2018年2月11日日曜日

パネルディスカッションの話題から

2月10日はSANEの活動報告会でしたが、今回は特にカヤンベで行われている学校菜園事業を中心としたSANEの活動に対して4人の方からご意見をいただくというパネルディスカッションを行いました。パネラーは皆さんSANEの活動をほぼご存知ない、この日初めてお会いした方もおいでという挑戦的な取り組みでした。まず杉田優子からSANEの簡単な紹介をさせていただき、その後で2003年から始まった、学校菜園事業の背景、最初は伝統的な穀物の種子の保存と販売を考えていたけれども、次第に子どもたちの
栄養確保へと変化していった経過、今行っているゆうちょ財団助成による事業の状況、そして今回なぜJICAに事業提案をする(行政との連携を考える)に至ったのかを説明しました。つまり子どもたちの栄養状況の改善が緊急で大事な課題となっていること、そのためには行政の理解を得て、より広い関係者とともにこの問題に対処することが重要になっており、また一方でこれまでの経験を活かしてSANEとSOJAEがこの問題に対処する力が付いてきていると判断されたことを説明しました。そして現在提案している学校菜園と学校給食の実施を通して子ども達の学校生活改善するという事業の内容を具体的に紹介しました。
その後、農業専門家として関わる予定のリエラ・麻子、栄養専門家として関わる予定の黒岩晴子からそれぞれの分野の報告をしました。(写真左立っているのが黒岩、一人置いて正面がリエラ、二人の間は荒井さん)

パネラーとしてゲスト出演してくださったのは次の方々です。
*飯能周辺で有機農業に携わる農業家の北村さん(のっぽさん、写真右)
*やはり有機農業に携わる西村さん(Mucuファームさん、写真中央)
*栄養豊かな伝統の雑穀にこだわりを持った食を広める仕事をされている管理栄養士の荒井さん
*自分の想いを音楽を通して伝えようと演奏活動をしている歌手のMireiさん

ディスカッションの中でキヌアの栄養価が高い事が荒井さんから具体的に鉄分の量で紹介され、貧血の多い状況において改めてその価値を認識できました。また、換金できる作物の単一栽培と自給自足型の生活と果たしてどちらが良いのか、そのプラスとマイナスを長いスパンで考えると違ってくるのではないかという北村さんの示唆も興味深いものがありました。さらに雑穀が赤道直下では栽培しやすいことも紹介され、大変参考になりました。調理の仕方についても、その地域に伝わる調理法を掘り起こすことは大きなヒントになるという示唆もありました。
ミレイさんからは、どんな時も音楽を忘れずに生活していって欲しいというお話がありました。
また、SANEの奨学生支援で勉強をした子たちが農業を離れていくことが残念だけれども、ゲストの皆さんはなぜ会社勤めなどを経て農業に携わったり、自分の考えに基づいた生き方を洗濯したのかという杉田の問いかけに、ゲストの皆さんから自分で気づいて選択していくことが重要ではないかというご自分の人生の選択の経験からお話がありました。ゲストの皆さんのように、誇りを持って生きておられる姿を奨学生たちが身近に知ればきっと大きな影響を受けるだろうなと感じました。

後半はMireiさんのコンサートが行われました。SANEでは3回目の出演でしたが、今回のイベントのために作ってくださった『新芽』という曲が披露されました。透明で温かい声が会場に流れ、みなさんうっとりと聞き惚れていました。命、子ども、愛などをテーマにした歌が多く、SANEのコンサートを愛する私たちには本当にしっくりと心に響く歌の数々でした。


その後事務局長の東城より、6月30日に予定されている『日本・エクアドル外交関係樹立記念イベントin飯能』の紹介がされ、司会をやってくださる飯能出身の女優の佐藤康恵さん、実行委員長就任予定の小室舞さんが紹介されました。
 佐藤さんは観客としてお子さんと一緒に参加してくださっていましたが、この会にはSANEメンバーもゲストの方もそして観客の皆さんの中にもお子さん連れが多く、賑やかな、そして温かな雰囲気の中で行われました。SANEらしい、幅広い人々が楽しく、そして深く交流できる会となりました。この会にはゆうちょ財団より助成金が出ています。最後になりましたが、感謝申し上げます。


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