私たち一人一人が貧困や平和や環境の問題に関心を持ち、より良い社会を作るために行動に移していくことが求められています。
より良い社会を築くために何かをやりたい、自分でできることはないだろうか、あるいは、日本以外の国のことを知りたい、日本は世界の中でどのような位置にあるのだろうかと思う人は多いと思います。けれども毎日の生活に追われる中で時は過ぎていき、開発目標などと聞いても別世界のことのように感じられるのが現状ではないでしょうか。
エクアドルの子どものための友人の会 (SANE・サネ) は、埼玉県飯能市という人口8万人ほどの小さなまちで1989年に生まれました。会員は全国にいますが、飯能市を中心に活動をしています。
エクアドルの子どものための友人の会という名前には三つのコンセプトが込められています。
一つが『エクアドル』です。たまたま飯能市に住んでいたホセ・アルメイダというエクアドル人が、エクアドルに起きた地震の復興支援の活動をする中で、貧しかった自分の子ども時代を支えた教育支援(奨学金制度)を子どものためにと考えたことからこの会は始まりました。それまでエクアドルなど聞いたこともなかった人ばかりの飯能市で、見知らぬ国への支援活動が始まったのです。エクアドルとつながりのある数少ない人々、南米に関心のある人々の参加で会は支えられてきました。今、飯能市でも日本の中でもエクアドルという国のことが少しずつ知られるようになりました。
エクアドルは自然豊かな農業国です。アンデスの山間地域の村の学校はSANEの活動地ですが、アンデスの農業や人々の生活の素晴らしさや困難は日本とも通じることも多く、周りの農業家や栄養士の方々も活動に関わってくださっています。(写真はSANEが学校菜園事業を行なっている小学校からアンデスの山々を望む)

二つ目のコンセプトは『子ども支援、教育支援の会』だということです。アルメイダは教育を受ける中で社会を見る視点を学び、自立の力を身につけました。貧しさの中で自信を失っている自国の人々、貧困から抜け出せない人々を教育の力で救いたい、エクアドル社会の基盤を作る若者を育てたい、という彼の願いに、彼の周囲にいる多くの人々が協力の手をさしのべました。教育の力を信じる日本人が多かったからです。30年を経た今、200人以上の子ども達が奨学金で高校を卒業し、大学や専門校を経て、あるいは高校卒業後社会に巣立っています。そして現地の会をスタッフとして、ボランティアとして支える存在になっています。エクアドルの社会のためにたくさんの卒業生が各分野で仕事をしています。(上の写真は小学校の子ども達と、栄養に関する調査活動をする元奨学生)


最初に書いた持続可能な社会は、市民の参加によってこそ実現可能となります。私たちは小さなまちにある小さなNGOですが、一人一人が持っている、社会のために何かで役立ちたい、社会的な活動に参加したいという思いを叶え、活動の中で学ぶ機会を提供できる場を作っていきます。それがエクアドルと日本の子どもへの貢献となり、平和への一歩となることを願って。
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