この出張報告は、12月6日よりエクアドルに出張をした東城リーダー育成担当と大塚専門家、インターンの大川さん、現地事業補助員のジョセリンコヤゴの報告をもとにしたものです。
サンパブロウルコ村は先住民の多い地域であり先住民文化の伝統が色濃く残り、人々の結びつきや学校との関係も強いです。写真は伝統的行事の様子です。ここはカヤンベで一番初めに設置された学校です。カヤンベ中心地からは車で約40分のところにあります。オルメド教区の中心地までは道路も整備されバスが通っており、そこから歩いて20分ほど上がっていくとサンパブロウルコ村に着きます。カンガウア教区にある他の学校と比較して中心地から便利に行ける地域であり、それだけにカヤンベまで出て仕事をしている人が多く、若者の移住も多いため、過疎に伴う生徒数の減少に悩む地域です。
生徒数は57人(全実施校の中で最も少ない)であり、小学校1年生から中学3年生までの教育課程を備えています。就学前クラス対象者にあたる5歳以下の子どもは、木曜日だけ学校にくることになっていて、この子ども達は給食を食べていません。 教員数は8人です。
7時45分に子ども達は登校し、授業は8時から14時までです。11時から11時45分の間に給食と、政府支給の牛乳とシリアルが支給されています。
今回の講座への期待は大きく、開始時には既に25名を超える保護者の参加者がありました。校長は他用で開始時は不在でしたが、担当教師から長年にわたり行政からの支援がない中、保護者の協力を得て歩んできた様子が報告されました。特にJICA事業開始後3回会議を重ね、耕作スケジュール、給食メニュー等を教師と保護者が共に考えてきたそうです。教師から保護者の協力に対する感謝の言葉がありました。
また、菜園事業を生徒の教育の一環として取り組み、作物の成長記録をつけ、作物品評会を開いていました。教育的な姿勢がこの学校の大きな特徴であり、長い教育的努力の積み上げの結果学校菜園と給食実施の成果もあると感じました。
この事業では、事業最終年に学校の菜園と給食提供に関しての「手引書」を作成します。これはSANEのプロマネ、農業専門家、栄養専門家、現地事業補助員と教師が協力しあって作成するものですが、ぜひウンベルトフィエロ校の貴重な経験を生かして作りたいと、協力をお願いしました。
大塚専門家による農業経営の経験発表の中では、コメ汁を利用した肥料に興味を持ったようです。現地事業補助員のジョセリンコヤゴから、この話に加えて肥料に関して話があり、参加者の興味を引き付けていました。
この学校からも耕運機購入の要請がありました。特に今年のように雨が多い季節は除草が間に合わず、準備が大変だったようでした。休耕地の除草対策に有効な耕運機は必要だと感じました。また、収穫物の貯蔵技術を持っているこの学校では、耕作面積を増やし、貯蔵穀物の量増やす計画があります。耕作地を広げるためにも、人々の作業を楽にする耕運機の導入が望まれます。
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