2013年10月31日木曜日

学校菜園の今

エクアドルでは9月に新学期が始まりました。エクアドルには四季がありません。日本で言う夏は乾季、冬は雨季です。10月から11月にかけて乾季から雨季に変わるので、これを待って種まきを行います。担当スタッフのヘルマンから報告がありました。
 
☆   ☆   ☆   ☆
 
今はピタナ・アルト、サンパブロ・ウルコ、エル・アト、ピサンビージャの4校で学校菜園の準備、種まきが進んでいます。
 
強い乾季が続き、種まきと準備が遅れていました。種まきのために有機肥料と種を運びました。
11月の雨を待ち、生徒たち、教師たち、保護者たちは協力し合ってこの準備を進めています。
 
同時に、サンパブロ・ウルコとロッテ・ドスの学校では、保護者と村の代表の方々との間で確認を行うために農機具の在庫調べもしました。(編集部注:これには、プロジェクトで購入した農機具を活かし、子どもたちや地域の人に使ってもらうという狙いがあります。)確実にこれを行うためにこれまでは学校と協定を結び文書化していましたが、今はそれが政府の政策で難しくなっているため、保護者と直接行いました。(編集部注:確実にやってもらうためには口約束ではなく、文書化することが大切なのです。)

11月の第2週には技術講座も始められるよう準備しています。
ヘルマン・リコ

編集部より:エクアドル政府は強い力で改革を進めています。この動きについて後ほどお知らせします。



2013年10月29日火曜日

SANE会員になってこの活動を支えていただけませんか

SANEでは会員を募集しています。
SANEは(無償)ボランティアで支えられる、市民の会です。

現在資金は、120人ほどの会員の会費の他に、助成金、DHL(国際宅急便)による手紙の無料送付、企業や個人などからの寄付、ふやふやの売り上げでなりたっています。最も基本となるのが会員の寄付ですが、会員数の減少が続き、ついに今年度から奨学生数を5名減らすことになりました。エクアドルでは支援を必要としている子どもたちはまだまだ沢山いますが、年々経費も上がってきており、運営が難しくなっています。このままでは来年にもキト支部を閉鎖する報告で動き始める可能性も出ています。

良い社会を作るには信頼感のある人間を育てる必要があり、それには時間がかかります。私たちの活動は25年を経ましたが、現地で会を今支えているのはここで育ってきた卒業生たちです。このブログのカヤンベ報告やキト報告をご覧ください。奨学生たちを指導しているのは卒業生たちなのです。

26日にエクアドル憲法の話をさせていただきましたが、素晴らしいと評価されているエクアドル憲法も、実際に地域で日々の生活の中に活かされなければ何にもなりません。SOJAEのスタッフは日々この実践に力を尽くしているのです。

そして、問題はエクアドルだけのことではなく、密接に日本の私たちとつながっています。SANEという窓を通してそんなことを感じていただきたいと私たちは願っています。

このようなSANEの活動を、支えているのはまさに名もない私たち市民です。SANEの灯を消さないですむように、会員になっていただく以外にも、みんなの『できることでの協力』を積み上げていけたらと願っています。

代表理事
杉田優子



キトの奨学生プログラム

キト支部には17人の奨学生がいます。キト支部の奨学生事業は、カヤンベのそれとはまた違った目的と内容を持っています。カヤンベの事業は山岳地域の農村に住む貧しい子どもたちが対象になっているのに比べ、キトの場合は首都の周辺地域に住む経済的な困難を抱えながらも勉学に強い意欲を持つ子どもたちが対象です。子どもたちはそれぞれ異なる家庭的な問題を抱え、都市特有の社会問題の中で生きていますが、それにも負けずに学問への意欲を持ち日々努力しているのです。
こうした子どもたちへの支援は、学習支援や個々への対応だけではありません。子どもたちが学校や家庭、社会で直面する問題に対処していく力をつけるために、自己認識や自己尊重の気持ちを育てること、リーダーシップ、青年期の問題、社会問題などの幅広いテーマをみんなで共有しながら学びます。

