2020年2月17日月曜日

学校給食についての新しい法律の内容

この法律は子どもと青少年の栄養と健康、安全および食料主権を保障するものです。エクアドルの新聞El Comercioの記事によると、この法案は教育省によって実施されている学校給食プログラムを制度化することを目指しているとのことですが、実際の内容は次のようなものです。
*生産者を尊重するフェアトレードに基づいた家族農業の促進
*国連機関の勧告に従った食品の品質を保証するために、対応する基準を確立する。 
 現在多くの学校にあるバール(食べ物の購買所)もジャンクフードを販売しないように
 規制される。
*地域の中小企業から食品の支給を受ける割合を35%から50%に上げる。
*子どもたちが住んでいる各地域に応じて、食べ物を多様で持続可能なものにすること。
 そのための学校菜園を作る。
*栄養失調の根絶のために、国家、社会、家族が責任を持って取り組むこと。

そして、法律ができただけでは問題は解決されないことが強調され、政府は資源を提供するよう求め、国会は開始と評価を実施することを約束しました。

カヤンベのJICA事業実施校では学校菜園が精力的に取り組まれ、中にはすでにバールをなくした学校もあります。しかし、給食の安定化に向けた努力は各学校だけの努力では実現しません。行政も本気で取り組んでくれることを願っています。規制と管理だけではなく、活動に具体的に参加すること、必要な資金の配分をお願いしたいです。



学校給食に対する政府の取り組み

13日の新聞に、国会で学校給食法が承認されたと報道されました。この法律はどのようなものでしょうか。そのことをお伝えする前に、これまでの学校給食についての政府の考え方について、教育省のホームページにある学校給食プログラムについて書かれている内容を簡単に紹介します。
 学校給食プログラムは2016年に教育省のプログラムとして確立されました。対象は就学前クラスから10年生(日本でいう中学生)まで及びミレニム学校(政府の政策によって作られた地方の大規模校)の高校生までが対象となります。寮のある学校では新鮮な食材で食事を提供する一方で、量がない通常の学校では、タンパク質を含んだ多様な工業製品の普及を目指します。下の表は提供する食事の組み合わせの選択肢です。
1は牛乳200mlとシリアルバー25gのもので、カロリーが200-280、2は200mlのジュースかフルーツ味のネクターと甘い味か塩味の小麦粉で作ったシリアル30gで、カロリーは230-280、3は味付き牛乳200mlとシリアル入りスナックかシリアルのグラノーラ30g、4は味付きのシリアル入り乳飲料200mlと25gのシリアルバーで、カロリーが200-280、5は味付きのシリアル入り乳飲料200mlだけで、カロリーが100-130というものです。
提供されるものは衛生的であること、少なくとも30%は中小企業から原材料を調達することなどが強調されています。また、これらの安全性が確保され、安定的に供給されるシステムの構築について詳しく書かれています。

けれども残念ながら、手作りのものを食べること、温かいものを食べる事、地域で作られたものを食べる事など食事本来のあり方と、工業製品の給食が子どもにとってどのような影響があるのかといった内容については触れられていません。
このような給食が子ども達にどのように受け止められたのかについては、このブログでも何度か触れてきました。毎日同じような食事に飽きてしまい食べたがらない子や、カロリー不足にお腹を空かせる子達の問題が長く挙げられてきました。エクアドル政府も問題が出ていることは認識しており、各地域で対処する必要性も認めています。SANEのJICA事業はこういった現状を踏まえて取り組まれているのです。
次回は、今回の新しい法律でどのような政府の姿勢が示されたのかに触れます。


2020年2月4日火曜日

出張活動報告会のお知らせ

※こちらの活動報告会は中止とさせていただきます。
NPO法人エクアドルの子どものための友人の会主催
「JICA草の根技術協力事業現地出張活動報告」
エクアドル・カヤンべ群の学校菜園と学校給食の実施を通した子ども達の学校改善プロジェクト
日時:3月28日(土曜日)、10時〜12時
会場:JICA地球ひろば 202AB会議室   TEL 03-3269-2911
         (JR市ヶ谷、地下鉄南北線市ヶ谷より徒歩5分)
*どなたもご自由に参加可能です。
*参加費無料
*当日は、会場にてエクアドルコーヒー、衣料、民芸品等の即売会も開催します。
*参加希望・お問い合わせは下記のアドレスまでお願いします。


2020年1月11日土曜日

JICS助成金の獲得(2020年3月より組織基盤強化のための事業開始)

