この会は初めて全員の先生方に集まってもらいましたが、これは各校が別々に取り組むだけではなく、先生方と一緒にチームを組んで問題を考えたり活動をしていけるようにするという目的があります。
会ではSANE の紹介、これまでの事業の説明をし、先生方と一緒にどのような問題があるのかを出し合いました。
まず最初に、各自が感じている問題を紙に書いて出し合いました。写真はその様子です。最初は戸惑いがちだった先生方もやがて積極的に書いてくれるようになりました。これをホワイトボードに貼って、同じ問題をグループにまとめました。栄養不足への懸念、学習に関する問題、子ども達の生活背景に関する問題などいくつかの問題群が出ましたが、その中から中心的な問題を『子どもたちの栄養不足』と定めました。
その後、この問題の原因となっているのは何か、そしてその問題があるためにどのような結果を招いているのかを出し合って、問題分析を行いました。写真はまとめていく過程の様子です。
ここで原因としてあげられたのは、両親が仕事で家にいないこと、栄養の知識がないこと、食事の内容が貧しいこと、販売目的の単一栽培になってしまっていることなどでした。
結果としてあげられたのは、学習への影響(集中できない、考えることが苦手、疲れやすいなど)、病気になりやすい、乳児死亡の多さなどです。このあたりから先生方の積極的な発言が見られるようになり、普段感じていることを発言していただきました。
次に、目的分析に移り、事業の目指すべきことを『子ども達の栄養改善』とし、そのための方法と、その結果どのような成果を目指すのかについて出し合いました。
方法として出されたのは、栄養研修、学校菜園、農業従事者の専門性を上げること、家畜を育てることなどでした。また、目指す成果は、食事の質をあげること、良い食材を生産すること、農業の質をあげることなどでした。そして、大きな目的として学校給食の実現が挙げられました。
各校の先生方(校長先生、学校菜園担当)は授業のあと集まってくださり、午後5時ごろまで2時間を超える会となりましたが、大変積極的に発言してくださり、充実した会になりました。
その後、SANEがこれから行おうとしている事業について説明をしました。今回先生方が話し合ったこととしっかりとこの事業が繋がっていることが共通認識となったと思います。
これまでSANEは1校1校と緊密に連絡を取って長く活動をしてきましたが、学校を超えて先生方が集まるような機会を作ることはできませんでした。今回はJICAが協力をしてくださったおかげで、国レベルでSANEの事業が認められたため、教育委員会の理解を得ることができ、こうした動きに繋がったのです。このことは先生方が子ども達の抱えている共通の問題を認識したり、その解決に向かって一緒に考えたり活動したりしていく力になっていく可能性ができたのだということを強く感じました。
また今回の出張の中で、元奨学生達が主体的に会を良い方向に導いていたのが印象的でした。写真は、問題分析と目的分析をまとめたダーウィン、そして事業の概要説明をしたアンドレアです。彼らが大学を出て専門家となって地域で活躍している姿は大変印象的でした。最後に杉田より先生方に、今後もチームとしてこの課題に取り組み成功に導いてきましょうと話をさせてもらい、参加者たちの一致をみることができました。現地の大きな期待を感じました。
この会議には、前日深夜に日本から到着した事務局長の東城も参加し、事業への期待を語るとともに日本のお菓子の差し入れがありました。
事業の今後が楽しみです。
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