エクアドルで新型コロナウイルス感染症の問題が大きくなる直前に、カヤンベ市においてJICA草の根事業の一環で学校給食連絡協議会が行われました。この連絡協議会は、カヤンベ山間部の小中学校で安定的に給食を提供できるシステムを支える重要な役割を果たすことを目的に開催されています。メンバーは、各学校の代表者(校長、担当教員)、SANEメンバー(事業担当者、現地事業補助員)と教育委員会、保健省カヤンベ支局担当者、JICA担当者などが加わります。これは教育委員会の招集で、教育委員会の建物で行われています。
今回も通常通り教育委員会の一室で開催されました。参加者は、現地事業補助員のヘルマン・リコ、ダーウィン・バスコネス、ジョセリン・コヤゴ、各学校の代表と現地アドバイザーのセグンド・デラトレー氏、保健省のディエゴ・バカ氏と、JICAから秋山さんの17人でした。教育委員会のパブロピラモンガ氏は委員会を代表して挨拶し、この事業の重要性、事業の参加している全ての学校にとって大きな利益であること、そして他の地域に広がっていくようにということを強調しました。
まず、ダーウィンから日本での研修について報告がありました。
ダーウィンの言葉より:日本の給食に関係するアクターの関わり方、組織と日本文化には、私たちみんなが素晴らしいと感嘆の声をあげ、羨ましくも思いましたが、何よりも際立ったことは、日本では教育と健康に最も優先順位をおいていたことでした。(例として、自分たちの社会ではサッカー場を優先すると挙げたようで〜笑いが起きたでしょうか・・・)どこでも清潔さと組織的であることは変わりませんでした。
次に事業の進捗状況についての話し合いがありました。これは12月の講習会と給食委員会の時に各校で3月までの目標を上げましたが、これについての報告でした。
ピサンビージャ村のヘネラルアントニオエリサルデ校とサンパブロウルコ村のウンベルトフィエロ校では食事の回数(毎日)は維持されていました。しかし、栄養的に改善が必要です。すなわちメニューの改善が課題となります。
らコンセプシオン村(旧アソシアシオンピタナ村)のラファエルコレア校では12月の講習会で毎週出す食事の回数をそれまでより1回増やすという方針を立てました。その後、月曜日と水曜日は食事を出し、金曜日はパンバメッサを通してみんなで食事を共有するという取り組みをしました。
パンバマルカ村のカルロスビセンテアンドラーデ校では決めた通りに週に1回の食事の提供をしました。ただ、これには大きな教師の努力があったからでした。2ヶ月継続した後今は中断しています。このやり方では継続が難しいので、保護者が責任を持ってできるように、保護者会で話し合う予定です。
ロッテドス村のアドルフォベッケル校では週に1回の食事の提供をすると決めましたが、それは実行されず、これまで12月、1月、3月に1回ずつ出しただけで終わりました。校長によると、この原因は学校と村の代表委員会との間に合意がなかったためだとのことでした。改善をしていくために来週講習会が行われる日と同じ日に新しく委員会を持つとのことでした。
最後にピタナアルト村のルイスウンベルトサルガド校ですが、この学校では前の講習会で一致した方針を出すことができませんでした。しかしその後、教育委員会のパブロピラモンガ氏が関わってくださり、週に1回の食事を出すという合意ができました。けれどもまだそれは実行されていません。校長によると保護者の資金面での協力が得られていないこと、さらに学校菜園担当者も作物があるときは提供があるけれどもないときはないという調子で、結局積極的な関わりがなかったとのことでした。
こうした状況を出し合って、今後どのように対処していくのかを話し合いました。食事の提供を始めるためには、校長、学校菜園担当教師、保護者(村)などの共通理解とそれぞれの役割を果たすという参加が必要です。これはそう簡単なことではありません。6校の中にも強い意思を持って努力を積み重ねている学校もあります。最初の3校はもとより、パンバマルカの教師達は保護者の協力が弱い中をなんとか食事を出そうと努力しました。それでもやはり保護者の協力抜きでは継続できないことがわかります。この報告書を読むと6校の代表が会に出席して前進しようとしている様子が伝わってきます。SANEは、実現までに必要な協力を行なっていきたいと思います。
保健省の行った健康調査については次回にお話しします。
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