2011年6月14日火曜日

2011年3月エクアドル出張の写真です

これは、 カヤンべでの奨学生との交流会の写真です。ちょうどエクアドルに滞在中の理事の宮地友美子さんも来てくださいました。写真を撮ってくださったのは、一緒に滞在していた若い会員の木崎詳子さんです。
毛糸の玉を投げて、受け取った人が自己紹介します。カヤンべの奨学生たちは、家庭が貧しく色々な困難を抱えている子が多いのですが、毎月開かれている奨学生の会に元気な姿を見せてくれます。みんな仲良しで、私たちにも親しく話かけてくれます。
奨学生たちは日本のSANEの会員と文通をしています。その文通相手のことを相手が男性ならパドリーノ、女性ならマドリーナと呼んでいます。
この日は、3月11日の日本の震災の直後で、奨学生たちもニュースを聞いてショックを受け、マドリーナが心配で泣いていた子もいました。
私は朝テレビで大騒ぎをしているのを見て知りました。日本とエクアドルは遠く離れていますが、太平洋を離れて隣り合わせ。テレビではエクアドル大統領が出演して、津波が来るから厳戒態勢をとるようにと何度も注意を喚起していました。私は日本に電話をして家族の無事を確認しましたが、非常に大きな災害になりそうなことと原発の問題が出ていることを知って心は重いままでした。
カヤンべの奨学生たちは、今『性と生について』の学習を進めています。エクアドルはまだまだ男性優位の社会ですが、性に関する社会のあるべき姿について考え、自分の生き方を考えていこうと取り組んでいます。(杉田)

2011年6月7日火曜日

エクアドル絵葉書

-ふやふやプレゼンツ-
エクアドルポストカード

1枚 150円
2枚組(280円)、3枚組(400円)でも販売しています。
お好きなカードを組み合わせて下さい。

撮影者: ある1枚以外は、プロの写真家でカヤンべのボランティアの、ダビッド・バレンスエラさんです。後の1枚は秘密(笑)。どれかな?
製作協力: studio hana

(1) (2) (3)
(4) (5) (6)

限定: 各100枚(えっ、600枚も作ったの!?)
申し込み: sanejapan@hotmail.com

楽天的店主のひとりごと: "このポストカードが売れたら・・・ 次回は会員が撮った、SANEの活動を紹介するポストカードを作成したいなぁ。"
その際にはぜひご応募を!     

直撃インタビュー!! Vol.3 

今回は、現在エクアドルに滞在中のSANE会員の木崎子さんにお話を伺いました。

ー今回はどのような目的で、どのくらいの期間、どこに行く予定ですか?

3月から約3カ月エクアドルにいて、その後は1ヵ月ペルーに行き、ボリビア経由で帰国します。スペイン語の習得をしつつ、南米の文化や習慣を知りたいと思います。

ーSOJAEの活動にも参加されたようですがどうでしたか?

学校菜園、木工コースの展示会、溶接コースの修了式の見学をさせていただきました。

溶接コースで作られたすべり台やブランコ、鉄棒はとても立派なもので驚きました。すべり台を滑らせてもらいましたが、角度が割と急でスリリングでした。

菜園も新鮮な野菜が綺麗に整っていて、とても美しかったです。

エクアドルではカラフルな衣裳を着たインディヘナや、オタバロ、カヤンベの民俗衣裳を着た人が普通に生活していて、そのような綺麗な衣裳で力強く土木作業をしている姿が印象的でした。

奨学生達は皆元気で、日本の同年代の子達とあまり変わらない印象を受けました。

―SOJAEで、自己紹介を含めたプレゼンテーションをしたようですがどうでしたか

自分の生まれ育った土地のことを、写真を交えて紹介しました。その後は○×ゲームをしました。(例えば相撲の土俵の形は四角である。○か×か、等)最後まで残った子に景品をプレゼントしました。拙いスペイン語でしたが、周りの方のフォローもあり盛り上げることができました。