キトの奨学生プログラムは、ドイツの国際教育協力NGOのハンス・ゼイダルと協力し合って行い、大変充実した内容になっています。このNGOは主として優秀な大学生への奨学金支援を行っている組織で、私たちの卒業生も毎年のようにここの奨学生に選ばれています。10月のテーマは自己尊重についてでした。以下、奨学生からの報告です。

10月20日の奨学生講座はハンス・ゼイダルの若い皆さん(編集部注:ハンス・ゼイダルの奨学金をもらっている大学生のこと。SOJAEの卒業生もその一人です。上の写真の中央で立ってる4人のうちの左から2人目は卒業生のパオラ。現在SOJAEとハンス・ゼイダルで活躍中。青年たちはボランティア活動の一環でSOJAEに来てくれています。) の協力のおかげでとても楽しく、やる気になるものでした。まず最初に私たち自身を知りあうためのゲームを行いました。その後で、自己尊重というテーマで、克服、動機と言ったことに関するいくつかのビデオを観て 話しあいました。そして近くの公園に移動して色々なゲーム等の活動に取り組みました。これを通して、与えられた課題を達成するために、グループで活動する中で、助け合い、理解し合うという経験をしました。

それはとても素敵な体験で、私たちはより社交的になり、これを通して、人生とは何か、そして障害を乗り越えて自らの目標を達成していくためにどうしなくてはいけないのかといったことに対して、一つの考えを持てるようなものでした。

奨学生 イベス・バスティーダス


2013年10月25日金曜日

エクアドルからチョコレートが届きました!

みなさん、お待ちかねのサリネリートチョコがはるばるエクアドルから届きました!


このフェアトレードチョコレートは本物です!・・その理由

♡ エクアドルでチョコレートになりました。多くのフェアトレードチョコはあるけれど、それは原材料のみ。たいていはスイスや先進国で作られていますね。 このチョコはエクアドルの村の高い技術を誇っています。

♡ 希少種カカオ・ナショナル・アリバ使用。原材料に混じりけがありません。                   オーガニックの純粋なカカオのフルーティーで甘い香りと味をお楽しみください!
 
    エクアドルの最高峰チンボラソの山麓、3550メートルの高地に、石畳の小さな村があります。ポンチョを着たひとやほっぺの赤い子供が行き交い、ロバの足音が軽快に響きます。立ち止まれば、道の途中で誰かが編みものをしていたり、庭にハチドリが飛んでいるのを見つけることができます。
 
20年以上前までは、周りの他の村々と同じように、過疎の村だったサリナス。 牧草しか育たない土地には、農業も成り立たず、出稼ぎに行く人が後をたちませんでした。しかし20年前に、村の神が村びとたちに牛を寄付し、そのミルクを集めたチーズ工場が成功し、周りの村も一緒に発展することを目指し、近隣の村の有機農産物を集めて加工する技術を身につけていきました。オーガニックカカオを用いた手作りチョコレートの工場も、そのひとつ。
 
村々で無農薬栽培される、香りの高い種類のカカオだけを購入し加工しています。 カカオの栽培が行われる村では、他の地域が農薬を使用するカカオの栽培や米資本の大規模プランテーションへと変わっていくいなかで、森林栽培で生態系を保全しながらカカオ栽培をしています。
 
スイスの技術に学び、カカオを焼き、練り上げ、パッケージングするまでの行程が、すべて人の手で丁寧に行われています。 種を蒔き、水をやり、苗を植え、実を収穫し、乾燥させ、火にかけ、つぶし、混ぜ、固めて、待ち、そして包む。 カカオの鮮やかな実が、エクアドルの起伏に富んだ地形を旅して、様々な人々に出会い、美味しいチョコレートになりました。
 
ふやふやではご予約いただいた皆様にお届けすると同時に、これから注文をいただいた方にもできるだけ早くお届けします。詳細はふやふやまで。

明日エクアドル憲法の話をします

飯能の市民の方たちが憲法学習会を続けていらっしゃいますが、明日は私(杉田)がエクアドル憲法の話をします。台風が心配ですが、お時間のある方はお出かけください。

エクアドル憲法 『良き生き方・自然の権利』
午後1時半より4時まで
場所 飯能市富士見行政センター(富士見公民館) 東飯能駅下車徒歩7分
保育あり(保育の申し込みは090-5324-6412 川野さんまで)

