2020年4月26日日曜日

ハチドリのひとしずくプロジェクトにご協力ください

エクアドルでは海岸地域グアヤキルの被害が特にひどく、エクアドルにつながる幾つかの団体が共同でこの支援を始めることになりました。以下、プロジェクト実行委員会からの呼びかけを一部転載します。HPはこちらです。https://ecuadorjapan.wixsite.com/website

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。エクアドルでは、2月29日に国内最大の商業都市グアヤキル市においてはじめてのコロナウイルス感染者が出たと発表されました。

◆エクアドルの現状
現在までの国内感染者数22,719人、死亡者数576人、この他に新型コロナウイルスによる可能性のある死者数1,060人と政府により公表されています。(情報元:在エクアドル日本大使館4/24時点)
人口が日本の約1/7の国にも関わらず、可能性のある死者数を含めるとその死亡者数は日本の約5倍にも上ります。港を有する商業都市グアヤキルでは、ご遺体の引き取りや検死が追い付かず、路上に放置されたという非常に辛いニュースも報じられました。
エクアドルから届く友人たちからの訃報、厳しい医療体制の状況を聞くと、政府や各報道機関が報じる数字よりも、何十倍もの厳しく緊迫した現実があると強く感じています。

◆ハチドリのひとしずくプロジェクト
エクアドルの先住民に伝わる民話に「ハチドリのひとしずく」というお話があります。
山火事を消そうと、一滴ずつ水を運ぶ小さなハチドリに対して、森から逃げた動物たちは「そんなことをしていったい何になるんだ」と笑います。ハチドリは動物たちに答えます。「私は私にできることをしているだけ」と。
小さくも果敢なこのハチドリのように私たちに今できる一番必要な支援を考えました。

失業や外出禁止のために生活の糧をなくし、ウイルスか飢えかという生命の選択に迫られているグアヤキル住民の方向けの食料支援活動を支えるために、日本、エクアドルの両国から支援金を募り、そのお金を現地で直接活動している団体へ寄付します。

< 支援金受付口座 >
三菱UFJ銀行
横浜駅前支店(251)
口座番号)(普通)1659971
口座名義)日エクアドル外交関係樹立100周年実行委員会
< 支援金受付期間 >
2020年4月25日(土)~2020年5月6日(水)まで

<呼びかけ人> 小林憲明 / 宮浦歩美 / 中川賀之 / 奥野玉紀  / 高橋力 /  高橋直 
< 賛同団体>  順不同
【日本国内】
・日本エクアドル外交関係樹立100周年日本実行委員会
・日本エクアドル人会SEKIDO
・NPO法人エクアドルの子どものための友の会SANE
・エクアドルOV会(JICA海外協力隊)
・NPO法人日本ガラパゴスの会(JAGA)
【エクアドル国内】
・日本エクアドル外交関係樹立100周年記念事業エクアドル実行委員会
・グアヤキル在留邦人会
・グアヤキル日本人会
・キト日本人会
<支援先>
 Global FoodBanking Networkに加入する、非営利のフードバンク。
2020年4月22日現在、226.541キットを配付し、906.164人のお腹を満たした。
1995年に発足した国際基金。現在、貧困地区に対し、1セット30ドルの一家族に最低限必要な一週間分の食料キットを配布し、彼らの生命をささえている。

「本当に今必要な支援」が、少しでも届けられるように、状況に応じて他の支援団体への寄付も検討していきます。​

2020年4月23日木曜日

現地からの報告

SANEの現地事業部会は普段からネットでSOJAEスタッフは元より事業校教員ともつながっています。まだ学校は休校、公共交通もストップしたままですが、先生方やスタッフからの報告がありましたのでお伝えします。

