2014年3月13日木曜日

貧困はもうなくなったのか?                      ーキトの奨学生の家庭を訪問して

マリソルはキト市南端に住む奨学生です。
右の写真は彼女の住む地域。この道の奥に入って行くと彼女の家があります。高校までバスで1時間余り、SOJAEの事務所までは2時間かかります。いまだに水道の設備は整っていません。今年つくと良いのだけれど、とお母さん。コトパクシ県から18年前に家族みんなで引っ越してきました。コトパクシでは生きていくために充分な仕事はなかったと言います。

マリソルはお母さん、弟、妹の4人で暮らしています。下の写真の一番左がマリソルです。一番右は近くに住んでいるおじいちゃんです。彼女の生活は朝5時から始まります。家から少し離れた山に登ったところで牛を飼っているのですが、マリソルはその世話を毎朝しているのです。
10時半には早い昼食をとり、12時25分に始まる授業に間に合うように11時には家を出ます。授業は午後6時半まで続き、学校から帰ってくるのは午後8時になってしまいます。お母さんは裏の畑でトウモロコシなどを栽培し、街頭でそのトウモロコシで作ったエンパナーダを売り家計を支えています。

マリソルは、時間を見つけて学校が始まる前にSOJAEの事務所に行き、パソコンを使って宿題をすませます。学校には生徒が使える充分なパソコンはありません。事務所は通常午後しか開いていないのですが、彼女が入れるように、鍵を預けてあります。

彼女が奨学生になったのは、学校の先生の紹介がきっかけでした。彼女が貧しい生活の中でも、一生懸命に勉強に取り組んでいるのを見て、先生がSOJAEを紹介してくれました。エクアドルでは生徒の生活に気を配るのはその仕事を専門にしている教師(カウンセラー)です。SOJAEは各学校の担当教師と連絡を取り合って、助けを必要としている生徒の情報を得ています。評判を聞いて保護者が直接事務所を訪ねてくることもあります。

彼女はがんばりや。10点満点の9.08という高い成績です。そんな彼女が勉強を継続できるようお母さんも懸命に働いて応援しています。
SOJAEは奨学生に月30ドルの奨学金を渡していますが、彼女にとってこの奨学金は大切なものだと言います。一緒に訪問したボランティアスタッフのセシリアによると、マリソルは、毎日の交通費や、学校で必要な経費などに、とても上手に奨学金を活かしているそうです。
最初はとても恥ずかしがり屋だった彼女は、SOJAEで行っているチャルラ(奨学生を対象にした講座。毎月行われる。)によって自己表現ができるようになりました。SOJAEに来るのはとても楽しいと言っています。
そんな彼女は、友達からも信頼されるようになり、今年は生徒会長選挙に出ました。これは、クラスで誰が候補としてふさわしいのか話し合って決まったそうです。候補者はそれぞれ公約を発表しなくてはいけません。選挙運動も活発に行います。マリソルもインドアサッカーの校内の大会を行うなどの公約を掲げて闘ったそうですが、6票差で負けてしまいました。こういった活動で生徒たちは自主的な活動を学んでいます。

今回の訪問では、お母さんは私たちを大変歓迎してくれて、右の写真のような食事を用意してくれました。クイです。クイはハムスターのような動物で、田舎ではよく家で飼って食用にしています。けれども、まさかキトでお目にかかるとは思ってもいませんでした。キトの広さを感じました。というよりも、今もキトは田舎から移り住んでくる人々でどんどん南北に広がっているのです。
家の裏ではトウモロコシが育っていました。写真のお母さんの後ろの小屋にはクイがいます。

エクアドルではもう貧困がなくなったのでは、とか、学校が無償になったので支援は必要なくなったのでは、といった声がありますが、現実はそんなものではありません。月にたった30ドルの奨学金ですが、奨学生にとってはとても大切なものです。

SOJAEで得られた仲間やスタッフの支援を支えに毎日を一生懸命生きている子どもたち、そして家族の姿に出会えてうれしく思いました。

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