2019年12月26日木曜日

努力を重ねるパンバマルカ村カルロスビセンテアンドラデ校ー出張報告4

この出張報告は、12月6日よりエクアドルに出張をした東城リーダー育成担当と大塚専門家、インターンの大川さん、現地事業補助員のジョセリンコヤゴの報告をもとにしたものです。

順序が逆になりましたが、講座2日目はパンバマルカ村のカルロスビセンテアンドラーデ校でした。カヤンベからは車で約45分。地域内にはバスは通っていませんが、乗り合いのトラック(50セント)を使うことはできます。カンガウア中心地やカヤンベ中心地に出かける時は、トラックの荷台に乗って移動します。
今年の生徒数は就学前クラスから高校1年生までで234人で、教師は15人。事前に調査に入ったインターンの大川さんの報告でも、他の実施校と比べるとプロジェクトが最もうまくいっていない学校で、給食は未だ実施されておらず、菜園も面積としては広いが収穫は一切ありません。現地事業補助員のジョセリン・コヤゴからは、教師も保護者もあまり積極的ではないという感想を聞いていました。
菜園も10月までは畑の準備も行っていませんでした。この遅れの原因は前任の菜園担当教師だったようです。
けれども、10月に新任の菜園担当教師が赴任してから、現在まで3回のミンガを組織し各91名の親を集めていました。写真は11月初めのものですが、畑の準備、種まき、動物除け囲いの補修と耕作、収穫に向けて活動が始まっている様子が伝えられています。
今回の講習会では昨年の
学校菜園の紹介をしていました。彼女(新任担当は女性です)は菜園の経験はなく、耕作方法にはいろいろ問題があるようですが、非常に積極的でした。また、校長も親と指導教師の間に入り、事業の組織化に非常に協力的です。セグンド氏より各家庭から食材を持ち寄ってできるだけ早く給食の実施を促し、参加者も実行を約束していました。来週早々、給食実施に関する集まりを持ち、調理担当などを決めるとのことです。
一方この学校では、子どもの保護者でもある女性が学校にある調理室、食堂を利用してbar(食べ物の販売)を行っています。そことの調整をどうするかが課題です。
 講習会の雰囲気はとても積極的で、開催前の心配は軽減されましたが、今後は現地補助員と共に、常に進捗状況を確認する必要があります。

<大塚農業専門家より学校菜園の詳細状況>
保護者からの質問と意見、感想
 ・菜園にhabasアバス(ソラマメ)を植えているが害虫被害がある。有機除虫の作り方、使い方は?
  答え:作り方、希釈倍率、噴霧頻度に気をつける。 
 ・生ゴミ堆肥に興味がある。
大塚専門家の感想
 農業の基本的なことに問題があるせいか、全体的に発表に関する反応は薄かった。

校長の意見
 ・いつも子ども達はスナック菓子を食べているから野菜不足が心配だ。
 校長は、収穫物を売ることもできると保護者に話していた。実際に玉ねぎを栽培して街に売っている家庭もあった。

現地アドバイザーセグンド氏が保護者の一人を指し、昨日なにを食べたの?とたずねた。その保護者は、食べたものは米、ティラピア(魚)、豆と答え、野菜が不足していると指摘があった。
一方で、畑にはセロリ、パセリ、パクチー、レタス、ふだんそう、ビーツ、ブロッコリー、ソラマメ、チョチョス(豆類、カルシウムとタンパク質が豊富)が植えられている。
前夜雨が降ったが、ビニールの屋根があるため、その下の3つの畝は乾いていてペットボトルに水を汲んで潅水していた。今後はすべてビニールで囲いたいとのことなので水の問題がある。対策としては畝の水分蒸発防止のためマルチングは欠かせないと思う。
2週間くらい前に種をまいたが芽が出ていない(白菜、ラディッシュ、ニンジン)
ピタナアルトの学校と同じ問題(種が死滅している)がここにもあり、校長は苗を買うつもりでいる。野菜によるが、ひとつ2セントで買えるとのことなので良い案だと思う。

農業担当者は、足りないものとして農機具、ハウスのビニール、ハウスを補強する木材、ハウス用のボルトが必要とのことであった。

写真は講座で出された、保護者の調理した食事。



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