キト奨学生:スタッフの努力で、日本からメールで送られた手紙は全て届いています。また、パドリーノスに当てられた手紙も全員分届いています。

カヤンベ奨学生:8人の奨学生が事務所に来て担当スタッフのダーウィンと会話できました。みんな元気です。他の子たちは山間部に住んでおり、ネット環境も悪く電話もつながりにくいので連絡がつけづらいのですが、みんな元気だと思いますとのことでした。
 カヤンベは公式発表では感染者は1名。でも感染者が本当に他にはいないのかどうかはわかりません。例えば、他の地域で爆発的感染のあった海岸部に出稼ぎに行っていた人たちが帰ってきてたくさんなくなっているという話もあって、その方々が何が原因で亡くなったのかはわかっていないとのこと、検査を受けていないと確定できないというのはどこでも同じだと思いました。ただ、カヤンベからはキトに出稼ぎに行っている人々が多いのですが、海岸部で最初にコロナ感染者が出た後、山間部のキト市が直ちに都市封鎖を断行したために、コロナ汚染の広がりを最初の時点で抑えられ、カヤンベへの影響が少なくてすんでいるようです。カヤンベの人々は地域の外には出られませんが、自宅の周辺で通常通り過ごすことができているようです。マスクをする習慣は皆無でしたが、今はみんな(質はともかく) マスクをしているとのことでした。

学校菜園の様子:全ての事業校の先生方、現地と日本のスタッフとWhatsAppグループで結ばれています。
ラファエルコレア校のエリー先生から苗を手に入れるための連絡が来ました。仕事をしていることがわかり嬉しく思いました。


カルロスビセンテアンドラデ校のマリソル先生からは何人かの生徒と保護者が学校菜園の世話をしている様子が写真でも送られてきました。メッセージの最後には、家族のために、あなたのために、自宅にいようと呼びかけも。

ウンベルトフィエロ校のネストル先生からは、大麦の収穫があったと連絡がありました。写真も送られてきましたが、畑が見事です。



2020年4月20日月曜日

SANE総会はオンラインで開催されます

今年のサネ総会はオンラインで開催されることになりました。
例年同様に3月から準備をしてきましたサネ総会の議案書が、コロナウイルスの影響で支障がある中、なんとか出来上がりました。会員、協力者の皆様には今月中にサネビジョンと共に郵送で届くことになっています。
サネビジョンも議案書もサネにとっては活動記録、そして多くの皆さまに私たちの活動を知っていただく手段として貴重なものです。今年は果たして会計監査は可能なのか、印刷は?郵送は?と色々な懸念がありました。今の状況下で紙媒体で届けることが良いのかどうかという迷いもあり、また実行するには困難が伴います。このような中、オンラインでできるところはオンラインで、どうしても人が動かなくてはいけない活動は安全に注意して、ここまでこぎつけることができ、改めてサネの活動に多くの方々の協力があるのだと感じています。本当にありがとうございます。特にネット環境のない皆さまのもとにも無事に届き、多くの皆さまに読んでいただけますよう願っています。4月下旬にはこのブログにもアップされると思いますが、紙媒体でご希望の方がおいででしたら、ご連絡をください。

オンライン総会
5月31日(日)13時ー15時
まるひろ市民活動センターに会場はとってありますが、議長と数名の参加者に限定させていただく予定です。ネット環境がない方で参加を希望される方がいらっしゃいましたらご連絡ください。
参加方法 Skype(検討中)による参加
詳細は直接お問い合わせください。どなたでも参加可能です。

 



2020年4月16日木曜日

休校から1ヶ月ー学校菜園を守る活動

エクアドルでは学校が休みになってから一月が経ちました。特に山間部では連絡も取りにくく、子ども達の様子も気になります。現地スタッフも公共交通が止まっていたり、インターネットも不十分な中、事務所に来ることも大変なのですが、現地事業補助員のジョセリンが各学校の先生と連絡をとって様子を伝えてくれましたのでお伝えします。

ウンベルトフィエロ校(サンパブロウルコ村):全ての教師はネットでつながっており、週に一度連絡を取り合っています。話し合うテーマの一つは学校菜園のことです。学校菜園責任者のホセ・ネストル・ピラタクシ先生は学校のあるサンパブロウルコ村に住んでいるので作物や家畜のクイの世話をしてくれています。彼の送ってきてくれた写真を見ると、植えられた苗はまだ育っている途中であるのがわかります。作物の種類は、アセルガ、レタス、キャベツ、赤かぶなどです。


ピサンビージャ村のヘネラルアントニオエリサルデ校では、教師であり校区に住んでいるパストーラ・ランチンバ先生と保護者のオリンピア・イグアゴさんの2人の女性が菜園の世話をしてくれています。菜園にはたくさんの種類の作物が育っており、収穫時には配られることになります。