エクアドルの憲法は、エクアドルを多民族国家であるとし、世界で初めてと言われる自然の権利を認めています。また、軍事目的のために諸外国が軍事施設を国内に置くことを禁じています。
どんな背景でこのような憲法はできたのでしょうか。そして、今国はどのように変わってきているのでしょうか。SANEの活動地域での変化や、憲法を活かそうとするスタッフの努力についてもお伝えします。

2013年10月23日水曜日

カヤンベの奨学生の活動

カヤンベの9月の活動の様子が送られてきました。カヤンベでは村の子どもたちに向けて色々なワークショップなどを行ったり、劇や放送などを通じて発信をしているので、普段から演劇の練習を行っています。こうして一人ひとりが自分の体を知り、心と体を開いていくのです。
ある日のプログラムですー


時間
活動
責任者
9:00-9:10
 内容説明
ダーウィン
-9:30
リラックスするための活動
シンティア
-10:10
体を温め整える。異なるリズムで身体を動かす。
ダーウィン
- 10:30
発声、発音練習。
シンティア
-11:00
グループ活動(グループごとのセリフ練習)
シンティア
- 12:00
グループ活動発表
シンティア
-12:30
軽食(サンドイッチ)
ダーウィン




2013年10月22日火曜日

つながりを感じて~Hanno(飯能)とEcuador(エクアドル・インタグ地方)

飯能ではもう20年近くエクアドルのフェアトレードコーヒーが販売されています。それも毎月仕入れをするほど愛飲してくださっている方々がたくさんおられます。年間にすると100kg位は軽く消費していると思います。飯能ではインタグコーヒーが飲める喫茶店(市民活動センター7階のモナミ)も。町中の旬菜カフェではコーヒーを購入できます。両方とも福祉系のNPO法人が経営しています。
そして近年はサリーナスのオーガニックチョコも。昨年は800枚売り上げました。飯能やその周辺地域では、エクアドルフェアトレード品が特別なことでなく普通に流通しています。おかげでどこのフェアトレードショップよりも新鮮な商品が手に入ることでも知られています。これは100%ボランティアで行われていて、収益はSANEを通してエクアドルの教育支援に使われています。そういうと大変そうですが、実はこういった活動を通して人々が密接につながっているのです。

こんな飯能ですが、実はつながりはそれだけではありません。
飯能は東京から近いのですが、広い山間地域を擁しています。コーヒー産地のインタグや活動地域のカヤンベにちょっと似ている環境です。飯能の中でも山間地にある間野黒指には、会員の詳子さんが住んでいます。彼女がエクアドルを訪ねたのは2011年。自分の住む地域の写真をエクアドルで紹介した時、向こうの奨学生たちの瞳は輝きました。『Hannoって同じようなところなんだ!』
詳子さんの住む地域は、過疎化に抗して数年前から地域の活性化のためにエコツアーを始めました。それがお散歩マーケット。ここでインタグコーヒーやサリーナスのチョコレートも販売されます。エクアドルの持続可能な地域発展をめざしてはじめられたコーヒー栽培は、SANEと詳子さんという媒介を通して、飯能のお散歩マーケットとつながったのです。

今回、和田彩子さんファミリーは、詳子さん宅を訪問しました。
実は彩子さんの2番目の娘さんのサチャちゃんの日本名が『柚子』。
ゆずちゃんが、詳子さんの農園の柚子の木と一緒に記念撮影です。

またひとつ、遠いエクアドルと日本がしっかりとつながった瞬間でした。

お散歩マーケットは、11月17日に開催されます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://kamibun.x0.to/eco/201311_sanpo_market_0.html