ー今後はどのようなことをしようと思っていますか

まずはスペイン語の勉強を頑張りたいです。その後は、自分に何ができるか、ゆっくり考えていきたいと思います。

ー最後にコメントがあればどうぞ。

エクアドルの空気を目いっぱい味わって、日本に持ち帰りたいと思います。

1月30日パドリーノス・翻訳者交流会開催

飯能にお住まいの元マドリーナで、森の音楽ホールをもっていらっしゃる三橋さんのお宅にて、パドリーノス・翻訳者交流会を行いました。参加者はなんと総勢22名! 「質問しても答えが返ってこなくて心配…手紙にはどんなことを書いたらいいの?」「あまり手紙が書けなくて申し訳ない」などといった悩みに対し「心配している気持ちをそのまま素直に手紙に書いてみたら?」「たとえ2、3カ月に一度でも交流できることが大切」などといったアドバイスもお聞きすることができ、部会としても大変貴重な機会となりました。今回要望としてあがったものについては、出張の時に奨学生および現地スタッフにも伝えました。場所を提供してくださった三橋さんをはじめ、参加してくださったみなさまありがとうございました!


1月30日に行われた交流会に参加しました。東城さん、杉田さん、そしてそれまでお会いする機会がなかったパドリーノ、マドリーナ、翻訳ボランティアの皆さんが、SANEに対する想い、文通に関して日頃感じていることなどひとりずつ発言していきました。パドリーノスの方たちが、奨学生に対してとても思いやりを持って手紙を書いていらっしゃることに感心し、翻訳ボランティアの方たちが感じていることには共感することもありました。それぞれの役目に真摯に取り組んでいらっしゃる皆さん、掛け値なしに素晴らしいです。これほど熱心な方たちに支えられている奨学生たちは幸せですね。「あなたが幸せなら、私も幸せ」この気持ちがSANEの活動を支えているのではないでしょうか。皆さんの話を聴いて、ポジティブなエネルギーを受け取り、パドリーノの方と奨学生の間で理解が進むよう、毎月送られてくる手紙の翻訳に一層、心を込めて丁寧に取り組もうという思いを強くしました。日本とエクアドル両国でそれぞれが出来る事を活かし、でも無理をすることなく、SANEの活動を支えて幸せを感じる人が増えることを願っています。会の後半では、参加された方の演奏によるミニコンサートがあり、楽しませていただきました。そして、「この立派なホールに今、ペペがいたら、マイクを離さなかったなぁ」と以前、私が通っていた「アミーゴ」というスペイン語教室の生徒を前にして唄っていた姿を懐かしく思い出したりもしました。会場となった三橋さん宅は木の温もりを生かした造りの部屋、薪ストーブから漂ってくる木の燃えるにおいがとても素敵で、心地良いひとときを過ごすことができました。この場を借りて、三橋さんご夫妻にお礼申し上げます。

今年も三木山フォルクローレ音楽祭へ参加します!

55日に三木山フォルクローレ音楽祭が開催されます。西日本最大級のフォルクローレイベントで遠く九州から参加されるグループもいます。昨年もたくさんの方々と知り合うことができました。新しい楽器との出会いのあった方も。音楽、歌、ダンスとギュッと詰まった一日をみなさんも一緒に楽しみませんか?今年もエクアドルの商品を持って参加します。お手伝い頂ける方は下記担当者までご連絡ください。

日時:平成2355日(木・祝)10001900

場所:兵庫県立三木山森林公園 森の文化館「音楽ホール」・エントランス広場

(山陽自動車道「三木東IC」から10分/神鉄上の丸駅から徒歩15分)

担当者:バーナン・スペンサー、あや子・スペンサー(日本語・英語OK)

E-mail:natureves@bca.bai.ne.jp  TEL:0797-61-0120

三木山フォルクローレ音楽祭HP:http://mikiyama.sub.jp/

2011年度「SANE定例総会」「活動を語る会」のお知らせ

新しい一歩を!-今、私たちに求められていること。エクアドル支援のフィールドから-

日時:2011529日(日)10301530

10301200 『活動を語る会』 一般の方も気軽にご参加ください。

13001530 『SANE定期総会』

会場:飯能市民会館2階大会議室

*午前中から参加されるみなさんにはお弁当をご用意します。

*総会出欠、委任状返信はがきの投函は522日までにお願いします。

励ましの声が届きました!

