9月6日、7日に、ラファエル・コレアエクアドル大統領が来日されました。菅総理との会談では、両国の協力を強化し、核兵器のない世界、国連改革、日本企業のエクアドルへの安定的な関わり、地デジの日本方式採用、10月に名古屋で開催されるCOP10における、ガラパゴス,アマゾンの熱帯雨林等で多様な生態系の保護に向けての協力などについて話し合われました。(写真提供:外務省)またこの来日には、エクアドルが国際社会に提案している、ヤスニITTイニシアティブについて、日本政府や市民組織に協力を要請するという重要な目的がありました。エクアドルは生物多様性のある自然豊かな国です。アマゾンにあるヤスニ国立公園も、豊かな生態系で知られていますが、ここの地下には8億5千万バレルの石油が埋蔵されているといわれています。エクアドルは経済的な困難を抱えた国であり、石油の輸出に依存してきました。しかし一方で石油採掘は自然破壊や地域の人々の健康被害など、様々な問題も生み出しています。ヤスニITTイニシアティブは、エクアドルがヤスニITTと呼ばれている地域の石油開発を永久に断念することによって、生態系の保護や先住民の生活保護を優先し、また、開発によって見込まれる4億トンのCO2も排出しないことを選択するので、その代わりに国際社会に、開発した場合に見込まれる収益約80億ドルの約半分である、36億ドルを拠出してほしいというものです。国連開発計画(UNDP)はこれに合意し、ヤスニ基金が設立されました。この基金への協力を訴えるために大統領、外務大臣、環境大臣などが来日したのです。
私は、6日に行われた来日した大臣たちと市民組織との話し合い、7日のコレア大統領による国連大学での講演に参加しました。大変印象的だったのは、市民組織のメンバーと対等に話をしようという、みなさんの姿勢でした。上の写真はその時のものですが、エクアドルの労働組合の代表、外務大臣や文化庁長官と、日本の生協、ピースボートやナマケモノ倶楽部のメンバーが互い違いに座っています。国連大学での講演は、『21世紀におけるエクアドルとラテンアメリカ地域の挑戦』というテーマでした。講演の後一瞬でしたが直接お話しができ、SANEの20周年記念誌も差し上げることができました。
0 件のコメント:
コメントを投稿