2014年3月14日金曜日

後輩を支える卒業生ー大学入試制度の中で

マイラはキト南部に住む元奨学生。2012年に高校を卒業しました。キトは大変坂が多いのですが、彼女の住むところは目もくらむような階段を下りていったところにあります(写真右)。彼女の家から先もさらに下りの坂になっていて、川が流れています。

マイラの家族はお母さんと娘二人。お母さんは他の家の洗濯をして家計を支えています。マイラは医学部の看護科に進みたいという希望を持っていますが、2012年に初めて統一試験を受けた時は700点台しか取れませんでした。医療系は900点以上取らないと進めません。2度目も少し点数は上がったものの、900点には遠く及びませんでした。そこでマイラは、予備校に通うことに決めました。統一入試で良い結果を出すには高校で教わっただけでは足りないのです。お金を持っている人はみんな予備校に通っています。コースによっても価格は色々ですが、それは高額で100ドル以上かかります。
彼女の取ったコースは3か月で450ドル。この価格はエクアドルの最低賃金よりも高いもので、彼女の家族にとっては大変な負担です。お母さんは娘のために普段以上に働き、借金もしてこのお金を作ったと言います。
たとえ大変でも娘の希望をかなえたいというのがお母さんの思いです。そのおかげで今回は見事に900点以上を取り、中央大学の医学部に無事入学が決まりました。看護を勉強する予定で、4月から授業が始まります。

SOJAEの奨学生の中にも高校3年生がいますが、彼らも今月末に受験します。マイラは自分が合格した後、ずっとその後輩たちのために補習を行っています。毎週決まった時刻にSOJAEの事務所にやってきて、教えているのです。そのおかげで予備校に行かないですんでいる奨学生もいます。

SOJAEの奨学生、卒業生たちはこのように助け合って自分たちの進路を切り開いているのです。けれども、そういった支えがなく、大学への夢を実現できない青年たちも実はたくさんいます。通常の高校の課程で太刀打ちできないような入試制度のあり方も問われています。

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