スタッフ、奨学生、関係者からも励ましの声を頂きましたが、今回はSOJAE代表
ディエゴ・バレラからのメッセージを紹介します。

心痛むこの時、私たちSOJAEメンバー全員は、日本国民の皆さんに連帯の気持ちを
お伝えしたいと思います。みなさんに、兄弟としての抱擁と、難局を乗り越えるための大きな力を送ります。 長い年月手を携えて続けた活動によって、SANEとSOJAEは強い友情と連帯の絆を築きあげてきました。みなさんが、そしてみなさんのご家族と友人、隣人や全ての人々が、元気でいますよう祈っています。こころをこめてSOJAE代表 ディエゴ・バレラ

元気を出して新しい一歩を踏み出しましょう

311日に起きた東日本大震災で被災された皆さま、その影響を受けられている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

現在のところ会員の方で直接被害に遭われたという報告はこちらに届いていませんが、すべての方が今なお大きな不安や心配を抱えて状況を見守っているという状態だと思います。SANE41日の活動報告会、8日のエクアドルコンサートは中止しましたが、『こんな時だからこそ、日本の友人と連帯したい。』と予定通り来日したホセ・アルメイダの意志を受けて、410日に被災した子どものためのコンサートを開催しました。

今回の事態は私たちに色々な事を示唆してくれています。中でも『私たちはなぜエクアドルに関わって活動をしているのか』という問いに応える良い機会を与えられているように思うのです。奇しくもSANEビジョン前号に今年の課題として書かせていただいたように、開発(発展)の方向性を再考し、次の世代に安心して引き継げるような、持続可能な生活のあり方に切り替える大きなチャンスを、今まさに与えられていると思います。エクアドルという、もう一つの世界と深く関わることによって、教えられることはたくさんあります。私たちが時間をかけて育てて来た若者たちが、ようやく国を支えるリーダーとして活躍を始めています。新しい生き方を求めて、地球市民としてつながりあって生きる-元気を出してその一歩を共に歩もうではありませんか。

なお、この間多くのエクアドルの仲間やその友人たちから心配と励ましの声をいただきました。この場をお借りして心から感謝致します。

コレア大統領来日

96日、7日に、ラファエル・コレアエクアドル大統領が来日されました。菅総理との会談では、両国の協力を強化し、核兵器のない世界、国連改革、日本企業のエクアドルへの安定的な関わり、地デジの日本方式採用、10月に名古屋で開催されるCOP10における、ガラパゴス,アマゾンの熱帯雨林等で多様な生態系の保護に向けての協力などについて話し合われました。(写真提供:外務省)またこの来日には、エクアドルが国際社会に提案している、ヤスニITTイニシアティブについて、日本政府や市民組織に協力を要請するという重要な目的がありました。エクアドルは生物多様性のある自然豊かな国です。アマゾンにあるヤスニ国立公園も、豊かな生態系で知られていますが、ここの地下には85千万バレルの石油が埋蔵されているといわれています。エクアドルは経済的な困難を抱えた国であり、石油の輸出に依存してきました。しかし一方で石油採掘は自然破壊や地域の人々の健康被害など、様々な問題も生み出しています。ヤスニITTイニシアティブは、エクアドルがヤスニITTと呼ばれている地域の石油開発を永久に断念することによって、生態系の保護や先住民の生活保護を優先し、また、開発によって見込まれる4億トンのCO2も排出しないことを選択するので、その代わりに国際社会に、開発した場合に見込まれる収益約80億ドルの約半分である、36億ドルを拠出してほしいというものです。国連開発計画(UNDP)はこれに合意し、ヤスニ基金が設立されました。この基金への協力を訴えるために大統領、外務大臣、環境大臣などが来日したのです。

 私は、6日に行われた来日した大臣たちと市民組織との話し合い、7日のコレア大統領による国連大学での講演に参加しました。大変印象的だったのは、市民組織のメンバーと対等に話をしようという、みなさんの姿勢でした。上の写真はその時のものですが、エクアドルの労働組合の代表、外務大臣や文化庁長官と、日本の生協、ピースボートやナマケモノ倶楽部のメンバーが互い違いに座っています。国連大学での講演は、『21世紀におけるエクアドルとラテンアメリカ地域の挑戦』というテーマでした。講演の後一瞬でしたが直接お話しができ、SANE20周年記念誌も差し上げることができました。