 パンバマルカ村のカルロスビセンテアンドラーデ校では、保護者代表のレオニーダスチュラコさんが菜園の担当をしてくれています。主な作物はチョチョス(豆の一種)で収穫まではまだ何ヶ月かかかります。

ラコンセプシオン村のラファエルコレア校の校長先生は、すべての学校と同様に子ども達とインターネットを通じて連絡を取るのは難しく、3人の教師が村まで来なくてはならなかったと話しています。4月12日の日曜日に子ども達の家庭訪問を行い、学校菜園も見ました。そして保護者代表で学校菜園の担当でもあるロヘリオ・コヤゴさんは子ども達の家庭に作物(レタス、ブロッコリー、アセルガ)を今週届けることが決まりました。その翌週は再度収穫が期待され、まだ収穫には時間のかかるトマトやピーマンの世話を続けます。

村へのアクセスは制限されており、失業状態でいる多くの村の人々にとって、提供された作物は不可欠のものでした。村の多くの人がバラ栽培の農園で働いており、この状況の中人員削減をされました。

コロナの問題が起きたとき、学校菜園がダメになるかもしれない、ここまで積み上げてきた事業が振り出しに戻るかもしれないと大変心配をしましたが、このように保護者と教師の努力で守られ、それだけではなく、ラファエルコレア校のように困窮している家庭への支援になっていることがわかり、心から現地の努力に感謝しています。



2020年4月13日月曜日

緊急事態の中の奨学生事業

ここでもお伝えしてきましたが、テレビなどでも報道されているようにエクアドルでは海岸地方を中心に新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っています。このような中、奨学生たちは親の失業などに伴う経済的な苦境、学校の休校やそれに代るオンライン授業、ネットで配信する宿題をどうこなすかなどなど大きな困難を抱えています。

現地スタッフもそれぞれ自分や家族を抱えて大変なのですが、奨学生をサポートするために奮闘しています。奨学生の数はキトとカヤンベでそれぞれ18人います。学校ではオンライン授業が始まっていますが、みんながパソコンを持っているわけではなく、また、Wi-Fiがない環境の子もいます。仕事を失った家庭の奨学生もいます。経済的にも精神的にもサポートが必要です。スタッフは電話などで連絡を取り合って状況を把握し、必要な支援をどのように行うのか、そして奨学金をどのように渡すのかを話し合いました。

その結果、奨学金に通常支給している交通費も加えて渡すこと、一人ひとりに連絡を取ることを決めました。今は交通機関もなく直接渡すことは難しいのが現状です。キト支部では銀行振り込みが可能な子には振り込みで、そうでない子には個別に届けようということになりました。また、普段からキト支部は一人ひとりの子どもにそれぞれ担当者(チューター)がついています。元奨学生やボランティアメンバーがチューターとして活動しています。このチューターはすでに相手の子どもの家庭訪問をしていますので、事情もある程度わかっています。こういうときには強い味方になることができます。
カヤンベ支部はもっと不便なところに住んでいる奨学生も多く、振り込みは現実的ではありません。かといって自宅も遠くどこまでサポートできるのかはわかりませんが、個別に連絡をとってどのように届けるのか模索しています。

サネは文通事業を行っており、会員の中で希望される方が、パドリーノ・マドリーナ(里親のような存在)として奨学生との間で毎月手紙の交換をネットを通して行なっています。この手紙も今はWi-Fiがないために届かない子もいるのですが、できるだけ届くように努力しています。日本からの応援の声が届きますように。



2020年4月11日土曜日

この経験に学ぶーヘルマンからのメール

カヤンベ支部でJICA草の根事業の現地事業責任者として活動しているヘルマンからメールが届きました。
ヘルマンはSANEの事業担当者として20年近く仕事をしています。正義感が強く弱い立場の人々の側に立って子どもの権利条約や憲法を手に政府に人々の権利を訴えたり、村のリーダー達と交渉したりすることもあります。農業技師であり、種子の開発を自宅の畑でやっています。収入を得るのが目的ではなく、心からこの仕事が好きなのです。読書家でもあります。ひとりで暮らしており人との付き合いはどちらかというと苦手ですが、私たちをいつも気持ちよく受け入れてくれます。人々は彼が清貧に生きている事を知っていて、何か困った事、不正などがあったときは彼に知らせるほど人々に信頼されている存在です。
彼は家に電話はありますがWi-Fiがありません。車の運転はしますが、現在厳しい外出制限のあるエクアドルでは週に一度車で外出するのが唯一の外に出る機会となっています。そんなヘルマンが久しぶりに事務所に来てメールをくれました。

