2012年1月21日土曜日

NPOとしてのSANEの役割を考える

エクアドルの子どものための友人の会(SANE)のミッション(使命・目的)は、エクアドルの人々が自らの力で豊かな社会を築くことができるよう、教育、福祉等を通して協力することです(定款第3条)。
1989年に発足して以来、日本においては専従職員を持たず、現地派遣員もいない状態でやってきました。会員数は現在約140人(賛助会員は含まず)で、すべての方が自分の生活の傍ら、活動に参加したり、毎月の会費を納めてくれたりしています。
そんな会が、NPO(非営利の市民組織)として日本でできることは何でしょうか。
昨年の東日本大震災で、NPOに対する二つの別れた評価がありました。一つは、NPOが役割を果たせなかったという評価で、もう一つは、国際協力NGO(国際的な支援活動をするNPO)が復興の大事な力となっている、というものです。
前者の評価は、NPOが行政委託の事業を受けるようになり、寄付や会員拡大の活動や独自の活動を失ってきた結果、市民とのつながりが弱くなっていたというもの。
後者は、国際協力の現場において、多様な経験を積み、当事者主権で事業を進めることの重要性を学んできたNGOが、復興事業に協力する中で、こういった姿勢やスキルを活かすことができた、というものでした。
SANEはもちろん小さな組織で、SANEとして震災支援に携われたわけでもありませんし、これからもそういった活動が会の活動としてできるということもないでしょう。
けれども、SANEにもできることはあると思います。
たとえば、活動報告会や講演会の中で、現地活動を通して私たちが学んできたことを多くの方に知っていただくことで、その中に出てくる『ほとんどのことが日本の問題とつながっているのでは?』と一緒に考えていただく。
奨学生事業の文通などを通して、自分とは違う世界の人を思いやる経験をする。
ふやふやの商品(フェアトレードのコーヒーやチョコレートなど)を買って、その背景に関心を持つ。
コンサートを楽しんだり、イベントに出て色々な人や文化と出会う・・・
昨年SANEはたくさんのイベントに出店しました。飯能だけではなく、京都でも、ある喫茶店の店主さんのご協力で展示販売会をやりました。このことは、たった一人の会員さんの力でも、普段のつながりを大切にする中でできることがあると教えてくれました。そして、こういったことをきっかけに地域のつながりが広がっていきます。
NPOとしてのSANEの役割・・・というと大げさに聞こえますが、自分のできることで、エクアドルの子どもたち支援の何かをやってみる、その中で結果として自分の周りの人々とつながっていく・・・そういう日常的な活動がSANEの特徴のような気がしています。

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