2013年10月18日金曜日

和田彩子さんファミリーとの交流会開催

10月16日の和田さんファミリーとの交流会は大変充実したものになりました。会場では、高校生から、シニアまで約40人が集まり、和田さんの話を熱心に聞き入りました。
まず、アマゾンの熱帯乾燥林、アンデスの雲霧林、海岸地域やガラパゴスなど、エクアドルの豊かな生態系、多様な民族と文化について写真と共に紹介。
種をまき、育て、収穫し、それを祝う、あるいは祈る、そういった季節の流れの中で、いのちの循環に寄りそう暮らし、生と死が身近にある暮らしの営みがあると和田さんは語ります。
憲法の中にはSumak Kausay(よく生きる)という思想が大切にされ『よく生きる権利』が保証されています。そこにあるものを大切にし、そのものの質を活かすという生き方です。
そして『自然の権利』も憲法第七章で保証されています。自然が人間と同じように権利を持っているのです。(アメリカは企業が人間と同じような権利がある存在として憲法に位置づけられていますね。)
参加型民主主義の実践や、環境保全郡、エコシティー宣言した町のことも紹介されました。


これと対立するものとして、石油開発の現実についても話がありました。経済的に豊かになるという話を信じて開発に同意しても、その後に待っているのは、森林伐採、資源の運搬のための道路建設による自然破壊、移住を余儀なくされるなど、結局人々の貧困はかえって深刻になっていくのです。
和田さんはこのような動きに反対して、森を守りながら森の中でコーヒーを育て、フェアトレードで輸出するという人々の活動を支援し、共に働いてきました。

その一方で、日々有機農業に取り組み、エネルギーをより少なく消費し、そこにあるものを活かす生活をしています。コンポストトイレの見学などやソーラードライヤーを見学に訪れる人たちもたくさんいるようです。
一方で、スローライフには文字通り時間がかかり、どのように社会と関わっていくのか悩むことも。
彼女のファームはクリキンディ(ハチドリ)という名前。森の火事の時に、ハチドリが水を一滴ずつ運び、自分のできることをやっているだけ、と語ったというエクアドルの民話に習い、悩みながらも『答えを生き』ていきたいと締めくくられました。

休憩時間はお買いものタイム。みなさん、エクアドルコーヒーを飲み、エクアドルバナナケーキや、アンデスキヌアのクッキーを食べ、エクアドルの民芸品やキヌア、アマランサスなどを購入していただきました。ありがとうございました。

後半は会場から質問や意見、最後には参加された皆さん自身が関わっている活動の紹介も。高校生も大学生も生き生きと発言している様子が素敵でした。

エクアドルの子どものための友人の会(SANE)
ができて25年になりますが、会がつなぎ役となって、エクアドル、自然と共に生きるといったことがキーワードで、世代も取り組んでいるテーマも異なる方々が、こうして同じ会場に集うことがかない、本当にうれしいことでした。

彩子さんのご夫君のエクトルさん、お嬢さんのムユちゃん(写真、民族衣装を着て)、サチャちゃんも一緒に参加して下さいました。ありがとうございました。

最後になりましたが、この取り組みに対して、飯能市国際交流協会から助成金をいただきました。また、会員の鈴木さんから多大なご寄付をいただきました。心より感謝申し上げます。







2013年10月2日水曜日

新奨学生を迎えて・・キトの活動

私たちは新奨学生を迎えて合宿をしました。
私は、この機会はとても良い経験になったと思います。この経験から私たちはたくさん学ぶことができますし、それにより、私たちと同じ世代や違った年代の方々と仲良くなることができるからです。 私たちはたくさんのことを学ぶことができました。こういう活動はこれからも継続して行うべきだと思います。 
土日の合宿の中で、土曜日には、互いに知り合うためのゲームをやり、ソハエの成り立ちを知るためのお話を聞き、信頼を築くためのゲームをたくさんやりました。
 夜には、「大きな子どもたち(Niños Grandes)」というタイトルの映画を観ました。









翌日には、朝食担当のグループが朝食を準備し、同じ日に私たちはキトにある公園へ行き、そこでこれから行うことについて説明を受けました。その後、紙が手渡され、グループごとに分かれました。紙には、私たちに与えられた課題のリストが書かれており、みんなで協力してフルーツサラダを作った後、課題をきちんと終えているかどうか、担当の方々がチェックをしてくれました。




 ソハエへ着いてから、昼食をとり、両親の迎えを待ちました。私にとってこの機会はとても良い経験になりました。私たちはたくさん学ぶことができましたし、同世代や違った年代の方々とこの活動を通して仲良くなることができるからです。
バネッサ タピア (キトの奨学生)