2013年4月25日木曜日

今年もお散歩マーケットに出店します!

みなさん、5月5日はお散歩マーケットです。
お散歩マーケットは、南高麗の山間集落である黒指・細田地区の集落を挙げての大イベント。
ここのみなさんが時間をかけて作り上げてきたものです。
私は6年ほど前に初めて訪れたのですが、1軒1軒のおうちで自分の家で作ったものを軒先で売ります。訪れた人々がお買い物を楽しみながらまわっていきます。車も行かないようなところで、ちょっとした山登りの経験もでき、美しい景色や自然を楽しむことができます。
昨年秋は私の孫(4歳)も皆さんと一緒に歩きました。そう、一家で楽しむことができるのです。
実は私は6年ほど前に最初に訪れて以来、春と秋の2回のお散歩マーケットに欠かさず参加しています。
ここで音楽演奏をするグループに参加し、楽しんでいるのです。演奏はまったく素人ですが、なんでもできる雰囲気がここにはあります。
http://kamibun.x0.to/eco/201305/20130505_sanpo_300dp_web01.pdf

そして、近年はふやふやの出店もさせていただいています。
それにはこんなちょっとした歴史があります。

SANE事務局メンバーの詳子さんは、ここ細田地区の伝統的な家のお嬢さんです。
彼女のお宅では先祖代々脈々と引き継がれてきた伝統をきちんと守って生活しています。
そんな詳子さんがエクアドルを訪ねたのは2011年3月。そう、東日本大震災の時でした。
彼女が自分の住んでいる地域の話をした時、聞いていた奨学生たちはびっくり。
自分たちと同じような山で、同じように畑をやって生活していることに感動。
さらに詳子さんはふやふやで売っているコーヒー産地もたずね、このコーヒーが鉱山開発に反対し、持続可能な発展のために森で栽培されているものだと知りました。
そして日本の悲惨な震災のことをエクアドルで知り、その悲しみをエクアドルの人々と共有しました。
5月には奨学生たちと一緒に日本を支援するためのバザーに参加。エクアドルとのつながりは強いものになったのでした。

彼女の帰国後、お散歩マーケットの時に詳子さんのお宅の軒先でエクアドルコーヒーや民芸品を販売させていただくようになりました。
エクアドルと細田地区がつながった歴史的な瞬間でした。(大げさかな?)
この収益金は全額がエクアドルの教育支援に使われます。
ここで売っているコーヒーは、エクアドルの森を守るために地域の人々が一致して始めた森林栽培のコーヒー。バナナの木を始め多種多様な植物の中にコーヒーも栽培されています。
品質は国際評価で最高のA+。そのすべてが日本のフェアトレードで支えられています。
エクアドルで地域を守るコーヒーが、日本の細田地域のエコツアーの中で販売されているーなんだかうれしいですね。
みなさん、お散歩マーケットにぜひお出かけください!そしてお声かけくださいね。



ワシントン、卒業おめでとう!

キトの元奨学生であるワシントンが、晴れて自動車工学専門校を卒業しました。
彼は幼くして父親を病気で亡くしました。
その後は母親が3人の子どもと祖母を抱えて、近所の洗濯をやることで一家を支えてきました。
彼も小学校のころから小さな靴屋で働きながら学校に通い、SANEの奨学金を受けて勉強を続けてきました。卒業後も働きながら専門家育成の貸与を受けてコツコツがんばってきて今日を迎えたのです。彼の努力が実を結んだことを心から喜びあいたいと思います
おめでとう、ワシントン!
写真は高校生時代のワシントン。彼の家の前でお母さんと一緒に撮ったものです。


この写真は卒業式のもの。

2013年4月23日火曜日

カヤンベにおける技術教育

カヤンベでは、技術教育(正式表示は職業訓練による技術取得支援事業)を2校で行っています。
現地から来た報告をもとに、少し概要をご紹介しましょう。

<サンパブロ・ウルコ村のウンベルトフィエロ小中学校>
溶接講習:
 期間 2012年11月3日より2013年3月23日 (120時間)
 参加者 18人
 講師 マヌエル・キロ
 
