2014年3月23日日曜日

コタカチ、イマンタグのミレニオ学校へ

3月17日にコタカチ市中心地から7kmほど離れた村イマンタグにあるミレニオ学校に行ってきました。ここは2011年に開設された学校です。周辺には先生が1人の小さな小学校があったのですが、それが統合され今は幼児から高校生まで750人の生徒を抱える学校となり、コタカチ市からも生徒が来ています。
政府は無料のスクールバスを出すと言っていますが、まだ実現されてはおらず、子どもたちは徒歩か普通のバス(有料)に乗って登校しています。校舎はとても立派で、中では先生方が1人1台のパソコンを見ながら会議をしていました。突然の訪問だったにもかかわらず、副校長先生が丁寧に対応して下さいました。
小さな学校からミレニオ学校になって、良い教育が受けられるようになったと副校長先生は語ります。ここでは47人の先生が仕事をしています。ところが、良く聞いてみると採用試験を経て正式雇用されている教師はなんと4人だけ。後は準備過程の教員だということでした。この教員は地方ではどこの学校でもいるのですが、いわゆる臨時採用、あるいは1年雇用の先生方です。不安定な上に給与も低い、あまり良くない条件で仕事をしています。このような大きな学校でそういう状況とは驚くばかりでした。まだ発展過程にあるので、とは副校長先生の言葉ですが、開校から3年以上たっています。制度改革の急激さと比較して、中身の改革の遅さが懸念されます。
教室の椅子は現代的なデザインですがなんだか窮屈そう。生徒はいなかったので意見は聞けませんでしたが。
この学校には立派な食堂がありますが、倉庫は空っぽでした。政府からの朝食(シリアルバーとコラーダという甘い飲み物)が届くのを待っているとのこと。子どもたちはどうしているのかと見ると、それぞれ家から食べるものを持ってきたり、バール(食べ物を売っているお店ーたいていの学校にはあります。barといっても日本のバーとは違いますね)で買ったりしています。
政府は制服も無料支給していると言いますが、実際は予算が決まっていて、特に女の子の制服をそれでカバーすることはできません。家庭では制服にかかる費用も必要になります。そのせいか、ここでは右の写真のとおり、下に民族衣装を着ています(これはオタバロの衣装です)。民族衣装はここの人々にとっては自分の出自を表す大切なもの。これが制服にとって代わるということは、文化を失うことにつながりかねません。今は民族衣装より制服を好む傾向も出てきているそうです。でも、ここではこうして民族衣装が制服と共に生きていました。
食堂で働いている女性に話を聞くと、この地域にはまだまだひどい貧困があるとのこと。家で食事を満足に食べられない子どもたち、両親を失って子どもたちだけで生きているというケースもあると言います。政府からのシリアルバーだけでは子どもたちは飢えてしまいます。食堂で働くのは二人ですが、彼女たちが生徒に呼びかけてそれぞれの家から食材を持ってきてもらい、週に1回は持って来られない子どもも含めてみんなに食事を提供するよう努力しているそうです。

大切なのは容れものではなくて、人だと痛感した訪問でした。この学校には菜園にできる土地がありました。ヘルマンはここの750人の子どもたちのために、学校菜園を始めたいと意欲を持って語ります。今回多くの学校で、お腹をすかせている子どもたちに出会いました。地域の人々がこの事実をしっかり受け止めて解決に向けて動き出すこと、そして学校菜園事業で食事改善を図ることは重要です。次回はカヤンベの事情を報告します。




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