インタビュー

みなさんと奨学生をつなぐ文通担当の笹尾陽子さん後藤紀久代さんに伺いました。

―SANEと関わりはじめたきっかけはなんですか。

笹尾 2006年に会員だった濱田みのぶさんの紹介で杉田さんと出会ってから始まりました。

その時から文通の担当をしています。

後藤 杉田さんとは30数年の付き合いです。

杉田さんの紹介で1994年から会員になって以前はマドリーナもやっていました。

―現在の担当について教えてください。

笹尾 文通の手紙の仕分け作業を担当しています。名簿を見ながら翻訳者とマドリーナ、パドリーノへ手紙を仕分けして送っています。DHLでエクアドルから送られてきた手紙を早めに翻訳者に送り、翻訳者のところにたまらないように心がけています。

後藤 切手貼り。笹尾さんのお手伝い。事務局にくるのが元気の素になってます。エクアドルから手紙が届くと来ています。

杉田 作業している間、姫乃ちゃん(笹尾さんの娘さん)の宿題を見ています。(笑)

―どんな思いで担当を続けていますか。

二人 みんなに会いに来ることが楽しいから!!(笑)

―今までで一番の思い出はどんなことですか。

笹尾 以前は手紙の仕分けを一人で担当していましたが、1年くらい前から事務局で一緒にやるようになりました。みんなで作業するようになってから、後藤さんもいて作業がスムーズに進むようになってよかったです。

後藤 (笹尾さんのコメントより)杉田さんと笹尾さんがしっかり作業しているか、姫乃ちゃんが宿題をちゃんとやっているか、私はチェックしているだけよ。(笑)

―最後に一言ずつお願いします。

笹尾 手紙をこれからもたくさん送っていきたいと思っています。手紙の作業をしているとエクアドルからの手紙は多いですが、日本から送る手紙が少ないので「増えるといいな~」と思っています。マドリーナをやっていますが、まだエクアドルに行ったことがないので現地の生活がわからず、手紙の内容が一方通行になってしまいます。奨学生の情報、生活についてもっとわかるいいと思います。

後藤 今後もできる範囲でお手伝いしたいと思っています。

(笹尾さんのコメントより)私はエクアドルに行って意識が変わりました。カヤンベの奨学生は素朴だったけど、キトの奨学生が大人っぽくて驚きました。現地のスタッフ、日本の方々の苦労がわかりました。

SANE関西交流会報告

SANE関西交流会が1127日(土)はじめて京都で開かれました。おだやかな日和でまずは一安心。今回は新しくメンバーに加わりメキメキ実力を発揮されている宮地さんのご尽力で京都での開催となりました。午前中は、会員・賛助会員・一般の方等30名あまりの方が“ひと・まち交流館京都”に参集、杉田理事長のご挨拶、SANEの紹介、自己紹介、古田史学の会の大下隆司氏の「古代における太平洋の交流について~古代史からみるエクアドルと日本の繋がり~」のお話が続きました。特に最後の大下氏の講演内容は大変興味深い内容でみな熱心に聞き入りました。私も聞きながら、はるか遠く縄文時代に思いをめぐらしました。又ふやふやでコーヒーを仕入れているウインドファームの日下部さんのコーヒーの説明はこれからイベントで売る時に大変参考になりました。昼からは、京都紅葉の穴場「日向大神宮」へ。満員の地下鉄でこんなにたくさんの人が行くの?と不思議に思っていたら、駅を降りて殆どの人が南禅寺の方面へ右に大移動。私達は一路反対側の左へ進み一安心。細い登り道と階段を上がるとあっと驚くような空間が広がりとても落ち着く大神宮のお姿で、まさしく歴史と重みを感じる『穴場』でした。パワースポットの「天の岩戸くぐり」も大人気でした。冬の桜と紅葉のコントラストがステキでみなさん写真をとりまくりました。

SANE活動報告会のお知らせ

秩父市在住のペルー先住民のイルマさん、エクアドル人ぺぺさんをお迎えして、アンデスの自然とそこに生きる人々の話、SANEが展開する学校菜園事業を始めとした先住民地域での活動、そしてそこから教えられる日本の私たちの生き方について語り合います。アンデスの歌や踊りもご披露できるかもしれません。

日時:41日(金) 午後630分~

場所:文化創造アトリエ アミーゴ 西武池袋線仏子駅徒歩5

問合せ:SANE事務局 メール:info@sanejapan.org 携帯:090-4605-9738

奨学生部会からのお知らせ

手紙以外の贈り物、お届けします!