 
 
 
 講習内容  安全規範、電気の基礎知識、 溶接機械の使い方について、
   製作したもの 手すり、窓の柵、バスケットボールのリング、机の修理
 
<ロッテ・ドス村のグスタボ・アドルフォ・ベッケル小中学校>
1.溶接
 期間 2012年12月1日より2013年2月23日 (100時間)
参加者 9人
 講師 パトリシオ・エスピノッサ
 
 
 
 
 講習内容  場所の準備、機具の名前、使用方法、安全規範、電気の基礎知識、資材、技術デッサン、計測、切断、溶接について
製作したもの 架台、道具を保管のための家具、机の修理、教室のドア、サッカーゴール、農機具
2.木工工芸
 期間 2012年11月17日~2013年3月23日(100時間)
 
参加者 8人
 講師 カミロ・アルベアール
 
 講習内容  色の階調、多様な色作り、 木材の使用、安全規範、各種機材の使い方

 製作したもの 色々な形の掛け物、7ピースのジグソーパズル、タングラム、小さな棚、キーホルダー、動物

3.木工
 期間 2012年11月17日~2013年3月23日(100時間)
 
参加者 20人
 講師 アンヘル・アスキ
 
 講習内容  機具の知識と使い方 、管理、安全規範、資材、採寸、切断、ブラッシング、組み合わせ、仕上げについて
 製作したもの 本棚、個人の椅子、教室備品(机、棚)の修理

 


 




 

2013年4月15日月曜日

入学式・・アンドレアのアジア学院での研修始まる

13日はアジア学院の入学式でした。
アンドレアは研修生を代表してあいさつをするという素晴らしい機会を与えられ、しっかりと責任を果たすことができました。
SANEは東城事務局長と会員の鈴木さんが参加。ともに喜びを感じることができました。
式の中でアンドレアは英語と日本語であいさつしました。
日本語を紹介します。SANEとSOJAEの活動を紹介しています。
 
HAJIME MASHITE,
WATASHI WA ANDREA DESU
ECUADORU KARAKIMASHITA
SHIGOTO WA PROJECTO ASISTANTO DESU
ICHIBAN NO MONDAI WA KANKYO OSEN TO HINKON DESU
WATASHI NO DANTAI WA YUKI NOGYO TO KYOIKU SHIEN O SHITEIMASU
WATASHI WA KRISTIAN DESU
WATASHI NO KAZOKU WA ROKU NIN DESU
HANA TO HOSHI GA SUKI DESU
KOKO NI KORETE URESHI DESU
... MINASAMA NO SAPOTO NI KANSHA SIMASU
KORE KARA GANBARI MASU
DOZO YOROSHIKU
ONEGA ISHIMASU
 
場所: Asian Rural Institute




2013年4月4日木曜日

文通ーこのエネルギーのいる支援

SANEは40人の子どもたちと日本の会員の希望者の間で毎月文通を行っています。
これはどんなシステムなのか、少しご紹介しましょう。

文通の流れ:
第1段階:
新しい奨学生が決まる⇒日本(SANE)に知らされる⇒日本で文通相手を募集する
⇒相手が決まる(この方を男性ならパドリーノ、女性ならマドリーナという)⇒手紙の翻訳者を募集する(言語はスペイン語です)⇒奨学生・パドリーノ(マドリーナ)・翻訳者の組み合わせが決められる(奨学生部会)
第2段階:
組み合わせが知らされて、いよいよ文通が始まります。
奨学生が手紙を書く⇒日本に届けられる(現在は旅行者が持ってきたり、メールで届きます)⇒事務所で作業部会が手紙の発送作業⇒翻訳者に送られる⇒翻訳⇒パドリーノ・マドリーナへ送られる
パドリーノ・マドリーナが返事を書く⇒翻訳者に郵送⇒翻訳⇒事務所に郵送⇒DHLのご協力で無料でエクアドルへ(感謝!)⇒SOJAE事務所に届く⇒奨学生へ
*文通の問題があった時は、奨学生部会か作業部会が対応します。

