今年7月に、カヤンベ支部では、ジョセリン·エンリケス、ヒセラ·クアマカス、パメラ·オバンド、ネルソン·キロス、セシリア·チムボラソの5名が卒業を迎えました。長年に渡り、彼らと有意義な時間を過ごし成長を見守ってきました。入会時にまだ幼かった彼らが、今ではすっかり青年になり、外見はもちろん内面も成長しました。奨学生たちはいつも様々な思いを持って、最後の年を迎えます。人生の大きな節目に際し、「達成感」と「充実感」で満ちあふれています。両親が誇りに思っていることも感じます。一方で、今まで親しくしてきた仲間との別れの寂しさや将来へに対する不安な感情も入り混じっています。
卒業する奨学生は皆、大学等で勉強を続けたいと願っています。そのためには、大学入学資格を得ることと、家族の経済的支援を得ることの2つが必須です。大学入学資格を得ることは、年々難しくなっています。毎年、進学希望者の数は増えますが、教育の供給が追いついておらず、大学の定員や入学基準はあまり変わりません。また、統一試験は、予備校に通える生徒が有利になります。このような生徒が多い学校の評価も高くなります。奨学生らは、統一試験で基準点を獲れるかどうか、最寄りの公立大学に通うための家庭の経済的支援が得られるかどうかなど、将来に大きな不安を感じています。両親は、子ども達に勉強を続けさせる為、大きな犠牲を払おうとします。けれども、それだけでは不十分なのが現状です。卒業生が何らかの理由で勉学を断念しなくてはならなくなったと知った時、私たちSOJAEやSANE のメンバーは深い悲しみと無念を感じます。仕事をしながら大学も続けられないか励ましたり、期間を決めて仕事をし大学へ戻る選択肢を提案したりします。しかし、改善されてはいるものの、貧困や社会的排除など不平等な社会問題が根本にあると私たちは感じています。
*ダーウィンは高校の哲学の教師でもあります。その視点は鋭く、また貧しい家庭で母親を助けて生きてきた経験から、似たような境遇にある後輩達への温かな眼差しも感じます。彼は、JICA事業の経理担当者としても活躍しています。10月にはパオラと一緒に日本にやってきます。(写真は外務省訪問時。右端がダーウィン)
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