2020年10月16日金曜日

SANEが行う奨学生事業

 SANEは現在35人(現地支援の1人を加えて合計36人)の中高校生に、月30ドル(2020年8月より1年間の予定で、コロナ対策の一環で10ドル増額し40ドル)の奨学金を支給しています。SANEの奨学生支援事業は、将来エクアドルの社会を支えていけるような青年が育っていくように、奨学金支給に加えて下記のような活動も行っています。

*教育支援・・・毎月1回参加型講習会を開催し、青年期の問題(自己肯定感を育てる、自分を知る、家庭内のコミュニケーション、薬物、ジェンダー問題、避妊など)、社会について(エクアドルの現状、貧困の解決、環境、日本について)、救急処置や健康、進路相談といった多様なテーマで学んでいます。

*生活支援・・・家庭に問題を抱えている奨学生が多いため、家庭へのサポート(面談やカウンセリング)などを行っています。

*文通支援・・・日本のSANE会員で希望する方(男性ならパドリーノ、女性ならマドリーナと呼ばれます)との間で毎月の手紙交換を行っています。使用言語はスペイン語なので、スペイン語翻訳ボランティアの皆さんが活躍してくださっています。奨学生部会(ボランティアの皆さん)では、毎月届く奨学生からの手紙と文通相手のパドリーノ、マドリーナの皆さんの手紙を受領し、メールで翻訳者やSOJAEに送る作業をします。

*学業支援・・・元奨学生が必要に応じて学習支援を行っています。また、事務所にはパソコンが置いてあり(このパソコンも寄付されたものです)、宿題などを事務所でできるように配慮されています。

*その他個別支援・・キト支部は広い地域に暮らす奨学生の状況を把握し、必要な支援をするために各メンバーが奨学生を1人ずつ担当し、家庭訪問や連絡を取るなどしています。

こうした活動を支えているのは、SANE奨学生部会と、SOJAE奨学生担当スタッフです。

SANE奨学生部会:

責任理事 後藤響子さん フルタイムの会社員で勤務が忙しい中を粘り強く活動しています。元JICA青年海外協力隊員。織物の腕はプロ並みで、高級素材を使ったショールをふやふやに寄付してくださり、皆さんにご購入いただいています。

文通担当スタッフ 瀬田尚美さん SANE設立当初の会員で、子育ての後復帰。しっかりしたお母さん的存在でパドリーノやマドリーナ、翻訳者の皆さんから信頼されています。

若手スタッフ 貝森紗羽さん まだ大学4年生。スペイン語科の学生でエクアドル に留学した時にSOJAEでもボランティアをやりました。現地担当者との会議にも出席しています。

奨学生部会は現地と月に一回の会議を持って事業の進め方や奨学生の様子を話し合い、毎月の手紙交換のためのパドリーノ、マドリーナ、翻訳者の皆さんとの連絡を中心に活動をしています。現在は(6月に終わった)昨年度の各奨学生の年間報告が送られてきており、この翻訳、送付に追われています。

SANEの奨学生事業の特徴

一人一人の子どもに向き合い、十分な時間と愛情をかけて一緒に問題を解決しながら進んでいくこと。信頼できる大人と分かり合える仲間を得て、貧困の中で自信を持てないでいる子どもたちがたくましく伸び伸びと育っていきます。彼らを支えるのは、奨学生担当スタッフだけではなく、多くのボランティアであり、その多くが元奨学生です。彼らは身近な目標として元奨学生に接することができます。また、毎月の手紙の交換もペアによっては深まっていき、一生の宝物になることもあります。こうした家庭的な雰囲気の中で育った彼らは、やがて学ぶ姿勢を持った大学生となったり、よき家庭人、社会人としてエクアドル社会で活躍していきます。

明日は奨学生交流会です。初めての方でも大歓迎です。カメラもマイクもオフにして聞くだけでも大丈夫。関心がある方はぜひ事務局にご連絡をください。



0 件のコメント:

コメントを投稿