3月の出張報告でカヤンベのいくつかの村の学校が閉校になってしまって学校に行けない子どもたちがでてしまっているということを書きました(3月9日のブログをご参照ください)。この時アンチョラ村のことも少し触れていますが、私がここを訪れた時、閉校になって子どもたちがいなくなった学校はひっそりとしていました。右の写真が全景です。
左の写真は、大きな校舎が見えますが、外国組織の支援で作られた立派だけれど暗い教室です。その横に育っているのが私たちの支援で植えられたここの原産のヤワルという木です。標高が高く寒いため育ち方はゆっくりですが、防風林として寒さを和らげ、保水力があるので水の供給にも役立ってきました。その左側は子どもたちが元気に働いていた畑です。
左の写真は2011年の時のもので、右が今年のものです。SOJAEスタッフのヘルマンはこどもたちのいなくなった校舎や畑を見ながら長年の苦労が泡となってしまったと悔しそうでした。
ところが、そのヘルマンから学校が再開されるというニュースが届いたのです。3月の出張の時の訪問で、廃校になった地域の子どもたちの深刻な状況が明らかになりましたが、ヘルマンは昨年の秋ごろからすでに事態の重さを知り、保護者やカヤンベ市民にきちんとこの状況を政府に訴えて解決を図るよう働きかけていました。人々は教育省の役人に来てもらい、何度も会を開いています。その結果、いったん閉校になった学校の再開が決まったようです。
これは二重の意味でとてもうれしいことでした。子どもの学校へのアクセスが保障されることと、人々が声をあげることで政府を動かすことができるという可能性を示したということです。SANEは今年度の方針に、子どもの権利を守る、子ども、地域の人々のエンパワメント(自己を尊重し、成長させ、周囲とつながり、社会を変革する力をつける)を課題として取り組んでいくことを取り上げようとしています。希望のある年にしていきたいと決意を新たにしています。
写真はアンチョラの風景。後ろにチラッと写っているのはカヤンベ山。標高の高い村です。
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