今日、4月10日カヤンベに来ることができました。車の番号の最後の数字で通行が制限され、週にただ一度だけ許可された数字の車が使えるのです。同様に身分証明書の最後の数字でスーパーマーケットに行く日も制限されています。
村は入り口で閉鎖されており、外の人間は入れません。学校も休校ですが(政府が提供している)通信教育もパソコンを持っていない家庭にとってはそれを受けることはできません。ほとんどの校長は学校のある地域には住んでおらず、また家族の世話もしなくてはならず、学校の方には手が回っていない状況です。政府は(6月に終わる)学年末をインターネットでやると言っていますが、田舎ではどうするのかはわかりません。カヤンベ市の教育委員会は閉鎖され、(自宅から)通信で仕事をしているので相談できる人もいないのです。
政府の緊急事態宣言は4月20日まで1週間延長されるでしょう。

私といえば、週に一度金曜日だけ外に出ることができます。そして高齢者でもあるのでさらに行動が制限されています。でも自分は農業従事者としての許可を持っており、アヨラ地区に持っている畑の世話をすることが許されています。
私の生活は完全に変わりました。私はひとりで生活していますからそれを受け入れることもできます。日本でもここカヤンベでも多くの人々の心の持ち方が人間にとって良い方向に変わる事を願っています。今、車移動の減少のおかげで地球が多くの生命と共に息を吹き返しています。どうかこの経験から学びますように。

SANEとSOJAEの皆さんへ
ヘルマン



2020年4月10日金曜日

母の日のプレゼント〜飯能市内マルトクカフェ

新型コロナウイルス感染症の問題はNGOの活動にも大きな影響を与えています。エクアドルにのけるSANEの活動についてはブログでお伝えしてきましたが、現地活動の中断はもとより国内事務所の維持が難しくなっているNGOもあると聞いています。
国連事務総長のメッセージもありましたが、より弱い立場の方々の窮状は大変なものがあります。それにもかかわらず、今は自分の(国の)ことで精一杯な状況です。私たちもこの状況の中、寄付をお願いするのは困難、イベントの中止が続き呼びかける機会も色々なグッズを販売する機会もない、という現状です。むしろ事業の延長が必要となった時の予定外の出費をどうすれば良いだろうかと考えなくてはなりません。さらに、今後やってくる現地の経済危機も心配です。


そのような中、市民レベルでの小さな協力が大きな光となって届いています。3月からお店の前でフリマを継続し、今は母の日のプレゼントをフェアトレード品で!そしてエクアドルの子ども達に寄付を!
という取り組みをしてくださっています。
 カフェは休業中ですが、ランチのテイクアウトはやっていますのでその際にどうぞご覧ください。

エクアドルのショールと、ウインドファームのコーヒーバッグまたは美味しい紅茶の詰め合わせです。

エクアドルの状況 4月9日

エクアドルのコロナウイルス感染の状況は増加のカーブが緩やかになってきてはいますが、まだ深刻です。政府は4月13日まで休業を指示しました。
これは政府の発表した情報ですが、感染数が4965人、死者が272人となっています。また、グアヤキルの症例が一番多いことがわかります。
私たちはキト市とカヤンベ市で活動をしていますが、カヤンベ市では最初に感染した1名から今のところは増えていません。発症する前にうつしていない事を祈ります。






















2020年4月8日水曜日

現地と結ぶSNS

新型コロナ感染症の脅威にさらされる私たち。圧倒的な脅威を前に現代社会の脆弱さを見せつけられる思いがします。ただでさえ遠い日本とエクアドル ですが、現地の状況が気になっています。
そのような毎日を救ってくれるのがSNS。現地とはFacebookやWhatsAppで結ばれています。ソハエのスタッフ、元奨学生たち、事業校の先生たちとは以前からグループができており、私たちに直接メッセージや写真が届いています。最近のやりとりをご紹介します。

