2021年4月2日金曜日

コロナ禍の教育

日本では新しい年度が始まりました。長くオンラインで授業を行なってきた大学などでも、対面授業に戻っているところが多いようです。小中学校や高校では昨年度早期に対面に戻り、時には問題も起こりましたがなんとか安全に行われています。今また感染者が増加していて不安は大きいですが、子ども達の安全を確保しつつ学校での授業が継続するようにと誰もが願っていると思います。改めて、教育とは何か、学校に行くことの意味は何かと考えさせられる昨年からの経験です。

エクアドルでは、2019年3月に休校になって以来、長く学校での授業が行われないままになっています。政府は緊急事態委員会を設けて、コロナ感染の状況を見ながら学校の対面授業(家庭での学習と並行に行うセミ対面授業)への復帰を何度も試みては感染者数が増えて頓挫してきたのですが、現在は3月末までに626校が対面授業になっています(内566校が公立校)。ユネスコや国連の教育科学文化機関は、1年以上にわたって世界中で対面授業が行われていない状況に、大きな懸念を表明しています。しかし一方で、専門家は子ども達が学校に行くことへのリスクの大きさに警告を出しています。子ども達の安全を確保しながら学校での教育をどのように可能にできるのかと考えさせられます。

3月に3つの事業校で行われたJICAコロナ対応追加事業はこのような思いの一つの表現でした。このプログラムには衛生備品の設置と衛生講習会の実施、そして栄養的な調理講習会と食料セットの配布の二つの内容がありました。このうち衛生分野の事業では、学校に来た子ども達が手を洗えるようにと手洗い場の設置と、手の洗い方の講習会を行い、教室の消毒のための衛生薬品などを提供しました。

コロナに恐怖を抱いている人々がちゃんと集まってくれるのか不安でしたが、しっかりとソーシャルディスタンスをとって、大規模校は4回に分けて集まってもらって実施し、大変喜ばれました。

元々衛生的な意識や習慣が行き届いていない地域であり、どれだけの効果があるのかはわかりませんが、日本からのメッセージが伝わり、学校での授業の開始の力に少しでもなれば良いと願っています。

*この投稿の後で、大統領令が発令され、感染者数の増加によってピチンチャ県を含む8県が対面授業を9日まで再び取りやめたとのこと、現地スタッフによるとこれは延期される可能性が高いようです。

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