2月10日 午前10時
ここは、現在、技術訓練支援事業が3年目を迎えている。
当日は、木工工芸、溶接担当の指導者、並びに講習参加生徒が待っていた。溶接実習中の4人の若者は、実習教室に設置する棚枠の溶接作業中で、現在、15歳の一人はこの地域で溶接技術を利用した職に就きたいと言っていた。
学校内には、過去の溶接実習で作成されたコンピューター室の机、ガラス窓の外枠、ドアなど多く目にすることができ、有効に利用されていた。木工工芸講習に参加している子供達10名くらいが作業中であった。指導教師に話を聞いたが、この講習の目的は、子どもたちが余暇を有意義に過ごせるようにというもの。地域において子どもたちが芸術関係の分野の講習を受け、実習することは今まで全くなかった。この事業はとても貴重なものである。子どもたちは創造性を働かせ作品の制作をしている。それは、道具の使い方、色の使い方など。木工工芸に関しての将来性は、小企業として、周辺の観光資源を利用した開発を進めることで企業化の可能性は高まるが(具体的には、周辺には観光地での土産物として木工工芸品を販売する)、地域の指導者は政治的ではあるが、暮らしをよくする具体的な観点は持っていない。
溶接課程の地域貢献はかなり高いと感じた。学校施設や周辺の学校施設の椅子、机等の修繕に取り組み、成果を出している。
視察後、給食室でお母さんたちからビスケットとゆで卵の接待を頂いた。その席上、指導講師、助手たちの会話の中で、今後の進み方として2つの観点を持ちながら進めていくことが話された。一つはBuen Vivir(良き生活)の観点、もう一つは地域で自立したmicro empresa(小規模産業)実現の観点である。
学校菜園事業は、現在、ロテ・ドスでは実施されていないが種子を提供することで過去の経験により実施されている。しかし、昨年は作物の不作で給食への提供は十分ではなかった。主な収穫作物はレタス、キャベツである。種子の提供は学校菜園事業が持つ大きな目標であり、その実現は大事なことである。
この地域をはじめて訪問したのは今から12年以上前であった。今、感じることは事業に参加している若者たちの地域をよくするための積極的な意見と子どもたちの作業に没頭する真剣なまなざしであった。以前は口数の少ない人たちで、援助の期待しか口にしなかった。今も、もちろん事業の継続を訴えるが、その内容は「ボール盤があると多様なものの制作が可能だから購入できないか」といった非常に具体的なものであった。ここまでたどり着いたスタッフのヘルマンやダーウィンの努力を実感した。そして校長であるアンヘル・アスキに感謝したい。このアンヘルであるが、昨年10月電動グラインダーが飛んできて彼を目を直撃した。来週18日に退院するが片目を失明する大変な事故となった。今後、彼がこの地で今まで同様活動することを願う。
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