2016年3月20日日曜日

SOJAEの新たな一歩を目指してー卒業生と話す

明日までの予定でエクアドルに出張している杉田です。
SANEが支援した元奨学生たちは200人を超えています。そしてすでに社会に出て技術者、医者、看護師、教師などの仕事を始めている卒業生も。貧しい中を働きながら粘り強く大学を目指している卒業生たちもいます。
今回はカヤンベでもキトでもできる限り時間を取ってそういった卒業生と話をしています。その目的は、26年間の活動の一つの成果として、かつて奨学生プログラムの支援を受けた子どもたちが今何をしているのか、そして彼らにとって支援がどのような意味を持つものだったと考えているのかを知る事です。
SOJAEスタッフの協力を得て、インターネットを通じて出張前にアンケートを送り約50人から返答をもらい、こちらに来てからはカヤンベとキトで20人以上に会う事ができました。特に昨夜はキトで16人の卒業生と2人のスタッフも集まってくれて、熱心で楽しい話し合いができました。

卒業生との会は、私からのメッセージを読んだ後、一つの問いかけから始まりました。

メッセージ概略:26年間の活動の結果として、私たちの目標である『公正な社会の構築』に近づいたのでしょうか。そこに近づく基盤としての卒業生たちの今はどうでしょうか。あなたたちはファーストペンギンになれているでしょうか。
また、私たちの活動自体が他には見られないような、卒業生が支えている会であり、ファーストペンギンの姿を示しています。この活動が継続して行くためにはどうしたら良いのでしょうか。

問いかけ:SOJAEの奨学生事業はこれからも必要だと考えていますか?

この問いかけから始まった卒業生たちの話し合いはとても充実したものでした。経済的支援よりも青年の育成という点でとても重要だというのです。現在は学費は無料になっているので、奨学金が学校に支払う授業料支援という意味合いは少ないのですが、それよりも必要な事は社会性を身につけ、仲間と共に活動する事から多くの事を学び、互いの信頼を深め、社会への責任を身につけて行く事が何よりも重要だと言います。日本に来た事もある学生時代にSOJAE代表を務めたディエゴ・バレラは、2009年に大統領が言った『SOJAEやSANEのような会がなくなる事が政府の仕事』という言葉に応えて、『(私たちのような会は)もちろん必要です。』と強調しました。そしてエクアドルと日本の恊働の仕事こそ今後も継続して行く価値があるとそれぞれが話していました。
また、自分の奨学生時代を振り返って、奨学金がなければ今の自分はなかっただろうと、振り返ります。日本から見るとたった25ドルくらいの奨学金ですが、彼らにとってはやはり学業の継続のためには欠かせなかったのです。このことは多くのインタビューからも今回実感できたことでした。
エクアドルも日本も経済的困難を抱えている今、組織を支えて行く事は容易い事ではありません。彼らはそれぞれがどのような事が来出るのか時間をかけて出し合っていました。そばで聞いていて、話をまとめる力のあるパオラ、方向性を明らかにするディエゴ、多様な提案のできるガブリエルやより若いメンバー(38歳から18歳までいました)それぞれが果たしている役割を感じました。すでにSOJAEのウェブページも準備が始まっています。
彼らの今後の活躍が期待されます。

0 件のコメント:

コメントを投稿