JICS(ジックス:一般財団法人 日本国際協力システム)は、民間団体による国際協力活動の一層の発展に寄与することを目的として、開発途上国に対する援助活動を行う日本の中小規模のNGO・NPOを対象に、支援金による助成(JICSNGO支援)を行っています。
 この度SANEは、組織の基盤強化のための事業にこのJICSNGO助成金を受けることが決まりました。助成金は1年間で100万円(3年間継続の可能性もあります)で、事務局体制の確立のための事業に使われます。SANEが国内組織のために行う事業はこれが初めてですので、なぜこの事業を計画したのか少しご説明をします。

SANEは設立が1989年で、満30年を迎えます。設立時は会員20人足らずの小規模な会で誰もが長く続くことになるとは考えてはいませんでした。けれどもその後多くの人々の活動への参加、協力を得て、現地に信頼できるスタッフにも恵まれて奨学生事業と教育環境改善事業を継続してくることができました。その結果、現地では元奨学生たちが組織を支えて活躍しています。また、カヤンベでは学校給食の安定的継続を目指してJICA事業を行っています。
しかしながら、今後もこのような事業を継続していくには、SANEの組織自体を安定させなくてはなりません。開設初期からの、数少ないメンバーが無償で献身的に活動をする、個人が自分の資質を発揮して活動をするといったスタイルから脱皮し、交代可能な組織づくりが必要です。また現地事業をSOJAEの現地スタッフに任せてしまうのではなく一緒に仕事をする、現地行政や事業当事者を広く巻き込んでいく、専門家の参加でより深く取り組むといった、現地事業の質の向上も、現地のニーズに応え、教育環境を改善していくには欠かせません。
SANEはこのような課題について議論を重ねてきた結果、現地に資金を送るだけではなく、現地事業を支える国内組織を強化したいと考えるようになりました。
これに応える事業としてJICS事業があります。
具体的には、事務局長の有償化、事務局補佐の雇用、事務所設置(いずれも額は小さいものですが)によって、会員制度など組織の見直し、財政拡大に向けた広報や賛助金、寄付金の呼びかけなど種々の活動が計画されています。
エクアドルでの教育支援の活動がこれからもより良い形で続き、日本とエクアドルの繋がりが確かなものとなっていくように、安定した国内の活動を実現したいと願って、SANEは新たな一歩に踏み出します。
もちろん、こういった活動は助成金だけで実現することではありません。助成金は小さな一つのきっかけに過ぎません。ぜひ、エクアドルにつながりのある企業や個人、各分野の専門家の皆様をはじめとした多くの皆様が、私たちの活動に参加し、日本とエクアドルのためにご協力いただけますよう、心からお願いいたします。

2020年1月1日水曜日

新年のごあいさつ*                SANE 杉田優子 SOJAE パオラピジャホ

新年明けましておめでとうございます。
日本のSANE(サネ)設立から30年、エクアドルのSOJAE(ソハエ)設立から17年が経ちました(SOJAEもエクアドルSANEの時代から数えると同じ30年です)。SOJAEとSANEが、長年一緒にエクアドルの子どもたちの為に活動を続けることができ、大変嬉しく思います。日本とエクアドルは地球の反対側の国ですが、距離や文化の違いを乗り越えて、また、常に付きまとう資金不足の危機を乗り越えて、互いに信頼しあい、協力しあって一つ一つの仕事を積み上げ、エクアドルの子どもの教育や健康、家庭の生活向上に、直接的にも間接的にも確かな成果をもたらしてきました。そして日本においても、遠くの人々を共に想うことを通じて人々をつないでくることができました。     
このように活動できたのは、関わってくださった多くの皆さんの「コミットメント・団結力・忍耐強さ」があったからこそです。時には喜びを分かち合い、時には困難に立ち向かいながら、一丸となり同じ目的に向かって進み続けることができました。本当にありがとうございます。
 新しい年がスタートしました。希望にあふれる新年をお迎えの方々もおいでだと思いますが、一方で困難の中で新年をお迎えの方々もいらっしゃることでしょう。どのような時も希望を持って、粘り強く歩みを進め、日本とエクアドルの私たち、SANEとSOJAE、そして世界中の人々にとって幸多き1年にできますようにと心を新たにしています。
 何よりも、家族・同僚・友達など私たちの身近な人達~特に、困難な生活状況にありながらもまだ支援が受けられていない方々に寄り添いたいと思います。今年の終わりには「お互いに与え、与えられ、一緒に歩んできた」と充足の表情で振り返ることができますように。