2020年4月5日日曜日

講習会2 〜困難を抱えるルイスウンベルトサルガド校


12日にはピタナアルト村のルイスウンベルトサルガド校での講習会を行うことができました。この後、全国で休校措置となり、講習会が中止に追い込まれたわけですが、その前にこの学校で講習会が開かれたことは幸運でした。                  
この学校は実は一番問題の大きい学校でみんなが事業を続けることができるかどうか心配をしている学校です。学校菜園も給食もなかなか進展しません。それでも現地事業補助員のみんなは教育委員会やJICAの担当者、教育委員会の担当者とともに学校教師に働きかけてきました。意欲が見られない学校の状況に、どのように働きかけたのかが講習会報告書で感じることができます。                            

学校の状況:12月の決定
講座を行う前に、参加者に今どのような状況なのかを説明しました。
この講習会に先立って、2月7日にSANEの要請でSOJAE(ソハエ:SANEと一緒に現地で活動する政府公認NGO)カヤンベ支部の支部長の要請によって教育委員会が呼びかけてオルメド地区のウンベルトフィエロ校とルイスウンベルトサルガド校の学校菜園経験交流会が行われました。この交流会は、学校菜園事業が進んでいるウンベルトフィエロ校を(学校菜園が進んでいない)ルイスウンベルトサルガド校の皆さんが訪問して学ぼうという目的で計画されたものです。
この日訪問したのはルイスウンベルトフィエロ校の学校菜園担当教師と他の教師1名(校長は用事があって来られませんでした)、村の代表と保護者が5名の8名で、迎えたのはウンベルトフィエロ校の校長と学校菜園担当教師と給食担当教師と保護者代表の4名、そしてJICAから4名でした。
この訪問によってルイスウンベルトサルガド校の菜園担当教師と保護者の代表はいろいろ学ぶことができました。ところが、その後この経験を学校に戻って報告をすることがないまま講習会の日を迎えてしまったのです。この話から講習会は始まりました。問題の一つはお互いのコミュニケーションがないことで、これについて村で話し合ってみる必要があると参加者は言っています。校長からは、この事業に対する不満を言っている人たちがいるという話も出されました。 写真は先住民言語で参加者に話かけるセグンドさん
その原因について、一人の保護者が発言しました。
「誰が食事の準備をするのか?中には両親が仕事で家にいない家庭もあるのに。」
学校で子どもたちに食事を準備することになるのはお母さんたちです。給食を出すことになれば、順番を決めてお母さんたちが学校に来なくてはならないのです。
これを解決するために意見交換が行われました。90家庭あるのだから年に2回か3回の当番になルコと、出られない人に代わって誰かが交代することもできるとの意見がでました。参加者は、学校だけではなく村の責任を確立することが重要だと認識しました。

学校菜園について:
種を巻くところから始めるとうまく目が出なかったので、最初からではなく苗を植えるところから始めることになりましたが、重要なことは今ある問題を確認することです。この講習によって幾つかの問題点がはっきりしました。農業の知識が確立され、成果がありました。左の写真は苗が育ちつつある学校菜園の様子です。
右の写真は苗の植え方を話すためにジョセリンが準備した画像です。
保健省の健康調査の結果について:
保健省は身長と体重測定を行なっていますが、この結果を知って生かさないければ意味がありません。この調査結果を知って生かしてほしいと担当者からまず話がありました。この学校では82人が測定を受け、26人が慢性的な栄養不足、2人が急性の栄養不足、9人が太り過ぎ、1人が肥満でした。妊娠中の栄養不足、悪い食生活、健康的社会的な要因などが栄養不足の要因であると説明されました。


 栄養について:
この学校では12月の講習会の時に停電になってしまい(よくあることなのですが)、栄養のテーマで講習を行うことができず、食品群について学べませんでした。そこで、少し内容を加えて参加者全員に食べ物の画を配り、材料を特定し、食品群に分けるという作業を行いました。この学習の後、参加者は食品群について理解し、どのくらい食べなくてはいけないのか、通常の食べ物についてどのように食べているのかを理解することができました。写真は用意した料理の写真を見ながら食品群に分ける様子とクチャラ(参照:この前のブログ)の図を手に取るお母さん。
アンケートの実施:
食事をしている間にアンケートを実施しました。写真は食事をしている参加者にアンケートをとっているジョセリンです。
食事:
空豆、メジョコ、皮付きジャガイモ、チーズ、玉ねぎとトマト、唐辛子のサラダが準備されました。また飲み物にはハーブティーが準備されました。この食事についてもみんなで食品群に分けてみました。

ジョセリンは後の日本のサネメンバーとの会議で、この学校の問題は学校菜園の担当教師に起因するものが大きいこと、保護者は前向きであると語っています。学校の適切な役割分担で今後事業が進展し、子ども達が美味しい食事を食べることができるよう期待しています。現地の努力を称賛し、協力いただいている教育委員会とJICAに感謝します。

          

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