SANEは、カヤンベの山間部小学校を支援する活動とは別に、設立時からずっと続けてきた中高校生への奨学金授与と毎月の日本人会員との文通や講習会を通した奨学生事業も行っています。奨学生数は36人と多くはありませんが、一人の子どもに時間をかけて丁寧に成長を見守っていくこの事業は学校全体を支援する事業とは違った良さがあります。
少し遅くなりましたが、昨年の秋に決まった新しい奨学生のご紹介をします。子ども達の生活背景の厳しさが感じられます。キトの奨学生担当のヘネシスさんは、奨学生の選考を経て次のように語っています。
キト支部では、書類審査、家庭訪問、面談を経て、9名の学生を選びました。オンラインで課題を提出するためのタブレットを持っていない中で成績を伸ばしている子、母親しかいなくても頑張っている子、二人のベネズエラ出身の子も選ばれました。彼らは移民であることで、学校でいじめを受けています。奨学生になって交流を持てるようになるのは彼らにとっても他の子にとっても良い経験になると期待しています。
SANEではこの奨学生一人ひとりに文通相手を募集し、今では全員が日本人の会員と手紙の交換をしています。一般的には以前と比べると手紙を書く機会は減りました。そんな中で文通相手になってくださった会員の皆さんは、何を書こうかと悩む時もあるようですが、楽しんでくださっています。手紙の中で家族がコロナに罹ったとか、事故で亡くなったとか、家を追われたなどといった事情に驚かれて担当に問い合わせがあることもあります。奨学生部会では毎月現地担当者と会議を持って情報交換をしていますが、文通相手の方が手紙の中で知る情報も貴重になります。みんなで一人一人の子どもの成長を見守っています。
次回は文通の様子をお伝えします。
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