政府は無料のスクールバスを出すと言っていますが、まだ実現されてはおらず、子どもたちは徒歩か普通のバス(有料)に乗って登校しています。校舎はとても立派で、中では先生方が1人1台のパソコンを見ながら会議をしていました。突然の訪問だったにもかかわらず、副校長先生が丁寧に対応して下さいました。
教室の椅子は現代的なデザインですがなんだか窮屈そう。生徒はいなかったので意見は聞けませんでしたが。
この学校には立派な食堂がありますが、倉庫は空っぽでした。政府からの朝食(シリアルバーとコラーダという甘い飲み物)が届くのを待っているとのこと。子どもたちはどうしているのかと見ると、それぞれ家から食べるものを持ってきたり、バール(食べ物を売っているお店ーたいていの学校にはあります。barといっても日本のバーとは違いますね)で買ったりしています。
政府は制服も無料支給していると言いますが、実際は予算が決まっていて、特に女の子の制服をそれでカバーすることはできません。家庭では制服にかかる費用も必要になります。そのせいか、ここでは右の写真のとおり、下に民族衣装を着ています(これはオタバロの衣装です)。民族衣装はここの人々にとっては自分の出自を表す大切なもの。これが制服にとって代わるということは、文化を失うことにつながりかねません。今は民族衣装より制服を好む傾向も出てきているそうです。でも、ここではこうして民族衣装が制服と共に生きていました。
食堂で働いている女性に話を聞くと、この地域にはまだまだひどい貧困があるとのこと。家で食事を満足に食べられない子どもたち、両親を失って子どもたちだけで生きているというケースもあると言います。政府からのシリアルバーだけでは子どもたちは飢えてしまいます。食堂で働くのは二人ですが、彼女たちが生徒に呼びかけてそれぞれの家から食材を持ってきてもらい、週に1回は持って来られない子どもも含めてみんなに食事を提供するよう努力しているそうです。
大切なのは容れものではなくて、人だと痛感した訪問でした。この学校には菜園にできる土地がありました。ヘルマンはここの750人の子どもたちのために、学校菜園を始めたいと意欲を持って語ります。今回多くの学校で、お腹をすかせている子どもたちに出会いました。地域の人々がこの事実をしっかり受け止めて解決に向けて動き出すこと、そして学校菜園事業で食事改善を図ることは重要です。次回はカヤンベの事情を報告します。
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