226日より杉田優子がエクアドルに出張いたします。通常奨学生に送る手紙の中には手紙以外のものは入れられないことになっていますが、今回ご希望の方がいらっしゃいましたら、事務局までお送りいただければ杉田が持って行きます。わからないことがありましたら、担当(嵩岡)までご連絡下さい。お送りの際は、次のことをお守りください。

1)通常の封筒に入る程度の小さなもの、軽いもの。表に相手の奨学生の名前、送り主の名前をお書き下さい。

2)DHLで送る通常の手紙と一緒にならないよう、表に「プレゼント在中」と明記下さい。間違えてDHLで送ってしまうと送り返されることとなり、DHL社に迷惑がかかります。

3)高価でないものをお願いします。(目安は千円程度)

4)品物につける手紙や解説は通常通り手紙として翻訳者にお渡し下さい。翻訳者から出張前にお送りいただければ一緒に持っていくことができます。

手紙の送付先が変わります!

文通管理作業の場所の移転に伴い、20112月から手紙の送付先が笹尾陽子宛からSANE事務局宛に変わります。なお、手紙送付担当は今まで通り笹尾で変更はありません。

連絡先:042-972-2060(笹尾陽子)

新手紙送付先:〒357-0006埼玉県飯能市中山493-10杉田方 

エクアドルの子どものための友人の会 奨学生担当

新たに奨学生が入会しました! 

11月より新たに奨学生が入会しました。カヤンべに住むエンリー・セバジョスくん(13歳)です。カヤンべ技術学校に通っています。現在パドリーノ・マドリーナも募集中です!

新年の挨拶

年頭に当たり、新年のごあいさつを申し上げます。

社会的にも経済的にも様々な問題を抱え、誰もが一抹の不安を抱きつつも、陽はいつものように昇り、穏やかな年明けを迎えています。SANE会員、支援者、友人の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。昨年も多大なご協力をありがとうございました。

開発を再考する―ポスト・グローバリゼーションの展望

 これは12月に行われた国際開発学会のテーマでした。金融危機を経てグローバリゼーションが転換期を迎えていると言われ、他方で気候変動や自然資源への懸念の増大などによって、これまでのような快適な生活の追求が、よき生活、意味ある生活をダメにしているのではないかと問い直されているのです。問題に直面しているのは途上国だけではありません。私たちはこれまで以上に、共通の地球規模の問題に取り組んでいくことが求められています。当然、開発支援を行う場合も、何を目指して、あるいは誰の、どのような生活を作るために支援するのか、現地の人々と共に考えつつ、同時に私たち自身の責任についても考えていかなければ片手落ちになるでしょう。

鍵となる言葉を二つ、『ダウン・シフティング(downshifting)』、そして『私たちと自然との関係を変える(戻す)』。SANEの奨学生事業やカヤンベでの学校菜園事業等でも、あるいは日本での取り組みにも、活かされる言葉ではないでしょうか。

新しい段階に入った活動―共に歩む仲間として

 昨年はSANEにとってもSOJAEにとっても試練の年でした。その試練を乗り越えて、私たちの活動は一つの段階に入りました。SOJAEが自立的、持続的な活動に入ろうとしています。20年余を経て元奨学生たちが有給スタッフ、ボランティアスタッフとして活動を支えるようになり、まだわずかな額ながら、SANEからの資金の他に自分たちで資金調達の道を考え、他組織、行政や企業、周囲の人々と結びつきながら歩み始めました。もちろん課題は山積しています。しかし大きな一歩であることには間違いありません。当然のことながら、SANEの支援も変化していくことを考えなくてはなりません。また、エクアドルが外債問題に取り組み、自立した国家として歩み始めていること、その豊かな自然を守るという課題を考えると、それは私たち日本のあり方にも深く関係しています。私たちの活動は、様々な意味で少しずつ先進国―途上国という関係から、未来のために共に歩む仲間という関係に変化していく時が来ているように感じています。

 このような2011年の年明けに際し、今年の課題を『新しいあり方を考える』と置き、皆様と共に歩んでまいりたいと願っています。今年もどうぞご一緒に。