元奨学生のシンティア:
シンティアはリウマチを患いながら、しかも両親からの支援はもらえない中で、ドイツの奨学金をもらって生化学を大学で勉強したまさに苦学生です。素晴らしいダンサーでもあります。彼女はちょうど就職活動中です。キトに住んでいます。
特に病気を持つ人が感染をすると危険な状態になるので心配をしていましたが、元気で過ごしています。自分は生化学を学びウイルスがどのようなものかよくわかっているので気をつけているとの返事をもらいました。ただ、医療関係者の不足もあって国が生化学をやっている人々にも協力するように言ってきているのでそれが気になっているとのこと、もし召集がかかった時には、病気のことを話して免除してもらえるようにしたいとのことでした。

事業校の教師:
学校は先月からもう1ヶ月近く休校になっています。このような状況でも、これまで世話してきた菜園の作物を枯らせる訳にはいかないと頑張っている学校もあります。日本と違って、エクアドルでは基本的に外出は禁止されており公共交通機関が止まっています。学校の多くは遠隔地にあり、外から通ってきている教師は行くことができません。そのような中、学校のある地域に住んでいる教師や、保護者が菜園を守ることになります。
サンパブロウルコ村のウンベルトフィエロ校では、一人の教師ネストルさんが水やりから家畜の世話までやってくれています。また、ピサンビージャ村のヘネラルアントニオエリサルデ校ではお母さん二人が学校に行って世話を続けているそうです。
この問題が起きた時、これまで積み上げてきた活動の成果が水の泡となるのではないかと大変心配しました。今もその不安はありますが、現地でも努力が続けられていることを知り、大変励まされる思いです。

SNSに感謝です。








2020年4月7日火曜日

カヤンベで初のコロナ感染者

昨日は私たちの活動地域であるカヤンベで感染者が出たとのこと、詳しいことはわかりませんが、これ以上広がらないことを祈っています。
エクアドルでもマスクの着用が義務付けられたようです。マスクの作り方がネットでも紹介されるようになりました。

En Ecuador se dispone usar obligatoriamente las mascarillas para circular en espacios públicos. En Japón cuando haya problema de la gripe usar mascarillas siempre ha sido habito. Pero será complicado conseguirlas en Ecuador. En Japón sobre todo ahora muchas personas hacen sus propias mascarillas con la tela en casa. Creo que usar mascarillas nos ayudará a evitar contagio.
foto; ElComercio.comhttps://www.elcomercio.com/actualidad/mascarilla-obligatoria-espacios-publicos-covid19.html

2020年4月5日日曜日

講習会2 〜困難を抱えるルイスウンベルトサルガド校


12日にはピタナアルト村のルイスウンベルトサルガド校での講習会を行うことができました。この後、全国で休校措置となり、講習会が中止に追い込まれたわけですが、その前にこの学校で講習会が開かれたことは幸運でした。                  
この学校は実は一番問題の大きい学校でみんなが事業を続けることができるかどうか心配をしている学校です。学校菜園も給食もなかなか進展しません。それでも現地事業補助員のみんなは教育委員会やJICAの担当者、教育委員会の担当者とともに学校教師に働きかけてきました。意欲が見られない学校の状況に、どのように働きかけたのかが講習会報告書で感じることができます。                            

学校の状況:12月の決定
講座を行う前に、参加者に今どのような状況なのかを説明しました。
この講習会に先立って、2月7日にSANEの要請でSOJAE(ソハエ:SANEと一緒に現地で活動する政府公認NGO)カヤンベ支部の支部長の要請によって教育委員会が呼びかけてオルメド地区のウンベルトフィエロ校とルイスウンベルトサルガド校の学校菜園経験交流会が行われました。この交流会は、学校菜園事業が進んでいるウンベルトフィエロ校を(学校菜園が進んでいない)ルイスウンベルトサルガド校の皆さんが訪問して学ぼうという目的で計画されたものです。
この日訪問したのはルイスウンベルトフィエロ校の学校菜園担当教師と他の教師1名(校長は用事があって来られませんでした)、村の代表と保護者が5名の8名で、迎えたのはウンベルトフィエロ校の校長と学校菜園担当教師と給食担当教師と保護者代表の4名、そしてJICAから4名でした。
この訪問によってルイスウンベルトサルガド校の菜園担当教師と保護者の代表はいろいろ学ぶことができました。ところが、その後この経験を学校に戻って報告をすることがないまま講習会の日を迎えてしまったのです。この話から講習会は始まりました。問題の一つはお互いのコミュニケーションがないことで、これについて村で話し合ってみる必要があると参加者は言っています。校長からは、この事業に対する不満を言っている人たちがいるという話も出されました。 写真は先住民言語で参加者に話かけるセグンドさん
その原因について、一人の保護者が発言しました。
「誰が食事の準備をするのか?中には両親が仕事で家にいない家庭もあるのに。」
学校で子どもたちに食事を準備することになるのはお母さんたちです。給食を出すことになれば、順番を決めてお母さんたちが学校に来なくてはならないのです。
これを解決するために意見交換が行われました。90家庭あるのだから年に2回か3回の当番になルコと、出られない人に代わって誰かが交代することもできるとの意見がでました。参加者は、学校だけではなく村の責任を確立することが重要だと認識しました。

