2016年3月21日月曜日

今年度の出張について

SANEでは今年度久しぶりに二人の出張者を出しました。特に2月に奨学生担当の後藤響子さんにエクアドル出張してもらった事は奨学生事業にとって大変画期的な事でした。SANEはずっと経済的に困難が続いてきており、複数の出張者を出す事、とりわけ助成金の出る事業費の中に出張が最初から含まれている教育環境事業と異なり、会員の会費からの資金を基盤とする奨学生事業ではここ何年も担当者を現地出張させる事ができませんでした。
今回あえて奨学生事業担当者に行ってもらったのは、この事業がSANEの主軸の事業であり、現地に行かないで恊働の仕事をする事は実際にはなかなか困難である事、逆に言うと現地に行く事によって事業の前進がはかれる事を理事会が認めたためです。
担当の後藤響子さんはフルタイムの仕事を抱えつつも、その傍らSOJAEの現地の仕事に寄り添い、SANEの会員の中のパドリーノス(奨学生の文通相手)と奨学生との間の文通による交流に力を尽くし、この事業を支えています。2月6日から15日の出張期間中に精力的に2つの支部の奨学生講座の視察と奨学生との交流、11人の奨学生の家庭訪問、事業担当者との話し合い、地域視察などを行いました。SOJAEの担当者とはSkypeなどでのやり取りはしていたものの、直接会うのは初めてという事で、お互いに知り合えた事で理解を深めることができました。
一方、杉田の出張は通常の教育改善事業(学校菜園と植林)を中心としたもので、3月8日から22日でした。学校菜園事業訪問校ではお伝えしたようにピサンビージャの水害にも遭遇し、地域の現実の厳しさを目の当たりにしました。また、次年度から新たに事業校として加わる学校(オットーシャルノウ校、ラファエルコレア校)にも訪問し、担当教師と話をし、子どもたちの様子も見てきました。ラファエルコレア校ではその村のリーダーや


保護者とも話をし、学校菜園や植林の事業が大変期待されていることがわかりました。
今回はその上に奨学生事業の卒業生にインタビューをし、彼らとの会合を持ちました。これによって改めて26年間積み上げて来た奨学生事業の成果を知る事ができました。

予算的には複数の人間を現地出張させる事は大変難しいのですが、私たちは常に『何のために』『どのように』活動するのか、そして『どのような成果』があり『どのような課題』があるのかを明らかする事が求められています。現地を知る事によってそのような課題をより多くの人が知り、寄せられた寄付金、会費や助成金を有効に使って行くことができるようになります。今後も日本で地道に仕事をしているメンバー(もちろんボランティアです)が出張できるよう皆様からもご協力を頂ければ幸いです。

*写真は上から、奨学生講座の様子(後藤撮影)サンパブロ・ウルコの学校の学校菜園担当の先生と子どもたち、オットーシャルノウ校の子どもたち、ラファエルコレア校の子どもたち(杉田撮影)。

2016年3月20日日曜日

SOJAEの新たな一歩を目指してー卒業生と話す

明日までの予定でエクアドルに出張している杉田です。
SANEが支援した元奨学生たちは200人を超えています。そしてすでに社会に出て技術者、医者、看護師、教師などの仕事を始めている卒業生も。貧しい中を働きながら粘り強く大学を目指している卒業生たちもいます。
今回はカヤンベでもキトでもできる限り時間を取ってそういった卒業生と話をしています。その目的は、26年間の活動の一つの成果として、かつて奨学生プログラムの支援を受けた子どもたちが今何をしているのか、そして彼らにとって支援がどのような意味を持つものだったと考えているのかを知る事です。
SOJAEスタッフの協力を得て、インターネットを通じて出張前にアンケートを送り約50人から返答をもらい、こちらに来てからはカヤンベとキトで20人以上に会う事ができました。特に昨夜はキトで16人の卒業生と2人のスタッフも集まってくれて、熱心で楽しい話し合いができました。

卒業生との会は、私からのメッセージを読んだ後、一つの問いかけから始まりました。

メッセージ概略:26年間の活動の結果として、私たちの目標である『公正な社会の構築』に近づいたのでしょうか。そこに近づく基盤としての卒業生たちの今はどうでしょうか。あなたたちはファーストペンギンになれているでしょうか。
また、私たちの活動自体が他には見られないような、卒業生が支えている会であり、ファーストペンギンの姿を示しています。この活動が継続して行くためにはどうしたら良いのでしょうか。

問いかけ:SOJAEの奨学生事業はこれからも必要だと考えていますか?

この問いかけから始まった卒業生たちの話し合いはとても充実したものでした。経済的支援よりも青年の育成という点でとても重要だというのです。現在は学費は無料になっているので、奨学金が学校に支払う授業料支援という意味合いは少ないのですが、それよりも必要な事は社会性を身につけ、仲間と共に活動する事から多くの事を学び、互いの信頼を深め、社会への責任を身につけて行く事が何よりも重要だと言います。日本に来た事もある学生時代にSOJAE代表を務めたディエゴ・バレラは、2009年に大統領が言った『SOJAEやSANEのような会がなくなる事が政府の仕事』という言葉に応えて、『(私たちのような会は)もちろん必要です。』と強調しました。そしてエクアドルと日本の恊働の仕事こそ今後も継続して行く価値があるとそれぞれが話していました。
また、自分の奨学生時代を振り返って、奨学金がなければ今の自分はなかっただろうと、振り返ります。日本から見るとたった25ドルくらいの奨学金ですが、彼らにとってはやはり学業の継続のためには欠かせなかったのです。このことは多くのインタビューからも今回実感できたことでした。
エクアドルも日本も経済的困難を抱えている今、組織を支えて行く事は容易い事ではありません。彼らはそれぞれがどのような事が来出るのか時間をかけて出し合っていました。そばで聞いていて、話をまとめる力のあるパオラ、方向性を明らかにするディエゴ、多様な提案のできるガブリエルやより若いメンバー(38歳から18歳までいました)それぞれが果たしている役割を感じました。すでにSOJAEのウェブページも準備が始まっています。
彼らの今後の活躍が期待されます。

2016年3月16日水曜日

ピサンビージャの学校が洪水に見舞われ大変な状況です!

