2013年8月1日木曜日

カヤンベにおけるSOJAEの役割              ー地元大学専門家に聞く

サレシアナ大学カヤンベ校はカヤンベで農業や教育など重要な分野でアカデミックな面から貢献をしているだけでなく、人々と共に現場での実践を重ねています。今月の会報では、そこで教員をしているルイスさんにSANEと共に現地で活動するSOJAEについて書いていただきました。
 

サレシアナ工科大学カヤンベ支援センター

二言語による文化間教育課程コーディネーター ルイス・ペニャ

 20年以上にわたってSOJAEは、カヤンベ地方の発展と歩みをともにしてきました。同じように活動してきたNGOは他にもありますが、そのほとんどはSOJAEとは比較にならないほどの豊富な資金と人材を投じてきました。しかしそれらの活動は短期的な効果を狙ったもので、活動の主な目的が、人々の発展とともに歩むことではなく、単に予算と「技術的に優れた仕事をした」ことを正当化することにあったのは明らかだったと感じています。そしてそれは結果として、多くが地域の現実から離れ、住民の利益に乏しく住民の必要に応じていなかったのでした。

 一方、国際協力資源が減少しているという世界の現状を考慮に入れつつ歴史を振り返って見ると、SOJAEは人々への奉仕という支柱を保ったその役割を果たし続けています。人々に寄り添い、人々とともに歩む、人々の持つ能力と可能性を認め評価し、彼らから学び、彼らの社会・文化的な必要に応じた活動を活性化しているのです。その例の一つが、“栄養改善事業(学校菜園事業)”です。この事業は、外部の視点によって、つまり技術官僚的な観点から、「無知な人々」に恩恵を与える「知識層」の立場から生まれたものではなく、アンデスの女たち・男たちの現実から生まれたものでした。常に母なる大地を身近に感じ、深い緊密なつながりをもつという彼らの方法から。

 この事業が始まった時、次のようなビジョンが掲げられました。それは、農村部コミュニティの子どもが、菜園事業を通じて、農業関連の分野(生産技術)でも、数学、言語、(自然)応用科学、そして社会研究(社会環境)など知識の分野でも、様々な側面を学ぶこと」というものでした(「再生産型菜園事業(開始時事業名)」SOJAEカヤンベ2003より)。このビジョンのもとでは、菜園での経験は、人々に二つの可能性をもたらすと期待されます。(1)有意義な知識を身につけること、(2)自分たちの環境と日常生活に役立つスキルと能力を伸ばすことです。(SOJAEカヤンベ支部秘書:ダーウィン・バスコネス2011より
 

 SOJAEの役割は、「組織として名を成すこと」をめざすのではなく、人々の困っていることを身近にとらえ、自らの能力と資源を総動員して、よりよい生活をめざすもう一つの道にかかわっていくというその特質において傑出しているのです。

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