毎月この繰り返しです。
東城事務局長の出張報告(4)でもあったように、手紙の到着を奨学生たちは心待ちにしています。
日本のパドリーノ・マドリーナは忙しい毎日を送っていてなかなか返事を書けない場合も多いです。また、どんな手紙を書くのか悩むことも多々あります。(これについてはまた書きます。)また、上の流れの通り、毎月1往復の手紙の翻訳をしている翻訳者の努力は大変なものです。

でもSANEはこの支援を24年間コツコツ続けてきました。この支援は実はパドリーノと翻訳者と送付作業に携わる人々の地道なエネルギーのいる努力のたまものです。
大変でも続いてきたのはどうしてなんでしょうか。
『みんなで一人ひとりの子どもの成長を見守る喜び』実際はこれを実感できるまでには長い道のりがかかる時もあります。自分の子どもでさえ思うようには育たないですよね。さらに遠い国の子どもたちではなおさらです。でも、そんな困難を乗り越えて信頼関係を築き上げることは必ずできると私たちは信じています。
途中で家庭の事情や思春期の困難さによって挫折していく子も中にはいます。でも何年もしてまた戻ってきて顔を見せてくれる子も。昨年去って行った元奨学生の翻訳をしていた方が『必ず支援は彼の中に生きている。きっと新しい場で努力してくれていると私は信じる』と書かれていました。普段はけっして表面に出ない翻訳者の思いを知ることができました。
正直言って、関わる人が多いことやみんなが忙しい傍らやっていることもあり、色々課題はあってご迷惑をおかけしたり、残念なことが起きたりすることもあります。私たちもがっかりするようなできごともあるのです。でも、一緒にやってくださる方々から差し伸べられる温かい手を感じて、この事業は続いています。

もしこのブログを読んで下さっている(元・現)パドリーノや翻訳者のみなさんで、これについて何かご意見を下さる方がいらしたら、事務局または奨学生部会までお送りください。


出張報告(4) 奨学生講座見学、そして・・

2月13日 村の学校を訪ねた後、奨学生講座を見学。

3時よりカヤンベ奨学生を集めた講座が開かれ、ここに参加させてもらった。事務所が狭いので、カヤンベにあるインファ(INFA – Instituto de la Niñez y la Familia 幼年期、家族支援協議会・・いわば日本の社会福祉協議会のような組織)の部屋を借りて行われた。この組織は以前は半官半民の組織であったが、現在は政府によって組織の大改革が行われ、政府の機関として経済的・社会的包括省の管理下に置かれている。コレア政権の福祉政策の一つである。
この日は21名中15名の奨学生が集まった。講座の内容は、劇を演じる前の体のウオーミングアップから始まった。現在、担当のダーウィンは大学で若者の集団活動を指導するライセンスを取得するため講座を受けているそうである。体操後3班に分かれ事前に打ち合わせた台本で劇を披露してくれた。自分を積極的に表現する子、苦手な子とさまざまである。特に男子にとっては人前で自分をさらけ出すのは大変のようであった。元奨学生で元大学生のアンドレアが非常によく奨学生の面倒を見ていた。
講座終了後全員が事務所に移動した。そこで日本のパドリーノからの手紙が渡されたが、4名の子どもたちが手紙を受け取れなかった。実際、その場に立ち会い、子どもたちの寂しい表情を見ると文通の責任の重さを痛感する。自分も年に数回しか手紙を書かないので偉そうに言えないが、SANEとしてパドリーノに任せるのではなくて、手紙を書いてもらう具体的な工夫が必要である。

アジア学院での生活ー日本と国際社会との出会いの空間

アンドレアのアジア学院での生活は順調に始まっている様子です。
この写真はFacebookに掲載された、彼女の新しい仲間のページから頂いたもの。
1枚は食堂での様子で、もう1枚はミーティングルームでの様子です。
このミーティングルームは障子があったりなんだか日本的です。でも集まっている若者たちの多様なこと!アンドレアもこの空間に溶け合って楽しそうですね。
彼女の記載によると、日本の温泉も経験した様子。まだ授業は本格的には始まっていないようですが、日本の文化とアジアの多様な若者に毎日刺激を受けているようです。