランティアが皆さんを支えます。

ベレン14歳:科学と読書が好き。困難な中でもとても前向き。コロナの影響で母は 事を失った。父親は別に家庭を支援はない。

メラニー12歳:好奇心旺盛、活発な性格で医師を志す。大家族収入はコロナで失業した母が始めた商売で得150ドルのみ。

アンドレス14歳:数学好きで成績は優秀。シャイな性タクシー運転手である父の収入は安定せず、母の収入200ドルが頼り。

ベンジャミン14歳:システムエンジニアになるのが夢欲的母 親 は 現 在 無 職で、祖父母の家に身を寄せている。別居している父の収入は300ドル/

ブリタニ13歳:責任感が強 く、小児科医を志す。花卉農園で働く父の収入は、コロナの 影 響 で 減 っ たが、両親は娘が勉強を続けることを強く願っている。

ジェニファー14歳:人兄弟の真ん中。医師を志す。建築の仕事をする父と、牛乳の販売を す る 母 の 収 入は、大家族の生活には足りない。

マガリー13歳:勉強も読書も好きだが、サッカーも大好きでメッシを尊敬する。運転手の父はコロナで仕事を失い、母も給料が半分になった。

現在エクアドルの最低賃金は394ドル(約42,000円)です。SANEは月々30ドル(現在コロナ対応で皆さんからのご寄付をいただき、10ドルアップして40ドル)を支給しています。SANEの支援はそれだけではなく、現地スタッフの日常的なケア、毎月行われる講座(現在はコロナのため、オンラインで開催するなど変則的)、日本のSANE会員との毎月の文通などを通して支援しています。

  1. 数学好きで成績は優秀。シャイな性タクシー運転手である父の収入は安定せず、母の収入200ドル/が頼り。マガリー13カヤンベ勉強も読書も好きだが、サッカーも大好きでメッシを尊敬する。運転手の父はコロナで仕事を失い、母も給料が半分に。ベンジャミ14キトシステムエンジニアになるのが夢欲的母 親 は 現 在 無 職で、祖父母の家に身を寄せている。別居している父の収入は300ドル/~文通ってどうやるの?~*スペイン語日本語の翻訳は翻訳ボランティアの方がやってくださり、メールでやりとりできます。わからないことはいつでも担当者に相談できます。お気軽にどうぞ!連絡先:エクアドルの子どものための友人の会(SANE042-973-0781357-0006 飯能市中山493-10杉田方info@sanejapan.orgまたは飯能銀座商店街Bookmark
  1. 数学好きで成績は優秀。シャイな性タクシー運転手である父の収入は安定せず、母の収入200ドル/が頼り。マガリー13カヤンベ勉強も読書も好きだが、サッカーも大好きでメッシを尊敬する。運転手の父はコロナで仕事を失い、母も給料が半分に。ベンジャミ14キトシステムエンジニアになるのが夢欲的母 親 は 現 在 無 職で、祖父母の家に身を寄せている。別居している父の収入は300ドル/~文通ってどうやるの?~*スペイン語日本語の翻訳は翻訳ボランティアの方がやってくださり、メールでやりとりできます。わからないことはいつでも担当者に相談できます。お気軽にどうぞ!連絡先:エクアドルの子どものための友人の会(SANE042-973-0781357-0006