学校菜園について:
種を巻くところから始めるとうまく目が出なかったので、最初からではなく苗を植えるところから始めることになりましたが、重要なことは今ある問題を確認することです。この講習によって幾つかの問題点がはっきりしました。農業の知識が確立され、成果がありました。左の写真は苗が育ちつつある学校菜園の様子です。
右の写真は苗の植え方を話すためにジョセリンが準備した画像です。
保健省の健康調査の結果について:
保健省は身長と体重測定を行なっていますが、この結果を知って生かさないければ意味がありません。この調査結果を知って生かしてほしいと担当者からまず話がありました。この学校では82人が測定を受け、26人が慢性的な栄養不足、2人が急性の栄養不足、9人が太り過ぎ、1人が肥満でした。妊娠中の栄養不足、悪い食生活、健康的社会的な要因などが栄養不足の要因であると説明されました。


 栄養について:
この学校では12月の講習会の時に停電になってしまい(よくあることなのですが)、栄養のテーマで講習を行うことができず、食品群について学べませんでした。そこで、少し内容を加えて参加者全員に食べ物の画を配り、材料を特定し、食品群に分けるという作業を行いました。この学習の後、参加者は食品群について理解し、どのくらい食べなくてはいけないのか、通常の食べ物についてどのように食べているのかを理解することができました。写真は用意した料理の写真を見ながら食品群に分ける様子とクチャラ(参照:この前のブログ)の図を手に取るお母さん。
アンケートの実施:
食事をしている間にアンケートを実施しました。写真は食事をしている参加者にアンケートをとっているジョセリンです。
食事:
空豆、メジョコ、皮付きジャガイモ、チーズ、玉ねぎとトマト、唐辛子のサラダが準備されました。また飲み物にはハーブティーが準備されました。この食事についてもみんなで食品群に分けてみました。

ジョセリンは後の日本のサネメンバーとの会議で、この学校の問題は学校菜園の担当教師に起因するものが大きいこと、保護者は前向きであると語っています。学校の適切な役割分担で今後事業が進展し、子ども達が美味しい食事を食べることができるよう期待しています。現地の努力を称賛し、協力いただいている教育委員会とJICAに感謝します。

          

コロナ感染による休校措置直前に行われた講習会1

3月に予定されていたJICA草の根委託事業のプロジェクトマネージャー杉田優子の出張は、コロナウイルス感染症の拡大によって中止となりましたが、現地では杉田なしで予定通りに連絡協議会、講習会を行うことにしていました。給食連絡協議会についてはこのブログで3月17日に報告をいたしました。その後6校で予定されていた講習会は、11日のピサンビージャ村ヘネラルアントニオエリサルデ校、12日のピタナアルト村のルイスウンベルトサルガド校が終わったところで、全土で休校措置が取られて中止を余儀なくされました。
今回はヘネラルアントニオエリサルデ校の報告を掲載します。

ピサンビージャ村ーヘネラルアントニオエリサルデ校ー
村の指導者の一人が亡くなり、ちょうど葬儀の日と重なったために、講習会への出席が少なく、また時間も限られたものとなってしまいました。この学校では栄養と食に関する関心は高まってきており、保護者も残念がっていました。開始に際して一人の保護者からせっかくの機会に参加できない人が多く申し訳ないとの謝罪の言葉と、後でこの内容は伝えますとの発言がありました。

