年頭に当たり、新年のごあいさつを申し上げます。
社会的にも経済的にも様々な問題を抱え、誰もが一抹の不安を抱きつつも、陽はいつものように昇り、穏やかな年明けを迎えています。SANE会員、支援者、友人の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。昨年も多大なご協力をありがとうございました。
開発を再考する―ポスト・グローバリゼーションの展望
これは12月に行われた国際開発学会のテーマでした。金融危機を経てグローバリゼーションが転換期を迎えていると言われ、他方で気候変動や自然資源への懸念の増大などによって、これまでのような快適な生活の追求が、よき生活、意味ある生活をダメにしているのではないかと問い直されているのです。問題に直面しているのは途上国だけではありません。私たちはこれまで以上に、共通の地球規模の問題に取り組んでいくことが求められています。当然、開発支援を行う場合も、何を目指して、あるいは誰の、どのような生活を作るために支援するのか、現地の人々と共に考えつつ、同時に私たち自身の責任についても考えていかなければ片手落ちになるでしょう。
鍵となる言葉を二つ、『ダウン・シフティング(downshifting)』、そして『私たちと自然との関係を変える(戻す)』。SANEの奨学生事業やカヤンベでの学校菜園事業等でも、あるいは日本での取り組みにも、活かされる言葉ではないでしょうか。
新しい段階に入った活動―共に歩む仲間として
昨年はSANEにとってもSOJAEにとっても試練の年でした。その試練を乗り越えて、私たちの活動は一つの段階に入りました。SOJAEが自立的、持続的な活動に入ろうとしています。20年余を経て元奨学生たちが有給スタッフ、ボランティアスタッフとして活動を支えるようになり、まだわずかな額ながら、SANEからの資金の他に自分たちで資金調達の道を考え、他組織、行政や企業、周囲の人々と結びつきながら歩み始めました。もちろん課題は山積しています。しかし大きな一歩であることには間違いありません。当然のことながら、SANEの支援も変化していくことを考えなくてはなりません。また、エクアドルが外債問題に取り組み、自立した国家として歩み始めていること、その豊かな自然を守るという課題を考えると、それは私たち日本のあり方にも深く関係しています。私たちの活動は、様々な意味で少しずつ先進国―途上国という関係から、未来のために共に歩む仲間という関係に変化していく時が来ているように感じています。
このような2011年の年明けに際し、今年の課題を『新しいあり方を考える』と置き、皆様と共に歩んでまいりたいと願っています。今年もどうぞご一緒に。
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