2011年12月13日火曜日

新奨学生のパドリーノス決まる

SANEの活動の大きな柱として、現地の奨学生と日本の会員さんとの文通があります。
この文通相手を、男性ならパドリーノ、女性ならマドリーナ、両方一緒にパドリーノス(スペイン語は男性中心ですねー。便利だから使ってしまいますが・・。)と呼びます。
エクアドルの奨学生たちは、毎月30ドルの奨学金をもらっています。エクアドルは物価が高く、額としては大きいものではありません。でも、彼らが受け取るものは奨学金だけではありません。毎月の奨学生向け講座、彼ら自身のボランティア活動、さまざまなイベント、パソコンセンター利用、先輩からの補習などなどを通して、かけがいのない仲間を得、社会を見る目を育てているのです。
そして、もうひとつ大切な活動として、毎月日本のパドリーノスへ手紙を書くことが課せられています。
文章を書くことはエクアドルの子どもたちにとってあまり日常的なことではありません。最初は何を書いてよいのか四苦八苦。でも、パドリーノスからの返事をもらって、少しずつ心を開き、文章を書くことにも慣れてきます。12歳から18歳までを過ごす彼らは、まさに思春期真っただ中。しかも、多くの子どもたちが経済的にだけではなく、家庭的にも問題を抱えています。そんな彼らの成長を、地球の裏側から見守り、手紙を書いて励ましていくのがパドリーノスの大切な役割です。

今年もそんな気持ちでパドリーノ・マドリーナを引き受けてくれた10人の方々、ありがとうございます!
そういう、私(杉田)もその一人。実は、ウェンディ、ルイス、カルロス、クリスチャン、ヴィオレタに続いて6人目です。ウェンディは現在結婚してママになり、今年店を出し、その上SOJAEのリーダーとして活躍してくれています。ルイスは貧困を極め、途中で奨学生をやめて海岸地方に働きに行ってしまいました。元奨学生担当のイバンは事務所に彼の写真を貼って長い間彼の無事を祈ってくれました。私の机にもあります。カルロスは両親を早くに亡くしましたが、叔母の家族に支えられて育ちました。歌が上手で国立の合唱団で歌い国際的に活躍しています。クリスチャンは人の良い青年で、コンピューターの勉強をして働いています。ヴィオレタは卒業したばかりです。教師になってほしいという私の願いをよく知っていて、彼女も希望しながらも、家族を支えるために働き始めました。私に愛を教えてくれた、大好きな彼らです。新しくまた出会いが始まります。わくわくします。

SANEの奨学生プログラムは、じっくりと時間をかけて、人と人との信頼関係を作り、お互いに育っていくというプログラムです。忙しい時代にふさわしくない事業ではありますが、だからこそ、大切にしたい。もしよろしかったら、ご一緒にいかがでしょうか。SANEは常時パドリーノスを募集しています。

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