SANEでは今年度久しぶりに二人の出張者を出しました。特に2月に奨学生担当の後藤響子さんにエクアドル出張してもらった事は奨学生事業にとって大変画期的な事でした。SANEはずっと経済的に困難が続いてきており、複数の出張者を出す事、とりわけ助成金の出る事業費の中に出張が最初から含まれている教育環境事業と異なり、会員の会費からの資金を基盤とする奨学生事業ではここ何年も担当者を現地出張させる事ができませんでした。
今回あえて奨学生事業担当者に行ってもらったのは、この事業がSANEの主軸の事業であり、現地に行かないで恊働の仕事をする事は実際にはなかなか困難である事、逆に言うと現地に行く事によって事業の前進がはかれる事を理事会が認めたためです。
担当の後藤響子さんはフルタイムの仕事を抱えつつも、その傍らSOJAEの現地の仕事に寄り添い、SANEの会員の中のパドリーノス(奨学生の文通相手)と奨学生との間の文通による交流に力を尽くし、この事業を支えています。2月6日から15日の出張期間中に精力的に2つの支部の奨学生講座の視察と奨学生との交流、11人の奨学生の家庭訪問、事業担当者との話し合い、地域視察などを行いました。SOJAEの担当者とはSkypeなどでのやり取りはしていたものの、直接会うのは初めてという事で、お互いに知り合えた事で理解を深めることができました。
一方、杉田の出張は通常の教育改善事業(学校菜園と植林)を中心としたもので、3月8日から22日でした。学校菜園事業訪問校ではお伝えしたようにピサンビージャの水害にも遭遇し、地域の現実の厳しさを目の当たりにしました。また、次年度から新たに事業校として加わる学校(オットーシャルノウ校、ラファエルコレア校)にも訪問し、担当教師と話をし、子どもたちの様子も見てきました。ラファエルコレア校ではその村のリーダーや
保護者とも話をし、学校菜園や植林の事業が大変期待されていることがわかりました。
今回はその上に奨学生事業の卒業生にインタビューをし、彼らとの会合を持ちました。これによって改めて26年間積み上げて来た奨学生事業の成果を知る事ができました。
予算的には複数の人間を現地出張させる事は大変難しいのですが、私たちは常に『何のために』『どのように』活動するのか、そして『どのような成果』があり『どのような課題』があるのかを明らかする事が求められています。現地を知る事によってそのような課題をより多くの人が知り、寄せられた寄付金、会費や助成金を有効に使って行くことができるようになります。今後も日本で地道に仕事をしているメンバー(もちろんボランティアです)が出張できるよう皆様からもご協力を頂ければ幸いです。
*写真は上から、奨学生講座の様子(後藤撮影)サンパブロ・ウルコの学校の学校菜園担当の先生と子どもたち、オットーシャルノウ校の子どもたち、ラファエルコレア校の子どもたち(杉田撮影)。
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