3月8日よりエクアドルに出張している杉田です。
カヤンベ地方では先週の水曜日の午後遅くから強い雨が降り始め、木曜日の夜明け頃まで続きましたが、ピサンビージャの学校の上方の水路が決壊、学校が洪水に見舞われ大変な事になっています。ピサンビージャはカヤンベから車で1時間ほどかかる遠隔地です。SANE・SOJAEが長く事業を行ってきた学校なので、早く状況を見に行きたいと、スタッフのヘルマンと話していました。途中の道が洪水のため通行不能となっていましたが、やっと昨日行ってきました。いつもの道は途中で寸断されており、やむなく引き返し、別の道からやっとたどり着きました。まだ土砂が道を遮り、大変危険でした。

学校では先生も生徒も一緒になって洪水で被害にあった教室の清掃や備品の片付けをしている最中でした。
右の写真で先生が示しているところ(下から約1m)まで水が来たのがわかります。
教室に置いてあったパソコンや印刷機はもう使い物になりそうもありません。教室に置いてあった教科書やノート、作品などもすべてが水につかり、使う事はできない状況です。さらに、古い土壁の調理室も浸水によってそのままにしておくと危険という事で、取り壊されていました。
寒い中にもかかわらず、生徒たちの中には素足で水仕事をしている子もいました。みんなが積極的に働いていましたが、いつになれば授業が再開できるのかは不明です。
社会包括省の人たちも視察に来ていましたが、今後の学校の復旧の見通しはついていないようでした。
SANE・SOJAEはこの学校で学校菜園と植林事業を行っています。左の写真は取り交わした事業の文書ファイルを校長先生が見せてくれているのですが、これも水につかってしまっています。
幸いな事に学校菜園の場所、植林の場所は洪水を逃れていました。一日も早く学校の活動を取り戻してほしいと願っています。

2016年3月4日金曜日

エクアドル支援のカフェと民芸品のお店「カフェ・デ・fuyafuya」

今週日曜日、飯能銀座商店街にある双木建築事務所オープンサイトにて、
エクアドル支援のカフェと民芸品のお店「カフェ・デ・fuyafuya」が1日限定でオープンします!

お時間のあるかたはぜひお気軽にお立ち寄り下さい。

日時  :平成28年3月6日(日)10時~16時
場所  :飯能銀座商店街
      双木建築事務所オープンサイト(埼玉県飯能市仲町7-28)
アクセス:西武池袋線飯能駅北口より徒歩7分

2015年12月9日水曜日

緑化のための植林事業始まる

10月から植林事業が新たに始まりました(実施期間は来年2月までの予定)。

エクアドル・アンデス山中では、一年中強風にさらされている学校がたくさんあります。サネはこれまでも学校菜園を行っている周辺地域に植林を行ってきましたが、今回国土緑化推進機構の助成金をいただき、この事業をさらに進めることができるようになりました。
 
この事業は、ピチンチャ県カヤンベ郡カンガウア教区にある、ピサンビージャ村とピタナ・アルト村の小学校の建物・菜園周囲を防風、防寒目的に行います。
現地農業技術指導者であるSOJAEのスタッフであるヘルマン・リコが責任者となり、苗木2,000本、肥料、穴掘り機材、剪定鋏を購入し、小学校生徒、教師、父兄の手で各1,000本、合計2,000本の苗木を植林するというものです。植林によって、寒さや乾燥から畑や子どもたちを守ることができます。また、保水効果も重要です。
 
その後、苗木の生育に重要な5か月間にわたり、上記の人たちの責任で水やり、除草、剪定、追肥等の世話にあたります。苗木は生育の早い4種類で、一般的に防風林として利用されている種類の現地の木です。生徒たちも担当する植林と苗の世話は、授業の一環として位置付けられることになります。
 
事業総額は52万円で、苗木、肥料、機材購入費、指導者、事務・管理者人件費、苗の世話に伴う学校指導教師謝金に使われます。
 
写真は2012年にサネの会員の鈴木満さんがエクアドルに行って植林をした時のもので、子どもたちが肥料を運んでいる様子と、保護者も一緒に木を植える穴を掘っている様子です。最後の写真は今年の8月に鈴木さんがエクアドルを訪問したときに撮ったものです。強風の中やっとここまで育ちました。
 
 
 
 
 
 
 
 
   

 

2015年12月8日火曜日

キトでバザール

夏に会員や飯能の皆さんにご協力いただき、ツアーメンバーのみなさんが運んでくださった数々の品物を販売するバザールが、キトで開かれました。
ちょうど聖週間(SemanaSanta)の時期だったこともあって、伝統の食べ物コラーダ・モラーダも作って販売しました。

SANEは特に円安の影響を受けて送金額を減らさなくてはならなくなり、事業の縮小を余儀なくされました。これを受けて、現地でも資金を作る努力が始まりました。このバザールもその一環です。
8月より、最初から赤字の予算で始まった今年度の活動ですが、このような現地の努力で赤字を埋めるように活動をしています。写真を見るとまだまだ内輪でやっているような印象を受けますが…。

一日で600ドル余りの収益が上がったようです。

みなさま、サネの出張が2月、3月に予定されています。ぜひご家庭の不用品(できるだけ日本製のもので未使用品)の寄付、ご協力をお願いします!