2020年5月2日土曜日

『学校に行ける』ということ

今日は久しぶりに杉田優子の(ツイッターよりは)長めの呟きをお届けします。
 私はここ何年か非常勤講師として大学で教えているのですが、今年は一体いつ授業が始まるのかと大学生の皆さんも不安な時を過ごされたことと思います。大学も(きっと休校中の日本の大方の学校が)初めての経験に直面して困惑し、大変な毎日だった(おそらく今も)と思います。普段授業以外では大学に行くことのない私のところにも学内の大変な様子が伝わってきました。『授業ができない大学は役割が果たせない、それは大学としての死を意味する』そんな言葉だったかどうか、メールを受け取った時は私もショックを受けました。けれども同時に学生の学業保証をするために闘っているスタッフの皆さんに強い共感を覚えたのでした。それからほぼ毎日のようにメールを受け取り、私たち教員もオンライン授業の準備の渦の中に飛び込むことになり、目の悪い私などは目薬を指しながらパソコンと睨めっこをする毎日。こうしてようやく昨日5月1日に初めてのオンライン授業が始まったのです。
 大学2年生と1年生を対象にした二つの授業があったのですが、心配が的中し大学のシステムはアクセス過剰でダウン。資料が置いてあるサイトにアクセスできなくなってしまいました。そこにオンラインのURLも掲載されているのです。授業開始当初オンラインサイトに入れない学生がたくさんいたのですが、前日ちゃんと準備していた学生が友達にSNSで連絡、また私に問い合わせてきたりして、90分の間になんと全員が参加(22人と31人)。ちょっと感激でした。全員の声を聞くのが第1回の私の目標の一つ。『今どこにいるのか』、『今の気持ちを一言』この二つを聞いてみました。実家にいる学生がほとんどで、東京、神奈川、千葉、福岡、鳥取、香川、奈良、滋賀、大阪、栃木、宮城・・・と全国からのアクセス。そして、ひとりぼっちで孤独だったけれど授業が始まって嬉しい、不安でいっぱいだけれど頑張りたい、緊張しているけどワクワクしている、やーっと授業が始まって嬉しい、早くキャンパスに行けるようになりたい、早くみんなに会いたい、そんな声、声。特に1年生は心細かったことでしょう。先生オシャレですね(オンラインでは色々隠せます笑)、後ろの観葉植物がきれいですね(ひと鉢300円くらいで買ったものが何年も経ってジャングルのように笑)・・やはり2年生はちょっと余裕だ〜・・。
 終わってぐったり疲れましたが、思い出しても胸が熱くなります。学校があるということ、授業が受けられるということがどれほど大切なことか、それが当たり前の時は気づかなかったことが今は切実な思いとして感じられます。そして思うのです。世界中でこんな不安と孤独の中で生活している子ども達のことを今なら身近に想像できるかもしれないと。私たちは今日の食事にも明日の生存にもそれほどの不安はないけれども、その保証もない中で暮らしている子ども達のことに少し目を向けて、自分に何ができるのか、そして自分は何のために学ぶのかをちょっと考える時間を持って行けたら、社会も自分の人生も変わるかもしれません。コロナが落ち着いたら元の生活に戻るんじゃなくて、元とは少し違った生活にしていきたいですね。
 エクアドルではまだコロナ感染が収まっていませんが、5月から少し規則が変わったようです。次回書きたいと思います。
写真右上:パンバマルカ村カルロスビセンテアンドラーデ校。
写真左:ピサンビージャ村ヘネラルアントニオエリサルデ校
学校休業中に、学校菜園に来て世話をする子どもとお母さんたち。仕事を失っている人が多い中、食料の確保として学校菜園は大事です。 
 


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