学校の状況:栄養についての知識が少なく、学校として長く子ども達に食事を提供してきたにも関わらず、保健省の行った身体測定の結果は良いものではありませんでした。下のグラフは2月に保健省がSANEの協力で行った、カヤンベ市カンガウア地区にある事業校5校での身体測定の結果を表しています。見づらいのですが、左から、調査全数537人、急性栄養不足(症状が軽め)51人(表に59.4%とあるのは9.4%の間違い)、慢性的栄養不足235人(43.7%)、太り過ぎ40人(7.4%)、肥満3人(0.55%)、平均値の子どもが208人(38.5%)とあります。



















これに対して、下のグラフがこの学校の結果ですが、調査全数144人、急性栄養不足(症状が軽め)18人(12.5%)、慢性的栄養不足73人(50.69%)、太り過ぎ17人(11.8%)、肥満0人(0%)、平均値の子どもが36人(25%)でした。

















前日に開かれた連絡協議会でも話題になったのですが、学校として努力をしてきただけにこの栄養不足の子どもの数の多さに保護者も教師も驚き、地域の大きな課題を改めて感じていました。

学校菜園について:お伝えしてきたように各校の学校菜園では、種子を植えても発芽しないという問題が多く起きたために、苗を購入して植える方法に切り替えました。今回の現地事業補助員で農業技師のジョセリンによる講習はこれに対応して苗の植え方と育て方人ついてでした。これは参加者の関心を呼ぶもので、初めて知った内容も多くあったようです。参加者からの質問もありました。

保健省の身体測定の結果について:          (写真:学校菜園)
これは上記の通りです。このような悪い結果は参加者にとっては予想外のことでしたが、原因として水の質が悪いことも考えられるのではないかと意見が出されました。

栄養について:食品群について学びました。冒頭に書いたような事情で講習会の時間が限られていたために多くの時間を費やすことはできませんでしたが、この日に準備してくれた食事を例にとって食品群について説明をしました。また、エクアドルで使われているクチャラ la cuchara alimenticia de las Guías Alimentarias Basadas en Alimentos del Ecuador (GABA) )を使いました。https://www.youtube.com/watch?v=uEBFNXMw50I使いました視覚に訴えてわかりやすい説明になっています。51枚のスライドを使って食品を3つの食品群に分けることも行いました。

これまでは、講習会の最後に今後行うことを決めて行動計画を立てるのですが、今回はその時間はありませんでした。でも学校や家で食べているものを食品群に分けてみるということへの関心は確実に深まったと思います。また、講習会の後のアンケートも取れませんでしたが、生活の質を上げるために、栄養と食事について保護者全員が集まるときに来て話してほしいという意見が聞かれました。

講習会で出された食事:
ジャガイモとにんじん、キャベツとカブの入ったポタージュです。







2020年4月3日金曜日

エクアドルの状況6 教育省の通達(4月2日付)より

エクアドルの学校は年間200日の授業日数の確保が義務付けられています。現在、全ての学校が休校中ですが、4月中は国が開発しているインターネットの教材で学習するという内容の通達を出しました。けれどもこれは授業日数200日にはカウントされていません。授業日数を今後どのように確保するのかが課題となっています。
4月2日の通達によって5月4日以降については、教師も生徒も学校に来る必要がない状況で学校を再開します。すなわち、オンラインで授業を行い、授業日数にカウントするということです。
ただ、政府が開発しているオンライン授業システムは現在のところ大人数のアクセスに耐えられず、パンクしてしまうようです。もちろん教材の開発もどこまで進んでいるのかわかりません。5月までに環境が整えられるかどうかが試されています。また、ネット環境にない生徒には教材をプリントアウトしたものが届けられるようにするということですが、これも難しい作業となるでしょう。
全てはコロナウイルスの感染状況がどのように推移するのか次第という側面もあります。世界中が初めての経験をしています。日本も先が見えない中を教育関係者の努力が続いていますが、お互いに経験をシェアしながら子ども達のためにより良い環境を整えていけるようにと祈るばかりです。
サネはエクアドルの奨学生(中高校生)と日本の会員(文通相手)との間で毎月の手紙の交換をネットを通じて行っていますが、今手紙の交換は子ども達の様子を知り、励ます大切な手段となっています。